加速するクライアント仮想化市場の実態

今後のクライアント仮想化トレンドはモバイル

連日のように各メディアには「クライアント仮想化」や「デスクトップ仮想化」の文字が踊っているほどクライアント仮想化は非常にポピュラーなソリューションとして注目を集めています。

今回は、IDC Japan株式会社が2012年11月27日に発表しました2012年上半期(1月〜6月)の調査レポートをもとにクライアント仮想化の実態をご紹介します。

 

クライアント仮想化トレンド

クライアント仮想化は、今に始まったソリューションではなく古くは1990年台のシンクライアントから大きく進化しています。もちろん、ユーザー企業の課題を解決するソリューションとしてクライアント仮想化の導入が加速しているのは言うまでもありません。

企業にとっての重要な課題であるセキュリティやデスクトップ管理コストの削減に大きく貢献するソリューションとして、クライアント仮想化の導入は根強い人気を誇っています。

つまり、データをクライアント側に保持せずに画面イメージのみを配信することにより情報漏洩対策に有効なだけでなく、サーバー側にデスクトップ環境を一元化することで内部統制やデスクトップ管理コストの削減に有効になるのです。また、パンデミック対策や国内においては2011年に発生した東日本大震災により、企業の事業継続や災害対策の解決策としてクライアント仮想化ニーズが高まりました。

最近では、従業員の生産性向上、多様化するワークスタイルへの対応、優秀な人材の確保などを目的にクライアント仮想化ソリューションを導入するニーズが高まっています。

IDC Japan株式会社が2012年11月、2012年上半期(1月〜6月)の実績調査をもとに発表した国内クライアント仮想化市場予測によると、導入目的の変遷がおわかりいただけます。

 

デスクトップ仮想化の実態

出典:IDC Japan 国内クライアント仮想化市場 2012年上半期の分析と2012年〜2016年の予測アップデート(J12170106), 2012/11

クライアント仮想化ソフトウェア市場

IDC Japan株式会社が2012年11月、2012年上半期(1月〜6月)の実績調査をもとに発表した国内クライアント仮想化市場予測によると、日本国内のクライアント仮想化ソフトウェア市場の出荷ライセンス数は前年同期比35.2%増の60万3,826ライセンスであるとのことです。2012 年通期では前年比37.1%増の129 万1,831 ライセンス、2016 年には前年比11.4%増の227万5,543ライセンスまで増加すると予測されています。2011 年〜2016 年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は38.7%になるとのことで数値が示すとおり、非常に高い需要がある分野である事は数字で示されています。
なお、図中のデスクトップ仮想化にCitrix XenDesktop、プレゼンテーション仮想化にはCitrix XenAppが位置づけられている。

 

デスクトップ仮想化の実態

出典:IDC Japan 国内クライアント仮想化市場 2012年上半期の分析と2012年〜2016年の予測アップデート(J12170106), 2012/11

また、2011年のクライアント仮想化ソリューションの市場規模は2500億円であり、今後2016年には6,600億円へと上昇すると報告されています。これは、2011 年〜2016 年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は49.4%になるのです。

 

デスクトップ仮想化の実態

出典:IDC Japan 国内クライアント仮想化市場 2012年上半期の分析と2012年〜2016年の予測アップデート(J12170106), 2012/11

今後のトレンド予測から企業は何を準備すべきなのか?

それでは、今後のクライアント仮想化のトレンドはどのようになっていくのでしょうか?そして、経営者やIT管理者は何を考慮するべきなのでしょうか?

災害対策や情報漏洩対策や内部統制、事業継続性、IT管理コスト削減、ワークスタイルの多様化、BYODといった企業ニーズは、引き続き大きく広く企業に浸透してくることが予測されています。

そして、今後はさらに3つの領域において、さらなるニーズが出る事が予測されます。その一つがDaaS(Desktop as a Services)です。企業はあらゆるコンピューティング領域でIT資産の所有からクラウドによる利用を模索しています。DaaSによるデスクトップOSを提供するサービスは成熟の域に達しています。このようなサービスが出現すると企業は自社でのデスクトップ管理から新たなコンピューティングモデルであるDaaSを検討するようになります。

2つ目は、迫り来るWindows XP問題です。2013年には法人向けのPCの買い替え需要がピークに達するだけでなく、いまだに多くの企業に存在するWindows XP のサポート切れが2014年に迫っています。企業は、数百、数千というWindows XPで動作していたアプリケーションがWindows 7やWindows 8で正確に動作するかを調査する必要がでてきます。そして、その迅速な移行の選択肢として、ますますクライアント仮想化のニーズは加速するのです。

3つ目はモバイルです。今やモバイル端末を利用しないビジネスは存在しないと言われるように、企業は競争優位の戦略にモバイル利用をあげています。
そして、クライアント仮想化環境においても、ユーザーはデスクトップとモバイル端末の利用を区別しなくなります。当然のことながらデスクトップOS管理とモバイル管理をクラウド環境で統合することをIT管理者は考慮する必要がでてきます。単なるクライアント仮想化の導入だけでなく、モバイル端末での最適表示、統合したセキュリティ対策やMDM(モバイルデバイス管理)まで含めてクライアント仮想化を導入する必要があるのです。