Japan Virtual Client Computing Vision 2015

ニューワークスタイルにおけるモビリティと仮想化の融合、その先に描くIT経営戦略の展望

2015年6月2日、IDC JapanはJapan Virtual Client Computing Vision 2015を開催しました。今年のテーマは、「ニューワークスタイルにおけるモビリティと仮想化の融合」で、冒頭にはIDC Japanのシニアマーケットアナリストの渋谷寛氏が登壇し (「国内クライアント仮想化市場動向分析~IDCの描くニューワークスタイル」)、国内クライアント仮想化の市場動向やIDCの描くニューワークスタイルについて講演しました。

IDCの描くニューワークスタイル

IDC Japanの渋谷氏は、IDCの描くニューワークスタイルを次のように定義します。

「これからの企業経営者は、多様な働き方の選択肢を用意して、個人が自らのパフォーマンスを最大限に引き出せる労働環境や制度を提供することが重要となります。また従業員は、企業が提供する環境で自らの働き方を創造し、仕事だけではなく自らのライフスタイルとのバランスを考慮し実現することが求められます」

そして、このニューワークスタイルを実現するためには、「いつでも」「どこでも」「どのようなデバイスでも」働ける環境を作ることが大切になります。

IDC Japanでは、2014年に25.7%である国内のクライアント仮想化率が、2019年には48.1%に成長すると予測しています。また、シンクライアント端末は、2014年の27万台から5年後に45万台まで普及すると試算しています。さらに、クライアント仮想化ソフトウェア市場においては、2014年の150万ライセンスから、5年後には210万ライセンスに拡大する予測です。そして、クライアント仮想化ソリューション市場も、2014年の4212億円から5年後に約2倍の8046億円へと成長すると、IDC Japanは推測します。

「ニューワークスタイルの実現に向けて、企業はクライアントITの現状分析と課題を把握し、モバイルとクラウドを意識したエンドユーザーコンピューティング構想を描き、自社の将来を見据えたワークスタイル変革に取り組むべきです」と渋谷氏は提言します。

シトリックスの提唱するデスクトップ・アプリケーションを最適に使う新しいアイデア

続いて、今年で3回目の出展となるシトリックス・システムズ・ジャパン株式会社の竹内裕治氏が登壇し、モビリティと仮想化を融合した、新しいモバイルワークスペースについて講演しました。竹内氏は、iPhoneをApple Watchで遠隔操作し、講演のスライドを表示して見せながら、これからのワークスペースは、モバイルへとシフトすると提唱します。IDC Citrix

「iPhoneからクラウドストレージにアクセスしてプレゼンテーションを実行したり、iPhoneからセキュアなメール、カレンダーやWebにアクセスしたりできるような、シームレスなモビリティ環境によって、新たなワークスタイルを実現できるのです。このときに、セキュリティはもちろんのこと、デバイスへの非依存、場所やネットワークへの非依存、そしてユーザー体験に優れていることが重要になります」と竹内氏はモバイル化されたワークスペースについて、実演を交えながら説明します。

デバイスへの非依存を実感してもらうために、iPadからOfficeファイルを指先で簡易に編集する様子や、シトリックスが新たに開発したiOS上のCitrix Receiverと連携する物理マウス Citrix X1 Mouseを使って、より本格的に表や図を編集する方法なども実演されました。

「お客様の中には、Windows PCやMacで仮想化されたWindowsデスクトップをオフラインで利用したいという要望があります。この期待に応えるために、シトリックスではクライアントハイパーバイザーによって、仮想環境もオフラインで使えるようにしています。クラアントにハイパーバイザーをインストールすることにより、オフラインでも仮想デスクトップの利用が可能になり、ネットワークに接続されたときに、一元管理されている環境と同期するようになります」と竹内氏はオフラインでも、仮想化されたWindowsデスクトップをPCやMacで利用できる様子を紹介します。

Excel on iPad

さらに、これまではWindowsのデスクトップを仮想化と同様にLinuxのデスクトップをホストするデモンストレーションも披露されました。Linuxのデスクトップ仮想化ソリューションによって、WindowsとLinuxを一元管理し、Linuxを必要とするグラフィック処理や構造計算などの業務も、仮想化されたアプリケーションやデスクトップとして利用できるようになります。

「シトリックスでは、あらゆるアプリケーションやデスクトップを利用できる統合クライアントを提供しています。その利用方法として、それぞれのOSに対応したアプリケーションであったり、ブラウザからのアクセスであったり、専用機のようなアプライアンスなどの使い方を用意しています」と竹内氏は統合クライアントについて説明します。

そして、より多くの企業が統合クライアントを容易に実現できるように、シトリックスでは仮想化ソリューションの導入から展開に運用までを簡単にする、新たな方法を提供していきます。

「これまでの仮想化ソリューション導入には、会社によっては一年以上の時間がかかっていました。この時間とコストを圧倒的に圧縮していくために、クラウドへの展開というアプローチを提供しています。まず一つは、標準のツールで代表的なパブリッククラウドに展開できるようにしていきます。また、オンプレミスの設計と構築においても、効率化を実現できるコンバージドシステムで、必要最低限の作業で済むようになります。そして、三番目の方法が、クラウドとオンプレミスの一元管理です。そのために、管理系とワークロード系を分離して、シトリックスが管理系を提供し、お客様はワークロードを自由に選択できるようになります。これは今後シトリックスが提供していく予定です」と竹内氏は新たな取り組みについて紹介します。

最後に、シトリックスの仮想化ソリューションによって、ワークスタイル変革を実現したキリン株式会社株式会社東邦銀行佐賀県の事例も紹介されました。

「シトリックスは、フロントエンドとバックエンドともに技術革新を継続し、お客様のワークスタイル変革を強力に推進していきます。更に、自動化やIoTなども活用して、ユーザーが真の知的作業に集中できる環境をお届けすることで、ワークスペースの進化をスピードアップします」と竹内氏は締めくくりました。

大盛況のシトリックスブース

大盛況のシトリックスブース