シトリックス、Citrix Workspace Suiteを発表

自席からの解放を強力に推進する包括的なソリューション

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(シトリックス)は5月30日、企業のモビリティを統合してサポートするための「Citrix Workspace Suite」を2014年6月30日(月)から国内提供すると発表しました。希望小売価格は1ユーザーあたり70,200円(税別)で提供されます。

Citrix Workspace Suiteは、「モバイルワークスペース」を実現するために提供されるソフトウェアです。同社が掲げるコンセプト「モバイルワークスペース」とは、あらゆるネットワークのあらゆるデバイス上のユーザーにアプリケーション、デスクトップ、ファイル、サービスをセキュアに提供するためのシトリックスが提唱する概念や技術の総称です。

今回は、このCitrix Workspace Suiteが一体何なのか、そして、何故企業がこのCitrix Workspace Suiteが必要なのかを紐解いてご紹介します。

Citrix Workspace “Suite”というようにこの製品は、複数の製品が統合されたソフトウェアセットとして提供されます。それらは、デスクトップ仮想化を実現するためのXenDesktop、アプリケーション仮想化を実現するためのXenApp、企業のモバイル環境におけるアプリケーションやデバイスを包括的に管理するXenMobile、オンラインストレージサービスによる企業内データを包括的に管理するShareFileで構成されます。

Citrix Workspace Suiteは、今までシトリックスが提供してきた製品を単純に寄せ集めた製品ではありません。従業員が、自席から解放されるためのソリューションであり、それらを唯一包括的に提供される製品、それがCitrix Workspace Suiteなのです。

デスクトップ仮想化は万能ではない?

そもそもデスクトップ仮想化は、端末管理コストの縮小やデータ保護などを理由に急激に普及しました。サーバー側でデスクトップOSを一元管理し、画面転送をすることで企業内の機密データを保全できるだけでなく、クライアント側のデバイスやOSを選ばずにデスクトップOSを利用することが可能になるため企業や官公庁・自治体に多く採用されました。

ここで言うモバイルとは、単純なスマートデバイスなどの活用ではありません。多くの企業では、従業員に机とデスクトップPCを与えています。つまり、従業員は特定の場所で仕事をする環境のみ与えられています。しかし、それだけでは仕事を効率化することは不可能です。今、企業では自席から離れた状態でも、安全にいつもと同じように仕事ができる環境が求められています。会議室でも顧客訪問中でも自宅でもあらゆるワークスタイルにおいて自席にいるかのような環境が必要なのです。シトリックスが目指すモビリティとは、自席からの解放を意味するのです。

これらを踏まえた場合に、デスクトップ仮想化は当初多く企業にとってモバイルでも使えるのではないかという時代もありました。確かに在宅勤務者などは、デスクトップ仮想化を用いて自宅から安全に仕事をすることはできるでしょう。しかし、デスクトップ仮想化だけでは、現状の企業ニーズに対応できない状況になっています。企業や従業員は、リモート環境から会社支給や自身のスマートデバイスを活用し、仕事の生産性を向上させようとするのはもはや避けられない状況です。たとえば外勤が多い営業職や製造業や自治体における設備点検、小売業の接客業務などでは、持ち運びしやすいスマートデバイスを活用するのが適切です。その際にスマートデバイス上にデスクトップOSが表示されても使い勝手が悪いことは容易に想像がつきます。余程のことがない限りモバイルフレンドリーなインターフェイスではないデスクトップOSをスマートフォンで使う人はいないのです。

そのためにCitrix Workspace Suiteには、デスクトップ仮想化機能に加えてアプリケーション仮想化機能を提供します。これによりスマートデバイス上に特定のアプリケーションのみを配信することが可能になります。ユーザーは、アプリケーションのアイコンをタップするだけで、即座に目的のアプリケーションを起動することが可能になるだけでなく、モバイルデバイスで使いやすい“タッチフレンドリー”なユーザーインターフェースを持ったアプリケーションに変換可能になります。企業はモバイルデバイス ネイティブな開発を必要とせずにモバイル環境に最適なアプリケーションを配信することが可能になるのです。

モバイルデバイス管理は無意味?

このようにモバイルは急速に普及しつつあります。多くの企業がセキュリティ確保のためにモバイルデバイス管理製品の導入を検討しています。従業員がふとした拍子にデバイス自体を紛失し情報漏洩につながるかもしれません。そのような状況においては、モバイルデバイス管理は必要になるでしょう。しかし、デバイスの管理だけでは不十分であることも認識する必要があります。たとえば、悪意のあるユーザーがモバイルデバイス上で企業内の情報を、標準で付属しているメールソフトを利用しコピー&ペーストで漏洩させる危険性も秘めています。つまり、モバイルデバイスの管理だけではなく、アプリケーションも制御可能である必要があるのです。具体的には、企業利用を許可するアプリケーションと個人で利用するアプリケーションは同一デバイス上で操作性を損ねることなく完全に分離されている必要があるのです。

これらを実現する機能がCitrix Workspace SuiteではXenMobileとして提供されます。これによりモバイルデバイスの管理はもちろんのこと、セキュリティ確保が必要な企業アプリケーションは、ユーザーには気付かない「モバイルコンテナ」上で実行され、他のアプリケーションへのコピー制限のほか、社内システムへのアクセスもアプリケーションごとのマイクロVPN経由での通信によりセキュアな状態が保たれるのです。最新のXenMobileでは、Windows Phone 8のサポートも行われています。

一般的にモバイルユーザーは個人ユースではApple社が提供する「App Store」やGoogle社が提供する「Google Playストア」からアプリケーションをダウンロードして利用します。このような操作性を企業用途にも適用できるようにCitrix Workspace Suiteでは、Worx Homeを提供します。ユーザーはWorx Homeにアクセスすると、管理者が用意した安全なアプリケーション(Worx アプリ)にアクセスできます。また、よく使うであろうアプリケーションは、シトリックスが標準で提供しています。それらには、VPNや暗号化による安全が確保されたインターネット / イントラネットのブラウズを提供するWorxWeb、メールやカレンダー、連絡先などを管理するWorxMail、企業ファイルストレージである ShareFile® などの Worx アプリを標準で提供します。これらは今回の発表にあわせてUXを刷新しており、ますます使いやすくなっています。

もちろん、Worxアプリを開発する事も可能ですし、モバイルアプリケーションのためのマーケットプレイスWorx App Galleryを活用することも可能です。

オンラインストレージ機能で重要な企業データをサポート

Citrix Workspace Suiteでは、企業向けオンラインストレージ機能であるShareFileも搭載されます。コンシューマー向けのデータファイル共有サービスにはない安全な機能はもちろんのこと、独自のストレージゾーンズという機能によりクラウドの利便性を保ちながらデータは企業のデータセンターに保存しておくことによる信頼感が受け入れられ、今では45,000社を超える企業がShareFileを活用していると言います。

結局、Citrix Workspace Suiteとは何なのか?

クラウドやモバイル管理、仮想化、ファイル共有など個別に提供するベンダーは多いのは事実ですが、それらを予め統合された検証済みのソリューションとして提供することで、企業は個別最適化された製品の導入による弊害からも解放されることになります。また、常にユーザー視点にたったエクスペリエンス ファーストを掲げる同社のDNAが細部にわたり盛り込まれており、セキュリティ強化やサーバーソフトウェアにありがちな「使いづらい」ソフトウェアでないことも大きな利点になるのです。

デバイスや場所を問わず、どこでも働ける環境を提供する「モバイルワークスペース」を包括的にサポート可能なCitrix Workspace Suiteが、主要先進7カ国中で最下位※注という労働生産性を向上させることは間違いなさそうです。

※注: 公益財団法人 日本生産性本部 「日本の生産性の動向2013年版」より