Citrix Solution Day 2015 – ワークスペース ソリューションの最前線

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社は、2015年11月17日に都内のホテルで「Citrix Solution Day 2015」を開催しました。午前中の基調講演では、「Empower your business with Mobile Workspace (モバイルワークスペースが実現する新しい経営、新しい働き方)」と題して、来日したナビール ヨーアキム(Nabeel Youakim)氏が講演しました。

モバイルワークスペースが実現する新しい経営、新しい働き方

シトリックスは「モバイルワークスペース」というコンセプトを提唱し、場所やデバイスに依存しない快適かつ安全な仕事環境の実現のための製品群を提供しています。今や、すべての組織にとっての課題ともいえる「働き方」変革。その実現に向けた現実的なソリューションを体験する場として、「Citrix Solution Day 2015」は開催されました。

コンセプトビデオ基調講演に登壇したCitrix Inc. Windows アプリケーション デリバリー プロダクトマネージメントおよびストラテジックパートナー担当バイスプレジデントのナビール ヨーアキム氏は、2001年に同社が提唱していたバーチャルワークプレイスのコンセプトを描いたビデオを紹介し、そのビジョンが2015年には現実的なソリューションとして提供されるようになってきたと語りました。

ナビール ヨーアキム「アプリは、ビジネスの名詞、動詞、形容詞です。そして安全なアプリとデータのデリバリーは言語となります。当社のミッションは、世界で最も重要なアプリを安全にデリバリーすることです」とヨーアキム氏は訴求します。

現代の経営者は、ビジネスの生産性や採算性、競争優位性向上のためにITを活用したいと期待しています。一方で技術担当役員は、デバイスやアプリ、データを活用するために、モビリティとセキュリティおよび快適なユーザーエクスペリエンスを、迅速にかつ低い予算で社員に提供することを望んでいます。この経営者と技術担当役員のミッションを実現するために、CIOは最新のソリューションの活用を推進していかなければなりません。そのCIOを取り巻く環境には、次のような課題が横たわっています。

  • ビジネスに用いるデバイスの数と種類の爆発的増加
  • 主要なビジネスアプリの複雑な組み合わせ
  • レガシーおよび最新のアプリ、データ、サービス群のセキュリティに関する責任
  • 従業員の多様性
  • 常に起こる変化

「これらの課題を解決するためにシトリックスの掲げる3つのキーワードが、エクスペリエンス、セキュリティ、フレキシビリティなのです」とヨーアキム氏は提案します。

エクスペリエンスでは、いつでも・どこでも、どんな状況でも、自然で快適なモバイルワークスペースを実現します。また、重要な情報を保護し、データやアプリを安全に利用できるセキュリティを提供します。そして、さまざまな変化に対して柔軟に設計できるように、あらゆるアプリ、デバイス、クラウドでのフレキシビリティを可能にします。その具体的な成功モデルを示すために、ヨーアキム氏はイギリスのサンダーランド市の事例を紹介しました。

国内で10人に1人がシトリックスユーザー

続いて、シトリックス・システムズ・ジャパンの村上督氏が登壇し、日本の取り組みについて話しました。

村上督氏「シトリックスは、日本で10人に1人のお客様にご利用いただいています。我々のソリューションは、グローバルでも日本でも、各業界のリーダー企業に採用されています。今日の成功の理由は、我々が常にお客様との会話を重視しているからだと信じています。」

村上氏は、その中で得られたシトリックスに対する期待に応えてきたことで、新しい経営の推進をサポートしていると話し、その事例として日産自動車株式会社 アライアンス グローバルVP 常務執行役員 CIO グローバルコーポレート IS/IT担当の行徳 セルソ氏(以下、行徳氏)を紹介しました。

日産自動車が目指すデジタル車両開発ワークスペース変革

ゲストとして登壇した行徳氏は、2004年から日産自動車のCIOとして、その手腕を振るってきました。現在は、ルノーと日産のIS部門をグローバルに統括しています。

行徳 セルソ氏「日産自動車では、会社全体の経営計画と同期したIS/IT戦略を推進してきました。2005年からは、BEST Programによって、ITアーキテクチャーの標準化と最適化をグローバルレベルで推進してきました。そして、2011年からはNISSAN POWER 88という中期経営計画と連動して、ITがいかにビジネスに貢献するか、という主眼でVITESSEというIT戦略を推進しています」
「VITESSE」は、VALUE INNOVATION、TECHNOLOGY SIMPLIFICATION、SERVICE EXCELLENCEという3つのテーマを組み合わせたスローガンで、フランス語の”速さ”を意味しています。

「3つのテーマの中で、VALUE INNOVATIONにおける優先事項が、One PLMというプロダクトライフサイクルマネジメントの統合化でした。One PLMでは、アライアンスレベルでの情報連携やプロセス統合によって、ミスの抑制と稼動の効率化、そしてプロダクトライフサイクルの確立をグローバルレベルで確立させることを目指しました」と行徳氏は取り組みの背景を説明します。

日産自動車では、グローバルで展開する16の拠点で、R&Dプロセスを支えるNX-PDMのデータベースを統合化するために、Citrix XenDesktopとXenServerによる「eVDI」(エンジニアリングVDI)を採用しました。

「デスクトップ仮想化技術をGPU仮想化技術と組み合わせて採用することで、海外拠点から日本で管理している仮想デスクトップに高速にアクセスし、データの一元管理とセキュリティリスクの低減しつつ、ユーザビリティを向上できました。世界で初めて、グローバルで展開するCADエンジニアリング環境の仮想化を実現できたと思います。バーチャルワークスペースを実現したことにより、世界中でエンジニアがどこに行っても、仮想デスクトップを使って、必要なCAD/PDMのデータにアクセスできる新しい仕事のスタイルを実現できました。今後は、解析などでも利用できるように検討していきます」と行徳氏は成果を語りました。

Citrix HDXの革新と新しい応用分野

続いて登壇したシトリックス・システムズ・ジャパン株式会社の竹内裕治氏は、Citrix HDXによるワークスペースソリューションのデモンストレーションを行いました。

竹内氏は、通常は高性能なワークステーションを必要とするCADアプリケーションにタブレットデバイスを使ってアクセスし、設計データにアクセスして指先で拡大したり回転する様子を見せました。また、仮想デスクトップ環境でワコム社製のペン入力タブレットを使って、電子カルテのアプリケーションに手書きで描画したりコメントを入れるなどの実演をしました。さらに、最近ニーズが高まっているユニファイドコミュニケーションの活用例として、Microsoft Skype for Businessを仮想デスクトップで利用して、ビデオ会議を行ってみせました。

みずほ銀行におけるタブレット活用術 -働き方シフトによる業務プロセス改革の加速-

二人目のゲストとして紹介されたのは、株式会社みずほ銀行のIT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 次長の戸谷 友彦氏(以下、戸谷氏)です。戸谷氏は、みずほ銀行が役職員全員に一人1台のタブレット端末を配付し、情報ツールとして最大限に活用して、働き方を抜本的に変える「業務プロセス改革」への取り組みについて講演しました。

戸谷 友彦氏「みずほ銀行では、ビジネススタイル改革や生産性の向上、そして社員のモチベーション向上を目的に、2012年からタブレット端末の導入に取り組んできました。導入を推進してみると、タブレットを活用している社員の営業成績が高いことがわかりました。そこで、全社的な業務改革への取り組みとして、2015年の6月から延べ23,000台のタブレットを導入しました」

同行では、役職員全員にタブレットを配布することにより、紙のハンドリング負担の軽減やインフラ制約からの解放を推進し、業務の効率化に関する構造的な課題の解決に取り組みました。

「働き方を変えるために、ペーパレスとアドレスフリーを推進してきました。そのためには、タブレットに装備されている各種のアプリを使うだけではなく、これまで社内のイントラネットで利用していた業務目的アプリも使えるようにしなければなりませんでした。そこで注目したのが、アプリケーション仮想化技術でした。いろいろと検討した中で、シトリックスのソリューションが最適だと判断して、XenAppとCitrix Receiverを組み合わせ、既存のシステムをタブレットから利用できるようにしました。さらに、iPadでReceiverと連携して利用可能な物理マウスであるCitrix X1 Mouseも導入して、細かい作業も快適に行えるようにしました」と戸谷氏は説明します。

同行では、ITシステム部門だけではなく、企画部門やリスク管理部門にコンプライアンス部門、そしてグループ開発会社が連携して、アプリケーション開発のガバナンスを推進しています。また、機能を拡充するためには、モニタリングとプロモーションを組み合わせて、業務プロセス改革を加速させています。
「みずほ銀行のタブレット導入の成果をご覧になりたい方は、ぜひ当行にお越しいただいて、営業担当に『あなたのタブレットを見せて下さい』とお声がけください」と戸谷氏は締めくくりました。

革新的なモバイル エクスペリエンス

ゲストに続いて、シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社の山田晃嗣氏が登壇して、ワークスペースソリューションのデモンストレーションを行いました。

「シトリックスのソリューションでは、Windowsの仮想環境をiPadなどのモバイルデバイスで使えるようにしてきました。単にWindowsのデスクトップ画面を表示するだけではなく、デスクトップをカスタマイズして、タッチ操作を使いやすくするとか、仮想マウスを画面に表示するなど、操作性を向上させるユーザーインターフェースも提供してきました。そして、さらに使い勝手を向上させるために、マウスが利用できないiPadでもシトリックスの仮想セッションで利用可能な Citrix X1 Mouseを開発しました」

山田氏は、X1 MouseとiPadを使い、仮想デスクトップ上で絵を描いて、そのデータをPowerPointに貼り付ける作業を紹介しました。そして、モバイルに特化したシトリックスソリューションの使い勝手の良さを伝えるために、iPhoneでWorxMailを利用する様子や、iPadで作成したスライドをスマートフォンにダウンロードして再表示するデモンストレーションを紹介しました。

ワークスペースソリューションの明日

講演の最後に、再びヨーアキム氏が登壇し、ワークスペースソリューションの今後の展望について語りました。

「現在は約13億のデスクトップが稼動しています。これが将来はワークスペースへと変わっていきます。そのワークスペースは、サービスとして提供されるものとなり、安全な提供とデータの連携が求められるようになるでしょう。シトリックスは、世界で最も大切なアプリやデスクトップを安全に配信するために、XenDesktopやXenAppをはじめとして、XenMobileにShareFileなど数多くのソリューションを提供しています」

ヨーアキム氏は、XenAppとXenDesktopがモバイルワークスペースの原動力となって、Windowsアプリのモバイル化を実現したり、Webブラウザの仮想化やさらに多様なデバイスの利用など、Windowsアプリケーションの配信を拡張すると説明します。

「シトリックスは、今後もイノベーションを加速していきます。最新リリースのFeature Pack 3では、Windows 10への対応や、HDXグラフィックスの機能強化、Linux VDIデスクトップなどを提供します。また今後、能動的な通知とアラートによる監視や、多拠点の管理、Windows 10 VDI展開のためのプロビジョニングをサポートし、Microsoft Azureネイティブプロビジョニングにも対応します」とヨーアキム氏は進化を続けるワークスペースソリューションについて語りました。

豊富なソリューションの展示と多くの協賛パートナーによるパビリオン

パビリオンの様子モバイル ワークスペース パビリオンには、シトリックス モバイル ワークスペース体験ゾーン&Ask The Expertをはじめ、スポンサーブースなどが設けられ、講演の合間に多くの来場者がシトリックスの最新テクノロジーを、モバイルデバイスを通じて体感しました。

ロビーに設置された実演コーナーまた、ロビーに設置された実演コーナーでは、ランチや休憩をとる来場者に向けて、最新ソリューションのデモンストレーションが披露されました。

なお、Citrix Solution Dayで行われたシトリックスセッションの資料はこちらでご覧いただけます。
https://www.desktop2cloud.jp/trend/it/citrix-solutionday-2015-session-contents.html

また、スポンサー各社の関連資料などはこちらでぜひご確認ください。
http://www.itmedia.co.jp/info/virtualevent/solutionday2015/