設計、製造ソリューション展(DMS)シトリックス、NVIDIAが共同で「3D CAD仮想化」を出展

6月25日から27日までの3日間。シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社とエヌビディアは、共同で設計・製造ソリューション展(DMS)に出展し、GPU仮想化による次世代のデスクトップ仮想化環境における3D CADの活用について紹介しました。展示ブースでは、日本アイ・ビー・エム株式会社がデモ環境を提供し、代表的な3D CADアプリケーションを利用したデモが行われました。また、ミニセミナーコーナーも設けられ、コスト削減やワークスタイル変革、さらにはグローバル展開や情報漏えい対策になる3D CAD仮想デスクトップの特長や優位性を各社が講演しました。

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設計・製造業を取り巻くさまざまな課題と解決への取り組み

日本の製造業は、生産の効率化や新たな市場を求めて、グローバル化を推進しています。かつては、組み立てや製造などの工場が中心だった海外の拠点も、近年では開発拠点も含めた海外展開が加速しています。また、国内の開発現場においても、3D CADの活用にともなうデータの一元的な管理や、重要な知的財産でもある設計データの情報漏えい対策など、セキュリティ対策の強化などが急務となっています。

さらに、高価なワークステーションを用意しなければ、3D CADデータの設計だけではなく、閲覧など二次的な利用も難しい場合があることから、設計データの効率的な共有も困難になっています。こうした課題を解決するために、シトリックスとNVIDIAでは、仮想GPUと仮想デスクトップで3D CADの仮想化を実現する次世代「CAD on VDI」(仮想ワークステーション)を提唱しています。

設計・製造ソリューション展に出展した両社は、IBMの協力のもと、IBM System x iDataPlex dx360 M4に、NVIDIA GRID K2を2枚搭載し、Citrix XenDesktop 7.5による仮想デスクトップ環境を構築して、そこに各種3D CADアプリケーションを展開しています。既存のノートPCやデスクトップだけではなく、シンクライアントやタブレットなどからも、3D CADを快適に操作できるデモンストレーションを紹介しました。

3D CADの仮想化による次世代の設計・開発ソリューション

3社が共同で出展した3D CADの仮想化による次世代の設計環境は、これまでのCAD用ワークステーション利用における多くの課題を解決する設計・開発ソリューションになっています。例えば、一台一台が高性能なGPUとCPUを搭載した3D CAD用ワークステーションは、設計者がハードウェアを専有するため、利用者の数だけ揃えなければなりません。

また、設計データの多くが、各自のワークステーションに保存されるため、機密データの情報漏えいが心配されています。そして、個々のワークステーションに設計データが依存しているままでは、事業の継続性にも支障をきたします。さらに、海外の開発拠点に3D CADを導入しようとすれば、高性能なワークステーションを海外の拠点にも配備しなければならず、データ管理や運用のリスクはさらに高くなってしまいます。

これらの課題を解決できるソリューションが、「CAD on VDI」です。3社の構築した3D CAD仮想化デスクトップでは、Citrix XenServerに対応したNVIDIAのGRID K1/K2グラフィックボードを活用し、IBMのサーバー上でXenDesktopで構成した仮想デスクトップ環境上で3D CADを実行します。設計者は、その仮想化された3D CADをCitrix Receiverが実行できる端末であれば、どのようなデバイスでも利用できるようになります。その結果、CADを利用する端末の制約から解放され、ハードウェアの投資コストを削減できます。これまでもブレードサーバーを活用した1対1の接続や、GPUパススルーを利用した仮想化は可能でしたが、物理的なGPUに仮想マシンを紐付けるため、集約率が上がらないという課題がありました。このソリューションでは、GPUの仮想化の実現、およびその仮想化されたGPUを仮想マシンからネイティブドライバで利用することにより、これまでには無かった高い集約率とパフォーマンスを実現しています。

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また、すべてのデータがサーバーに集約されるので、開発拠点が国内外のどこにあっても、通信回線さえ利用できれば、一元的な情報の管理と強固なセキュリティ対策を実現します。そして、堅牢なファシリティーを備えたデータセンターにサーバーを設置しておけば、事業継続性も高められます。さらに、3D CADの仮想化は、安価なタブレット端末でも、設計データの閲覧が可能になるので、設計者だけではなく現場の担当者や営業部門などでの情報共有も促進します。その上、設計データは各自の端末には保存されないので、安全な運用も実現します。

IBMのサーバーで16ユーザーがストレスなく利用できる3D CAD仮想化を実演

設計・製造ソリューション展の展示コーナーでは、IBMが1台のiDataPlex dx3660 M4にNVIDIA GRID K2を2枚搭載したサーバーを使用しました。この環境では、物理的に4つのGPUが搭載されますが、仮想的に16の仮想GPUが利用でき、それぞれを別の仮想マシンに割り当てることにより、16ユーザーが同時に利用できる環境を構築しました。

IBMでは、独自に各社の3D CADソフトを使って、4ユーザー、8ユーザー、16ユーザーが同時にアクセスしたケースを想定したベンチマークも計測しています。計測に利用された3D CADは、PTCの「Pro/ENGINEER」と「Creo」に、ダッソー・システムズの「CATIA」、そしてシーメンスPLMソフトウェアの「Team-center」と「NX」です。IBMの計測結果によれば16ユーザーが同時に利用した場合でも、パフォーマンスの劣化は限定的で、一般的な利用環境であれば、十分に16ユーザーの利用に耐えられると判断しています。

ベンチマークに利用されたGRID K1/K2は、CitrixとNVIDIAが共同で開発したvGPUです。GRID K1/K2では、最新のOpenGLやDirectXが利用でき、必要な性能を論理分割することで、高い柔軟性と集約率の向上によるコストの最適化を実現します。3社が共同で構築した次世代のCAD on VDIは、既存の開発環境を進化させ、コスト削減やワークスタイル革新、セキュリティ対策の強化やグローバル展開にも優れた設計・製造ソリューションです。3D CAD仮想化デスクトップは、イベント会場でも多くの来場者から注目を集め、セミナーやデモンストレーションを熱心に聞く人で賑わっていました。

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