Chromebookで仮想アプリケーション&デスクトップを活用

シトリックス、グーグル、インテル共催セミナーレポート

chromebook_image1シトリックス・システムズ・ジャパン(株)、グーグル(株)、インテル(株)の3社は共同で、Windows 資産の有効活用で効果的な Chromebook の導入を実現するためのセミナーを2014年8月に開催しました。セミナー当日、満席の会場にはChromebookのビジネス活用を検討している多くの受講者が集まり、熱心に3社の講演を聴講していました。

ポスト PC 時代のワークスタイルを改革する Chromebook の全貌

グーグル(株) プロダクト & テクニカル マネージャー 佐藤 芳樹氏

最初に登壇したグーグル(株) 佐藤氏のセッションでは、最新のChrome OSを搭載したChromebookの機能と特性などが解説され、ビジネスにおける活用方法や管理手法などが紹介されました。
講演の冒頭では、この5年間で世界的な規模でOSのシェアが変化し、コンピューティングのプラットフォームにおいてAndroidやChromeが、高いシェアを獲得しているデータが紹介されました。そして佐藤氏は「Chromeブラウザーは新時代の主役となりつつある」と訴求し、2013年を境として出荷されるコンピュータの割合が、ノートパソコンからタブレットへとシフトしている統計データを示しました。その理由として、佐藤氏は以下のような調査結果をあげます。

タブレット端末の購入・利用の理由

  • 持ち運びが便利そう・・・52.4%
  • PCでできることの多くができるから・・・48.2%
  • スマートフォンより画面が大きいから・・・43.8%
  • 手軽にインターネットができる・・・43.1%
  • 操作が簡単そうだから・・・19.2%

その一方で、タブレット端末をビジネスで使おうとすると、いくつかの不満もあると佐藤氏は指摘します。

ビジネスにおけるタブレット端末の不満

  • 文字が入力しにくい・・・52.7%
  • USBポートがない・・・30.2%
  • Flash対応サイトが見られない・・・29.4%
  • データ処理速度が遅い・・・27.8%
  • オフィスソフトが使えない・・・25.3%
  • データのやりとりが不便・・・21.6%

Googleでは、こうした背景や分析結果から、Chromebookを提供してきました。すでに先行して販売されてきた米国では、ビジネス環境におけるChromebookの販売数の割合は、ビジネス環境における Chromebook の利活用が進んでいます。また、2014年の第2四半期における教育市場には、100万台のChromebookが導入されました。そして日本でも、2014年7月14日から、企業および教育機関向けにChromebookの提供が開始されました。
Googleが、Chromebookというハードウェアを提供する必要性について、佐藤氏は次のような違いを示します。

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(図1:Chromeデバイスの特徴)

従来のコンピュータは、OSの上にウイルス対策や暗号化にデバイス制御などのセキュリティ対策を導入しなければなりませんでした。それに対して、はじめからセキュアなOSとして開発されているChrome OSを搭載しているChromeデバイスならば、シンプルかつセキュアに、そして高速にChromeブラウザを使えるのです。

また、従来のコンピュータは社内イントラネットでしか管理ができませんでしたが、Chromebookはクラウド型の管理機能であるChrome管理コンソールが提供されており、すでに120を超えるポリシーでインターネット上のどこからでも管理できるようになっています。

そのほか、Chromeブラウザのドキュメンテーションでは、Microsoft Word,Excel,PowerPointのデータをそのまま表示したり編集できます。さらに、Chrome搭載デバイスをVDIクライアントとして活用すれば、ユーザーはHTML5に対応したVDIサーバーのURLにアクセスするだけで、Citrix XenDesktopCitrix XenAppを利用できます。そして、ステートレス セッションなので、どのChromeブラウザやChrome搭載デバイスでもVDIクライアントとしての使用が可能になります。

Chromeデバイスは、ウイルスとマルウェアからの保護や、ハードウェアレベルのセキュリティ、10秒以内に起動するスピード、そして長時間のバッテリー駆動を実現した、クラウド時代の新しいコンピュータです。また、Chrome管理コンソールからクラウドを通して容易に管理できるので、中央からの一括導入と集中管理が可能になり、3年間で75%の費用削減効果があると試算されています。

「例えば、Chromebookではローカルデータの完全消去ができるので、図書館などでの貸出端末として活用したり、シングルアプリケーションによる公共の場所への設置など、さまざまなビジネスでの共有端末やキオスク端末としての活用が想定できます」と佐藤氏はビジネスの用途についても提案します。

Citrix + Google + Intelが実現するモバイルワークスペース

シトリックス・システムズ・ジャパン(株)プロダクトマーケティング部シニアマネージャー 竹内 裕治氏
システムズエンジニアリング本部 シニアシステムズエンジニア 島崎 聡史氏

chromebook_image2Googleに続いて登壇したシトリックス・システムズ・ジャパン(株)の竹内氏と島崎氏は、VDIクライアントとしてのChromebookについて、より詳しい内容を解説しました。
シトリックスは、国内のバーチャルクライアントコンピューティング市場で、No.1の高いシェアがあり、その中核を成すXenAppとXenDesktopは、モバイルに向けたWindowsアプリケーションとデスクトップ環境を提供します。そして、このシトリックスの仮想アプリケーション・仮想デスクトップにより、Windows資産を有効に活用し、効果的なChromebookの導入を実現していきます。

セミナーでは、ChromebookでWindowsを使うための具体的な方法として、Citrix Receiverのデモンストレーションが紹介されました。
通常のChromebookでは、Chrome OSやWebアプリケーションしか利用できません。しかし、ChromeブラウザからCitrix Receiverを利用して、シトリックスの仮想アプリケーション・仮想デスクトップにログインすると、Chromeブラウザの画面でWindowsとアプリケーションが使えるようになります。セミナー会場では、その実際の様子が実演されました。

シトリックスでは、ChromebookでVDIクライアントを利用する方法として、Citirx Receiver for HTML5とCitrix Receiver for Chromeという2つの接続方法を提供しています。まず、Citrix Receiver for HTML5は導入が簡単で、HTML5に対応したブラウザであれば、専用のアプリなどを端末にインストールすることなく、容易に接続できます。また、他のOSやデバイスにも対応し、ユーザーポータル(StoreFront)に組み込まれた機能となっています。

もう一方のCitrix Receiver for Chromeは、Chromebookに最適化されたアプリケーションです。エンタープライズに最適な機能として、Google 管理コンソールやウェブストアからの導入をサポートしています。そして、接続設定の配布と保存も可能です。さらに、HDXへの対応を強化し、Google Driveと統合された利用環境を提供します。その他にも、印刷やUSBにクリップボードをサポートし、キーボードのショートカットやタッチ操作、Webカメラと双方向音声、Google Drive内のファイルから「Open in Citrix Receiver」としても利用できます。

講演では、Receiver for Chromeも実演され、Chrome OSに統合された使い勝手なども紹介されました。さらに、CRconfigUtilという接続設定ファイルを作成するユーティリティについても解説が行われ、接続設定ファイルが配布される仕組みについても説明が行われました。

実演の後は、オーストラリアとニュージーランドの約400店舗で20万人のスタッフが働くWoolworths社が、ChromebookとVDIによってワークスタイルを革新した先進的な事例が紹介されました。Woolworths社は、Windows XPのサポート期限終了に合わせて、Citrix XenAppとGoogle Appsを採用し、レガシーなデスクトップ(物理デスクトップ)からWebベースのデスクトップ配信モデルへの革新を実現しました。その結果、社内でのリッチなコラボレーションが可能になり、根本的なセキュリティ対策と、大きなTCO効果が得られました。また、BYODも推進していて、ユーザーはChromebookも含めて自由にデバイスを選択できる環境も整えています。

シトリックスが提供するモバイルワークスペースは、データへのアクセスや共有に同期が容易で、ソーシャルコラボレーションやセキュアなモバイルアクセスを実現しています。そして、どんなデバイスでも、どんな場所でも、どんなネットワークでも、どんなクラウドでも利用できます。

シトリックスは2014年12月26日まで、期間限定でChromebookキャンペーンを展開していきます。Chromebookを購入すると、XenApp PlatiumやWorkspace Suiteのライセンスを25%オフするキャンペーンです。

Chromebookを進化させるインテルのテクノロジー

インテル(株) ソフトウェア&サービス事業開発本部 インテル・セキュリティー・グループ
日本地区統括 坂本 尊志氏

セミナーの最後に、インテルの坂本氏が登壇し、同社のテクノロジーに関する講演が行われました。
インテルでは、Chromeプラットフォームの開発を強力に支援してきた実績があります。

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(図:インテルの支援実績)

その実績を背景に、インテルのプロセッサーを搭載したChromebookならば、次のようなメリットがあると坂本氏は訴えます。

  • インスタント・オンで高速な起動
  • クラウド向けにデザインされたプラットフォーム
  • 簡単に共同作業をスタート
  • 就業時間をフルにサポートするバッテリー持続性
  • シンプルな IT マネージメント機能
  • 自動アップデート
  • 管理の容易さ(コスト削減)
  • データ暗号化による安全性
  • 業務に必要な高い性能を提供

こうした性能が高く評価されて、海外では数多くの活用事例が報告されています。セミナーの後半では、数ある事例の中から、代表的な用途が紹介されました。

【顧客向けキオスクとしての活用事例】

  • 顧客向け受付端末-ウェブベースの写真編集・加工品の発注
  • 注文建築会社の顧客端末
  • 不動産物件のウォークスルーや現地案内の予約
  • デジタル・サイネージとしての利用

【従業員向けキオスクとしての活用事例】

  • 休憩室など、不特定多数の従業員がアクセスする場所での、従業員のメール、給与チェック、情報検索など

【サブ機として使う活用事例】

  • 健康保険申請のアップロード端末
  • 端末を持ち出し、各地を回る社員向け
  • 様々な店舗、オフィスや学校で予防接種の実施、管理を行う看護師

【メイン機としての活用事例】

  • 顧客とオペレータの会話が必要なクラウドベースコールセンター
  • シンクライアントの置き換え–ウェブベース・アプリケーション
  • 店舗でのメールアクセスや重要な社内システムへのアクセス
  • Google Apps・ウェブベースアプリ採用の会社との連携
  • 現場間や倉庫とのツールを通したコミュニケーションやコラボレーション
  • 組立工場内での在庫管理やコラボレーション
  • 図書館などのチェックイン・チェックアウトや貸し出し管理が必要なデバイス

セミナーの最後には、国内での事例も紹介されました。私立広尾学園高等学校様(東京都港区)では、約250名の新入生に、インテルCeleronプロセッサーを搭載したChromebookを配布して、授業に活用しています。

インテルでは、今後も「より高いパフォーマンス」と「セキュリティ性を備えたハードウェア」に「バッテリーを長持ちさせる低エネルギー消費のプロセッサー」で、Chromebookをサポートしていくと坂本氏は話しました。