シンクライアントからゼロクライアントの時代へ

WyseのXenDesktop専用端末で仮想デスクトップを進化させる

調査会社のIDC Japanは11月に2011年のシンクライアント専用端末の国内市場における主要ベンダーのシェア状況を発表しました。この発表によると2011年 国内シンクライアント専用端末市場のベンダーシェア1位はワイズテクノロジーであり、ワイズテクノロジーがシンクライアント端末市場で大きくリードしている事がおわかりいただけます。

ThinClient

2011年国内シンクライアント専用端末/ターミナルクライアント市場 出荷台数ベンダー別シェア(総出荷台数は20万7500台、出典:IDC Japan 2012年 国内クライアント仮想化市場 ベンダー競合分析 J12170104 2012年10月)

そのような中、新たなワークスタイルを提供する仮想化/クラウドコンピューティング市場において革新的なシンクライアントソリューションを提供する、ワイズテクノロジーの日本法人代表 松浦 淳氏に、最新のシンクライアント事情に関してお伺いしました。また、シトリックス社が提供するXenDesktop専用のゼロクライアント端末であるワイズテクノロジーのXenith 2に関しても同時にお伺いしました。

Wyse

ワイズテクノロジー株式会社
日本法人代表
松浦 淳 氏

インタビューア:早速ですが、シトリックス社が提供するデスクトップ仮想化ソリューションであるXenDesktopがあればシンクライアント専用端末は必要ないような気がするのですがいかがですか?

松浦氏:
私たちは、企業におけるクライアント端末の管理をゼロにすることを目的としてビジネスをしています。仮想デスクトップを導入することにより、データセンターにアプリケーションやデスクトップ環境の全てを集約・管理することが可能となります。これにより、従来膨大な運用・管理が必要とされたクライアント端末の管理を究極的にはゼロにすることが可能であると考えています。

現在、データセンターへの集約をXenDesktop仮想デスクトップソリューションで実現している企業は数多くあります。しかし、この仮想デスクトップに接続するための社員用クライアント端末が従来型のPCであるケースは、数多く残っています。企業でPCを利用している限り、クライアント端末に対するセキュリティ、コンプライアンス、メンテナンスは必ず発生します。これらは、全てコストです。ワイズテクノロジーのソリューションを導入することで、企業内のクライアント端末にかかるコストを大幅に削減することが可能となります。PCの陳腐化は非常に激しく、2年から3年のサイクルでバージョンアップを繰り返します。ハードウェアの故障も数年経つと頻発すると言われています。その度に企業は多額の投資をしてPCを買い替えたり、ソフトウェアを入れ替えたりしているのです。これでは情報システム部門やコスト負担が大きくなる一方です。シンクライアント専用端末を使う事で企業のクライアント端末の保守をゼロにすることが可能になります。

インタビューア:シンクライアント専用端末も故障などで同じような保守が必要なのではないですか?

松浦氏:
私たちのシンクライアント端末には駆動系がありません。ハードディスクもなければ冷却ファンもないので壊れるリスクは極端に低い構造となっています。お客様の中には非常に長い期間故障せずにご利用いただいている方もいます。万が一、壊れた場合でも端末一台あたりが非常に安価なため、買い替えていただければすぐに今まで使っていたのと同じ環境が利用可能になります。

インタビューア:言葉は悪いのですが、消耗品のようなものなのですか?

松浦氏:
どうしてもシンクライアント端末というとデスクトップPCの置き換えのようなイメージがつきまといますが、ワイズテクノロジーの提供するシンクライアント端末は、どちらかというとデスクトップPCというよりはディスプレイ・表示装置と考えて頂いた方が良いかと思います。

インタビューア:多くの企業はWindows XPのサポート終了を控えておりWindows 7やWindows 8への移行を検討していますが、そのような場合でもシンクライアント専用端末を利用していれば全く問題ないのですか?

松浦氏:
はい。デスクトップ環境が、サーバーに集約されていれば、Windowsの世代交代に対してシンクライアント専用端末をアップグレードする必要はありません。もちろんWindows XPからWindows7に移行する際にもです。さらに企業はシンクライアント専用端末を利用する事で、セキュリティ対策も万全にすることが可能です。なぜならクライアント端末にウィルス対策ソフトを導入する必要もありませんし、BIOSパスワードなどクライアント側のセキュリティなども考慮する必要がないからです。一切、クライアント側にはデータは残らないのです。企業はサーバー側のセキュリティとクライアント側のセキュリティを常に考慮する必要がありました。しかし、シンクライアント専用端末の利用によりクライアント側のセキュリティの考慮は必要なくなるのです。

インタビューア:ワイズテクノロジーで提唱しているゼロクライアントに関してお聞かせいただけますか?

松浦氏:
私たちが全世界で提唱している“ゼロ クライアント コンピューティング“(Zero Client Computing)は、従来のクライアント端末にかかる管理やコスト、消費電力などの負担を限りなくゼロに近づけ、従来よりも更にシンプルなハードウェアを目指し、オペレーティングシステム、アプリケーションおよびコンフィグレーションをローカルデバイスに保持させないまさしく真に“ゼロ”なシンクライアントソリューションのことです。

インタビューア:従来のシンクライアントとゼロクライアントの違いは何ですか?

松浦氏:
ゼロクライアントは、完全に仮想デスクトップに接続するだけの画面転送専用の端末です。シンクライアントの場合、ローカルにWebブラウザが搭載されていたり、クライアント側でのカスタマイズやいくつかの機能が提供できる場合が多いです。
たとえば2012年12月6日に日本で発表しましたシトリックス専用のゼロクライアントであるWyse Xenith 2ゼロクライアントでは、サーバーからXenDesktopによって転送されてくる画面を表示することだけに最適化されています。

インタビューア: この度発表されたシトリックス専用のWyse Xenith 2ゼロクライアントの詳細をお聞かせいただけますか?

松浦氏:
Wyse Xenith 2ゼロクライアントは、Citrix XenDesktopやXenApp、VDI-in-a-BoxなどHDXに対応したシトリックス専用ゼロクライアントになります。

Wyse Xenith 2

Wyse Xenith 2

インタビューア: シトリックスに特化したという部分で詳しくお聞かせいただけますか?

松浦氏:
はい。ワイズテクノロジーとCitrix社はグローバルレベルで10年以上、緊密なアライアンス関係を継続しています。そのような取り組みの中から、Wyse Xenith 2ゼロクライアントにはCitrix社と共同開発した非Windows Citrix Receiver互換クライアントを備えています。

インタビューア:他社にはないWyse Xenith 2ゼロクライアントの特長を教えていただけますか?

松浦氏:
現在流通しているシンクライアント端末の多くは、最低限のオペレーティングシステムを搭載することで、サーバーへ安全にアクセスしてユーザー用のアプリケーションを表示するための機能を持っています。ワイズテクノロジーでは従来のシンクライアント端末よりも少ないソフトウェア(リソース)で動作するものをゼロクライアントと呼び、それは事前にローカルにオペレーティングシステムを保持しないクライアントを指しています。
Wyse Xenith 2ゼロクライアントはARM SoC(System-on-Chip)アーキテクチャで構成されます。一般的なシンクライアント端末が持つフラッシュ(シンクライアントOSを保存するためのローカルストレージ)も搭載していません。また、その心臓部であるファームウェアも4MB以下で提供されるのです。パフォーマンスにおいても、SoCアーキテクチャによりCitrix Receiverから受信した画面処理やマルチメディア再生などをハードウェア処理で行うため非常に高速に動作します。さらに、端末自体の設定・管理もゼロコンフィグレーションにより完全に自動化することが可能な真の“ゼロ”クライアントです。

インタビューア: 4MBのファームウェアに関して詳しくお聞かせください。

松浦氏:
はい。ここがその他のゼロクライアントとの大きな差別化要素になります。このファームウェアは真のゼロクライアントを実現するために独自で開発したものになります。これにより端末の起動を数秒で実現する事が可能になったり、3D CADなどでもストレスのない描画が可能になったりと、圧倒的なパフォーマンス優位性を実現する事ができます。
一般的に市場で言われているシンクライアントやゼロクライアントはWindows Embedded やLinuxなどの汎用OSをベースに開発されています。つまり数百MBから数GBのものをファームウェアとして提供しているので、極論を言うと従来のデスクトップOSのカスタマイズ版を提供しているに過ぎません。

インタビューア:ゼロクライアントの管理に関してお聞かせいただけますか?

松浦氏:
特に管理は必要ありません。Xenithの一番の特長はプラグアンドプレイになっている点です。シトリックス製品さえあれば何の設定もいりません。これを私たちは“ゼロコンフィギュレーション“と呼んでいます。従来製品ですと設定をあらかじめ端末に組み込んで展開する必要がありますが、Wyse Xenithシリーズはシトリックス環境専用にチューニングされているので、事前に設定していれば良いという事になるのです。

インタビューア:例えばファームウェアのバージョンアップなどは難しくないのですか?

松浦氏:
そもそも数MBですから一般的なシンクライアントOSの様な数百MB~数GBを入れ替えるイメージではありません。設定用のiniファイルという小さなコンフィギュレーションファイルを起動時に読み込むのですが、ユーザーが電源を入れると自動的に管理用FTPサーバーからダウンロードされるため、ユーザーは最新に更新されていることさえも気づかないレベルです。

インタビューア:セキュリティに関してお聞かせいただけますか?

松浦氏:
ワイズテクノロジーの提供するゼロクライアントファームウェアは、 WindowsやLinuxでもなく独自に開発したクローズドなシステムです。オープンなAPIや画面転送サービスに利用する以上の不要なサービスが搭載されていないため、端末のカスタマイズが許されることもないですしウィルスに感染することもありません。

インタビューア:ハードウェア形状も非常にコンパクトですし場所も取りそうにないですね。

松浦氏: 
Wyse Xenith 2ゼロクライアントでは、ハードウェア自体が非常にコンパクトに設計されています。同梱される横置きフットは、VESA規格対応の標準ブラケットとしても利用可能な設計ですので、そのままモニター背面に取り付けることも可能です。

Wyse Xenith 2

インタビューア:現在、Xenithシリーズはどのような業種のお客様に導入されていますか?

松浦氏:
業種を問わず採用されておりますが、特に最近ではセキュリティや管理コストなどを考慮している金融業や通信、自治体などに多く採用されております。また、ゼロクライアントにより従業員単位での端末配布が必要なくなるため、サテライトオフィスや場所的に支店や支社が分散されているような企業にも多く採用されています。

インタビューア: Wyse Xenithを導入したことによって得られる定量的なお客様メリットをお聞かせください。

松浦氏:
例えば、前従業員4,760名のシアトル小児病院では、Wyse Xenithを導入したことによって5年間のハードウェア関連コストを600万ドルも回避しています。また、デスクトップパフォーマンス向上により一日あたり3,375時間を節約しています。また、見込まれる省エネ効果は年間で30万ドルにも及びます。

インタビューア:ありがとうございました。
松浦氏:ありがとうございました。

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