パンデミック対策としての重要なITインフラ「Citrix XenDesktop」

パンデミックとは?

2009年春頃から約1年間にもおよびA型、H1N1亜型という種類の新型インフルエンザウイルスによるインフルエンザ(流行性感冒)が世界的に流行しました。この新型インフルエンザは”パンデミック”を引き起こす可能性があると地球規模で懸念されました。

パンデミックとは、限られた期間にある感染症が世界的に大流行することで、WHOの発表によると、インフルエンザ・パンデミックは、多くの感染者および死亡者を伴うと予想され、こうした新型インフルエンザによるパンデミックは10年から40年の周期で発生すると言われています。過去に発生したインフルエンザのパンデミックは、1918年のスペインインフルエンザ、1957年のアジアインフルエンザ、1968年の香港インフルエンザ、1977年のソ連インフルエンザなどがあり、たとえばスペインインフルエンザでは世界で約4000万人、日本では約39万人の死者を出しました。

現在では人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの交通機関の発達などから、非常に短期間に地球全体に蔓延し、甚大な被害をもたらすことが予測されています。米国疾病管理センターの予測では、日本では人口の約1/4が感染し、医療機関を利用する患者は最大で2500万人と推定されています。
もしパンデミックが発生したら、基本的にヒトが大勢集まるところには行けなくなるため、人間は通常の社会生活を送れなくなります。しかし、だからと言って安易に企業活動を停止することはできません。


パンデミックに備えて準備すべきこと

企業はそうした緊急事態においても事業を継続するために、有事の際の事業継続計画を策定するとともに、従業員が平常時とほとんど変わらない状態で情報システムを利用できる環境を準備しておく必要があります。
パンデミックが発生して会社に行けなくなるということは、従業員は会社のビジネスリソースを利用できないという状況に陥るということです。しかし、逆に考えると、会社のビジネスリソースを社外から利用できるようにさえすれば、会社にいなくてもある程度の業務は進められることを意味しています。ビジネスリソースの主たるものは情報システムという今日、ここへのアクセスを可能にすることが、事業継続計画上の大きなポイントとなるのです。

従来のリモートアクセスはパンデミックに通用するか?

既に多くの企業では、VPN(仮想プライベートネットワーク)などのリモートアクセス手段を導入しているため、自宅からのメール利用やグループウェアでスケジュールの確認を行ったことがある方も多いかと思います。しかし果たして、何日も会社に行けなかった場合、そのリモートアクセス環境だけで仕事をこなし続けることはできるでしょうか?

Webメールの貧弱なユーザーインタフェースが使い辛かったり、クライアントサーバー型の業務アプリケーションが使えなかったり、ファイルサーバーへのアクセスが制限されていたり。そして、もしかすると使いたいファイルが会社で使っているPCのローカルディスクに保存してあるなど、とても会社にいる時と同じ生産性で仕事ができる環境ではないと思います。一般的なリモートアクセス環境は、セキュリティと利便性という一見相反したニーズに最低レベルで対応した手段だと考えざるを得ません。つまり、会社の外にいる従業員には、社内と同等のPC利用環境は提供できていないのです。 たとえ従業員がパンデミックのために出社できなくなったとしても、社内と同様に情報システムを利用できれば企業活動は継続できます。このような情報システムを実現するためのテクノロジーとして注目を集めているのがデスクトップ仮想化なのです。


パンデミック対策として注目されるデスクトップ仮想化

デスクトップ仮想化はPC本体を安全なデータセンターや会社のマシンルーム内に配置し、エンドユーザーはPCの画面イメージだけが表示された端末のディスプレイを見ながら、キーボードとマウスを使ってネットワーク越しに遠隔地のPC本体を仮想的に(あたかも手元にあるかのように)操作するPCの新しい利用方式です。デスクトップ仮想化を使えば、普段会社で使っているPCを、外出先でも、自宅からでも利用することができるようになります。

エンドユーザーが利用する端末は画面表示とキーボードやマウスの信号を送信するだけととてもシンプルになるため、エンドユーザーがPCを管理する必要がなくなり、本来の業務に集中できます。PC本体、つまり、大切なデータはデータセンターやマシンルーム内に設置されているため、情報漏洩の危険性が大幅に軽減されます。 PCのセキュリティやソフトウェアは情報システムのプロフェッショナルが一元的に管理できるため、企業は危機管理体制を高められるだけでなく、結果として多大なコスト削減効果を享受することが可能です。

Citrix XenDesktop

シトリックスは20年以上にわたり、オンデマンドに企業情報システムを利用できるようにするためのITインフラストラクチャーとして、デスクトップ仮想化技術を進化させてきたベンダーです。シトリックスが提供する「Citrix XenDesktop」はその集大成とも言える最も先進的なデスクトップ仮想化製品です。Citrix XenDesktopに搭載されたCitrix HDX(High Definition eXperience)テクノロジーは、今日のメディアリッチなユーザー環境に合わせた革新的なデスクトップ仮想化技術により、マルチメディア、音声、ビデオ、3次元画像を扱う場合でも、高品位(Hi-Def)なユーザーエクスペリエンスを提供することで、デスクトップ仮想化環境においても通常のPCと遜色のない操作パフォーマンスをエンドユーザーに提供します。さらにCitrix FlexCastテクノロジーにより、従業員それぞれの職種や情報システムの利用内容にあわせて最適化された仮想デスクトップ環境が自動的に配信されるため、従業員の生産性は向上し、情報システム部門の管理負荷は大幅に軽減されます。

Citrix XenDesktopの全体構成と要素技術

 図1:Citrix XenDesktopの全体構成と要素技術


事業継続で実証済みのデスクトップ仮想化

事業継続のためのソリューションとしてデスクトップ仮想化が有効なのはパンデミック対策だけではありません。企業活動の継続が危ぶまれる事態は地震や台風、テロなど、パンデミックの他にもいくつか考えられます。実際、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件の際、企業活動の停止という事態に陥らなかったという例があります。

テロにより破壊された世界貿易センタービルに本社があった大手金融系企業のおよそ6,000人の従業員はニューヨークとニュージャージー地域内の20か所以上の場所に分散して配置されることを余儀なくされました。ここで問題になったのは、どのようにして分散配置された従業員に対して情報システムを利用するためのPCを配布するかです。もちろん、それまで従業員が利用していたすべてのPCは本社ビルとともに破壊されていましたし、新たに6,000台ものPCを調達してセットアップしたのでは時間がかかり過ぎ、企業経営に多大な損失を与えてしまいます。この企業では、テロ発生前に一部導入していたシトリックスのデスクトップ仮想化製品のサーバーを増強し、デスクトップ仮想化の利用範囲を拡大してこの問題を一気に解決しました。その結果、テロ発生後2日後には1,200人の従業員がシステムを使用できるようになり、6週間後には、ほぼ全ての従業員がテロ発生前と同等レベルで情報システムを利用できるまでに回復させたことで、みごとに事業を継続することができました。

「守り」だけでは終わらないデスクトップ仮想化のポテンシャル

以上より、事業継続ソリューションとしてのデスクトップ仮想化の有効性をご理解いただけたかと思います。デスクトップ仮想化を利用すれば、たとえ従業員が出社できないという事態が発生しても、自宅にいながら会社と同じPC環境でビジネスを中断させることなく進めることが可能になります。

更にデスクトップ仮想化は、事業継続という「守り」のソリューションだけにとどまりません。デスクトップ仮想化は、会社に行かなくても仕事ができる”バーチャルオフィス”を実現します。会社へ行かなければ仕事ができないという制約がなくなることは、これまでのワーキングスタイルを完全に一新させます。在宅勤務やワークライフバランスの尊重といった柔軟性の高い働き方が可能になり、それはそのまま社員のモチベーションや生産性の向上、さらにはコスト削減や環境問題の解決にもつながります。

パンデミックや自然災害など、いつ発生するか、本当に発生するのかが定かでない事態のためだけのデスクトップ仮想化導入は勿体ないことかも知れません。「攻め」のIT投資のためにデスクトップ仮想化のポテンシャルを検討してみることもお勧めします。