アプリケーションデリバリーからサービスデリバリーへの変革(前編)

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[PDF] アプリケーションデリバリーからサービスデリバリーへの変革

クラウドコンピューティングとITのコンシューマライゼーションによって、企業のIT組織はテクノロジーの構築者/運用者から、自社向けの内部サービスプロバイダーへと変わることを迫られています。IT部門の役割は、アプリケーションの構築やインフラストラクチャの運用から、内部的または外部的に提供されるサービスを効果的に組み合わせ、必要なサービスレベルを確保しながらそれらのサービスを企業内に提供することへと変化しています。しかし、従来的なアプリケーションデリバリー製品およびテクノロジーを使用していたのでは、このような新たな目標を達成することは不可能です。

今日のIT 部門は、自社構築のハードウェア/ソフトウェアによるネットワークおよびアプリケーション管理コンポーネントのような従来的なツールではなく、以下の機能を提供する本格的なサービス デリバリー ファブリックを必要としはじめています。

  • ネットワークのサービスおよび(アプリケーション指向の機能とは対照的な)ユーザー指向のデリバリー機能の総合セット
  • 広範なサービスデリバリーのコア機能および付加機能。また将来的に必要となるその他の機能を統合できるデータセンタープラットフォーム。
  • ブランチオフィス、ユーザーのエンドポイント、クラウド、企業ネットワークのエッジおける利用、および個々のアプリケーションをサポートするサーバーのすぐ近くでの利用のために最適化した機能を提供する実装オプション。
  • インテリジェントな制御プレーンを提供し、まとまりのある協調的なサービスの配信を可能にする管理アーキテクチャおよびシステム。

クラウドコンピューティングとコンシューマライゼーションの影響

クラウドコンピューティングとコンシューマライゼーションは、組織によるIT の利用方法を根本的に変えつつあります。またそれは、IT 部門が提供すべきものをさえ変えようとしています。今日のIT 部門の主な役割は、もはや単にアプリケーションに特化した企業所有のデスクトップPC やノートPC を構築し、それらを企業データセンターを利用して提供することではありません。今や、IT 部門の仕事は、内部開発されたものおよび外部から提供されるものの両者を含む様々なアプリケーションサービスやインフラストラクチャサービスを統合した上で、それらを企業内に提供することです。このような変化は、IT デリバリーの「対象」、「方法」、「配信元」、「配信先」を含むすべてのことに影響します。

IT デリバリーの「対象」 – アプリケーションからサービスへ:IT デリバリーのターゲットは、アプリケーションやその他のIT「製品」から「サービス」へと変化しています。このことは、IT 部門の役割を、製品の構築者から、大きな差別化を達成するための支援を行う内部のサービスプロバイダーへと変化させています。また、コンシューマライゼーションへと向かうトレンドにより、IT 部門はより多くのデバイス(IT 部門ではなく個人が所有するデバイスを含む)をサポートすること、およびサービスとしてデリバリーされる広範な種類のアイテム(アプリケーションから個別ファイルまで、またはデスクトップ環境を含む)をそれらのデバイスに提供することを求められています。

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ITデリバリーの「方法」 – 静的サービスからオンデマンドサービスへ:従来的なアプローチでは、IT部門は、ユーザーディレクトリのような一握りの中央で管理される共有サービスを主として使用するアプリケーションを静的にプロビジョニングすることが主流でした。ところが、クラウドコンピューティング方式の採用が普及したことで、今やテクノロジーおよびサービスにより、オンデマンドサービスとしてのIT配信が可能となっています。このシナリオでは、IT部門は、すぐに使用できるアプリケーションの広範なポートフォリオと柔軟なインフラストラクチャコンポーネントを管理し、それらの再目的化や共有を動的に行います。これにより、使用率とコスト効率を最大化すると同時に、開発からビジネスユニットやユーザーに提供するまでの時間を最小化できます。

ITデリバリーの「配信先」 – デバイスからユーザーへ:ITのコンシューマライゼーションとは、IT部門の仕事が、完全にプロビジョニングされたデスクトップPCやノートPCをユーザーに提供することではなく、より広範な種類のデバイス(その多くが、スマートフォンやタブレットのような、個人所有で個人が管理する高度なモバイル性を持つデバイス)でアプリケーションやその他のサービスを提供するような状態を意味します。更に、今やユーザーとデバイス間には完全な1対1の対応はもはや存在しないため、IT部門はデバイスではなくユーザーに対する管理や配信に注力する必要があります。IT部門は、もはやデバイスをユーザーの代理としては利用できません。

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