デスクトップ仮想化のトータルコストを削減する効果的な手段

デスクトップ仮想化導入のガイドライン【第2回】

s-fin本稿ではデスクトップ仮想化プロジェクトに関わるコストについて考える。デスクトップ仮想化プロジェクトの経験がある方はご存じだと思うが、その導入コスト(初期費用)は、PCの導入と比較すると一般的に膨らむことが多い。しかしながら、この仕組みに投資をする企業が増えているのは、第1回「企業の成長を維持、加速させるデスクトップ仮想化の真価」で解説したようにソリューションによって大きな価値が得られるからだ。そこで本稿では、デスクトップ仮想化の投資対効果の考え方について解説する。また、この投資対効果をどう高めるのか、限られた予算でどのようにプロジェクトを遂行するかという観点から、プロジェクトのトータルコスト(導入コスト、運用コスト)を抑えていくためのポイントについても解説する。

デスクトップ仮想化の投資対効果を考える際のポイント

 デスクトップ仮想化の導入を検討する際、PCの導入に比べると導入コストが大きく見えるため、なかなか採用に至らないケースを聞くことがある。これは、デスクトップ仮想化が単にPCの置き換えの選択肢の1つとして考えられているためだ。既に述べたようにデスクトップ仮想化は、デスクトップを提供すること自体を主目的としているのではなく、ビジネスのやり方や働き方を変えながら企業が取り組むべき多くの課題をバランスよく一掃することで企業の成長を加速させるためのものだ。単なるPC導入とは目的が異なるし、得られるベネフィットも全く違う。従って、PCの導入コストとデスクトップ仮想化の導入コストを単純に比較して検討を進めるようでは、デスクトップ仮想化の正当な評価を行っているとは言い難い。デスクトップ仮想化の費用対効果に決まった計算式はないが、この仕組みを過小評価してしまわないためにも意識すべき重要なポイントがある。

 従来のPCは業務を処理するための端末にすぎず、それ以上の価値を生まないため、導入コスト(ハードウェア/ソフトウェア、構築導入費など)と運用コスト(保守、運用に必要な人件費)、つまり「見えるコスト」のみを算出し、この値を最小化する努力をしてきた。しかし、デスクトップ仮想化は、既に述べたように、ビジネスのやり方を変えることでより収益性の高いビジネスを実現していくことや、さまざまな課題を一掃することで大きなベネフィットを手にするためのものだ。従って、投資対効果を考える際には、この仕組みが収益に与えるインパクトや、生産性を改善させることによる効果など、定量化しにくい部分も評価、考慮される必要がある。

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図1 デスクトップ仮想化のコストとベネフィットを表したイメージ図。

デスクトップ仮想化は、効率的なIT管理への舵を切り、ビジネスを加速させながら、事業継続を実践していくという多面的な効果もたらす。デスクトップ仮想化の導入コストは、システムアーキテクチャを変えるという大掛かりな作業を行い、サーバ、ストレージ、ネットワークといったリソースを増強する必要があるため一般的には大きくなる。一方で運用コストは、仮想化と集約によりPCを運用していた場合に比べて削減が可能であることも重要な特徴だ。