デスクトップ仮想化の導入を妨げるもう一つの問題、アプリケーションの互換性を解決する

失敗から学ぶデスクトップ仮想化導入の秘訣(第3回)

導入を妨げるもう一つの課題、アプリケーションの互換性評価

デスクトップ仮想化導入方針やコストの問題がクリアされた後、企業は次の課題に直面します。それは、アプリケーションの互換性です。

デスクトップ仮想化を導入するにあたり、もっとも管理効率や集約度の高い「サーバー共有デスクトップ」では、その名の通りサーバーOS をデスクトップ OS として利用しますので、従来の物理 PC で使っていたものとは異なる OS を利用することになります。また、VDI(仮想 PC)」を導入する場合でも、これまで物理 PC で用いていた OS が Windows XP のような古い OS の場合は、デスクトップ仮想化導入を期に Windows 8 や Windows 7 などの新しい OS に移行することが広く一般的に行われています。

一方で、企業は数多くのアプリケーションを有しています。企業が、一度バージョンアップを行うことを決めると、それらアプリケーションが新しい OS で動作するのかどうかを確かめる必要がでてきます。大企業などではアプリケーション数が数千に及ぶ場合も稀ではありません。ガートナー社の調べによりますと一つのアプリケーションを移行するのに約 1.5 人月かかると試算されています。これが数百、数千にのぼることを考えると膨大なコストがかかるのです。

それでは企業はバージョンアップを実施する際にどのように行うべきなのでしょうか?

それでは企業はバージョンアップを実施する際にどのように行うべきなのでしょうか?

デスクトップ OS を移行する際に Citrix AppDNA(以下、AppDNA)のような互換性評価ツールを利用し互換性を予めチェックする方法が有効です。これは、企業が利用する数多くのアプリケーションが移行後に問題なく動作するかを、専用の評価アルゴリズムを持ったソフトウェアで確認してから行う方法です。AppDNA のような互換性評価ツールを利用することで、企業は従来 OS のバージョンアップの際に全アプリケーションの互換性確認を移行先毎に検証を行っていた作業が必要なくなります。つまり、テスト作業のほとんどを自動化してバージョンアップにともなう時間、コスト、リスクを低減させることが可能になるのです。このようなツールを利用することにより XenDesktop を利用したデスクトップ仮想化への移行の際に発生するようなデスクトップ OS の移行作業も短縮可能になるのです。

AppDNAのプロセス

 

AppDNA は、互換性評価のために Windows 上で稼働するパッケージアプリケーションやカスタムアプリケーション、Web アプリケーションの内部構造を分析します。具体的には Windows Installer のファイルである MSI 形式や EXE 形式のインストーラから、アプリケーションが利用している API やライブラリの情報を集め、それらが固有の OS 環境で引き起こす問題を分析・レポートします。その分析エンジンは 68,000 以上の分析箇所を誇ります。

また、移行対象に関しても、デスクトップ仮想化におけるサーバー共有デスクトップでの互換性はもちろん、Windows 7 や Windows 8、さらには IE(Internet Explorer)の各バージョンに依存した互換性を評価することが可能です。さらには、Microsoft App-V や Citrix XenApp Application Streaming のようなアプリケーション仮想化方式での適用可否分析も可能です。

たとえば物理 Windows XP 環境をサーバー共有デスクトップへ移行する際には、物理Windows XP 環境で利用していたアプリケーションのインストーラ(MSI や EXE など)をAppDNA にインポートすることで、各アプリケーションをサーバー共有デスクトップへ移行した際に発生しうる問題やその対策がレポートされます。具体的には、OS 側の設定による回避策や、アプリケーションの改修が必要な場合は、その改修箇所、改修内容の詳細な情報をレポートします。さらには、インストールパッケージに問題がある場合は、対策済みのインストールパッケージの再作成をも自動的に行うため、互換性評価のみならず必要な修正を行う機能も持っています。加えて特徴的なことは、サーバー共有デスクトップにおけるアプリケーション互換性を評価するために、サーバーデスクトップ環境を構築しなくても問題や対策の情報を得ることが出来るのです。

AppDNA画面

 

それでは実際に AppDNA を利用した場合にどれくらいの効果が得られるのでしょうか?既にAppDNA を用いた企業の成果からその効果をご紹介します。

4700 名のユーザー数、500 のアプリケーションを有したタワーハムレット社では、Windows XP から Windows 7 へと移行するのに AppDNA を利用しました。この企業では、元々1,000 人日以上の作業工数が見込まれましたが AppDNA を利用することで工数を大幅に削減し、たった2 名のリソースでバージョンアップを完了しました。

さらに、ユーザー数 10,000 名、350 のアプリケーションを有したヴァーテックス社では、Windows Server 2008 を使ったサーバー共有デスクトップ環境への移行に AppDNA を利用しました。これにより移行の工数の 89%に当たる 620 人日を削減するだけでなく、移行プロジェクトを3ヶ月短縮し、プロジェクト費用の 32%を削減しました。

前述したシトリックスのコンサルティングサービスでは、デスクトップトランスフォーメーションアセスメントへ AppDNA を活用し、アプリケーション互換や移行に掛かるコストの最適化についてもアドバイスをしてくれるのです。

 

まとめ

デスクトップ仮想化は、企業の課題解決や最新のワークスタイルを実現するROI の高いソリューションです。しかし、そのアーキテクチャーの選択や実装方法を間違えると高価でユーザーの不満が噴出するソリューションにもなりかねません。

シトリックスでは、ユーザーニーズにあった様々なデスクトップ仮想化の実現手段をXenDesktopで提供しています。XenDesktopには、さらなるコスト削減や高品位なユーザー体験を実現する機能を実装しています。
また、デスクトップ仮想化プロジェクトにかかせないアプリケーションの移行問題に関してもAppDNAを提供することでスムーズなデスクトップ仮想化プロジェクトを実現するのです。

また、シトリックスでは数多くのミッションクリティカルなデスクトップ仮想化プロジェクトの経験を通じたノウハウを凝縮したコンサルティングメニューを用意することでデスクトップ仮想化プロジェクトを成功へと導くサービスも提供しています。
是非、ご活用いただければ幸いです。