デスクトップ仮想化の導入を阻害するコスト問題を解決する

失敗から学ぶデスクトップ仮想化導入の秘訣(第2回)

導入を阻害するコスト問題を解決する

デスクトップ仮想化ソリューションが自社の課題を解決すると理解しても、いざ導入コストを見積もると多くの企業で金額にためらうと言われています。その根本的な原因として、すべての「デスクトップ仮想化 = VDI」という間違った認識があります。VDI は、個人一人一人に環境を提供する事によりデスクトップ仮想化を実現する手法として高価になりがちです。そして、デスクトップ仮想化の実現には VDI 以外にも多くの方法が存在し、企業ニーズを汲み取り適材適所でデスクトップ仮想化を実現すれば最適な価格で導入が可能になるのです。また、逆に言うとユーザーニーズを汲み取らずに、誤った配信方法を選択するとプロジェクトが失敗に陥る可能性があることを注意する必要があります。

私たちが自宅などでデスクトップ PC を導入するときには、使いやすさや実現したい事を優先的に考えます。スペックだけを評価して導入するわけではないのです。つまり、サーバー仮想化プロジェクトと異なりデスクトップ仮想化プロジェクトはユーザー主導で進めるべきであり、いきなりサイジングから入ると失敗するのです。そのためにユーザーのニーズや課題を深く理解するアセスメントが重要になってくるのです。

ユーザーのニーズや課題は多岐にわたります。OS やアプリケーションの管理性、メンテナンスコスト、セキュリティ対策、事業継続、パフォーマンス、ワークスタイル多様化、BYOD、グリーン IT などがあげられるでしょう。

さらにユーザー単位で検討すると、企業にはさまざまな職種の方々によってビジネスが遂行されています。経営層は外出先でもスマートフォンを活用してビジネス判断を行います。当然、扱うデータはセキュアである必要があります。コールセンター要員はタスクワークをこなします。営業はノートPCやiPadなどを持ち歩き在庫チェックや見積もり、報告書などを実現するでしょう。管理部門は、財務会計パッケージなどの社内特定アプリケーションを利用した定型業務をこなします。設計業務やデザイナー、データアナリストなどのナレッジワーカーは高度なアプリケーションを利用します。在宅勤務者は、社内システムを利用する場合もあるでしょう。

デスクトップ仮想化の種類

このように部門や業務などにより、それぞれ最適な働き方が違うのです。そして、デスクトップ仮想化の実現方式の選択には、誰がどのようにデスクトップ環境を利用するかを正しく理解する事から始める事になります。

ユーザーのニーズに合わせて最適なデスクトップ仮想化の配備方法を選択することがコスト削減に直結するのです。

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全てのニーズに最適なデスクトップ配信を提供するシトリックス

デスクトップ仮想化の種類

デスクトップ仮想化の配信方法には、1つのクライアント OS をサーバーに配置して複数ユーザーで共有する「サーバー共有デスクトップ」、クライアント OS をサーバー仮想環境で稼働させユーザー毎に配信を行う「VDI(仮想 PC)」、ネットワークを介した PC から 1 対 1 で接続し、画面を転送する「リモート PC」、OS イメージをネットワーク経由でブート、実行する「ネットブート」、デスクトップ仮想化環境をオフラインでも実行可能な「クライアントバイザー」などの方式があります。

デスクトップ仮想化の種類(サーバー)

また、サーバーサイドのデスクトップ仮想化を実現する際の代表的な方式は VDI とサーバー共有デスクトップになります。さらに VDI には VDI 専用と VDI プールと呼ばれる配信方法があります。各配信方式を詳しく見ていきましょう。

VDI 専用は、それぞれ個人毎にデスクトップ配信イメージを個別の VM 上で管理します。この方式は、ユーザーが OS を占有できるため利用可能なアプリケーションに制限はなく自由度が高いものの、ユーザー数分の仮想デスクトップを稼働させるサーバーやストレージなどのインフラ費用が増大する傾向にあります。

VDI専用

VDI プールは、VDI 専用と同じですが、デスクトップ配信イメージを共有化するところが違います。

VDIプール

サーバー共有は、一つのデスクトップ配信イメージをユーザー全員で共有します。この方式は管理すべき OS が単一であるため、管理コストを削減するだけでなく高集約性といったメリットが見込めます。

VDI Shared

このように各デスクトップ配信方式によって実装に必要なシステム基盤の構成要素が異なるために、配信方式で初期コストが異なります。そして、ユーザーニーズに応じた配信パターンを選択し共存させることでコストを最適化させることが可能になるのです。

VDI初期コスト

特に注目すべきポイントなのは、 XenDesktop Enterprise Edition 以上のライセンスを取得すれば、これら全ての配信方式を利用できる点です。例えば、定型的な事務処理を行う「タスクワーカー」にはサーバー共有デスクトップ、社員固有のデスクトップが必要な「ナレッジワーカー」には VDI、物理 PC が必要な研究職や「モバイルワーカー」にはクライアントハイパーバイザーといった使い分けを、1 種類のライセンスで実現できます。

複数種類のライセンスを取得する必要がないということは、ライセンス管理の簡素化につながります。また全ての仮想デスクトップを単一ベンダーで実現できれば、運用管理者に求められる知識も少なくなります。「管理性の向上」という仮想デスクトップのメリットを、最大限に引き出せます。

VDIコスト削減ポイント

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プロジェクトの成功には、アセスメントによる現状把握が重要

大規模なデスクトップ仮想化の導入を検討する企業にとって、現行のユーザー業務を把握し、使用しているアプリケーション、端末要件とデスクトップ配信方式とを適切にマッチングすることは決して容易ではありません。

このようなお客様に対して、シトリックスではデスクトップ導入前のアセスメントサービス「デスクトップトランスフォーメーションアセスメント」などの各種コンサルティングサービスを提供しています。「デスクトップトランスフォーメーションアセスメント」は、Desktop Transformation モデルというデスクトップ仮想化導入のための考え方や方法論をもとにプロジェクトを成功へと導くためのサービスです。

このサービスでは、ユーザーのユースケース分析を行います。職種や部門毎にワークスタイルや扱うデータ量、そしてセキュリティ要件やネットワークの帯域、利用時間や頻度などすべて違います。職種や部門毎に分かれる要件をビジネスユニット毎にまとめ上げるのがユースケース分析です。実際にヒアリングだけではなく、後々にサーバー集約させるためのサイジングの基礎情報を取得するために現状の物理 PC からマシンスペックや機種、CPU/Memory/Disk IO などのリソースのユーティライゼーションやユーザーの利用状況・時間帯や、アプリケーション、インベントリなども取得しながら分析をしていきます。

そして、これらをまとめあげてセグメンテーションを明確化し配信モデルおよび導入ロードマップを策定するのです。このサービスを利用する事により、ユーザーの満足度と導入コストを最適化することが可能になります。また、実際に導入が決定した際には、システムの基本設計、詳細設計、構築、テスト、本番稼働まで一貫したサービスを提供しています。

VDIアセスメント