デスクトップを持ちだそう:デスクトップ仮想化を パソコン、スレート、スマートフォン でやってみよう

デスクトップ画面だけを持ち出す概念、つまりデスクトップのクラウド化によって、いつでもどこでもインターネット接続さえ確保できれば自分の職場であるデスクトップを広げることができるようになる。実は従来のようにパソコンでデスクトップそのものを持ち歩くのではなく、デスクトップの画面だけを手元に持ってくる仕組みだ、つまりサーバー側には(データセンター側には)デスクトップを構成するOS、アプリケーション、データを含むファイルのすべてが存在しており、アプリケーションの実行までもサーバー側で行われる、しかしその画面だけが手元に送られてくるという仕組みで「デスクトップを持ち出す」のである。そのデスクトップはどこでも、どんなデバイスでも広げることができる。やはり、自由にデスクトップを持ち出すのである。これがデスクトップのクラウド化である。

デスクトップを気軽に持ち出すためには、本来のデスクトップを構成するために必要な、OS、アプリケーション、データなどのファイル、デスクトップ画面の配置を理解する必要がある。
前述のように、OSやアプリケーション、データなどのファイルはすべてデータセンターなどのサーバー側に配置される。利用する従業員すべてのデスクトップが集中して配置されるために、サーバーの能力や容量も大きなものが求められるが、なにより集中しているメリットが大きい。

OSやアプリケーションが集中管理されていることによって、OSのアップグレード、パッチ導入などはサーバー側にて一括して行うことができる。セキュリティ対策のための対応やポリシーの統一設定なども集中して行うことで素早く、そして確実に展開することができるのである。
今までは利用する従業員のすべてのデスクトップパソコンやノートパソコンにOSやアプリケーションを展開するのに数日あるいは数ヶ月かかっていて、かつ展開漏れも起きていた可能性があったことを思うと、集中管理のメリットは大きい。かつ、データを含むファイル自体もサーバー側に置かれている。デスクトップの画面表示だけは持ち出すものの、企業にとって重要なデータ自体は持ち出すことがないきわめてセキュアな環境を同時に構築できるのである。それでいて、利用する従業員には個別にデスクトップを提供できるのである。

そして最後にアプリケーションの実行である。デスクトップ上の操作によって起動されるアプリケーションは手元のデバイスのCPUやメモリなどのリソースを消費しない、消費するのはサーバー側のリソースである。サーバー側のリソースを利用することは、つまり集中化された高性能なリソースパワーを効率よく共有することになるのである。逆に手元のパソコンはより軽量なタイプでかまわない点もリソースの効率化に役立っている。また、パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレット端末でも実現可能な点は最近のトレンドでもある。

これらを実現するサーバーサイド(データセンター側)の仕組みとしてCitrix XenDesktopがある。XenDesktopによって管理者は、ほぼすべてのホスティングのためのインフラストラクチャ(Citrix XenServer, Microsoft Hyper-V、System Center Virtual Machine Manager, VMware ESXなど)を利用でき、同時にアプリケーションのクラウド化(仮想化)ソリューション(Citrix XenAppおよびMicrosoft Application Virtualization)を使用して、サーバー側でデスクトップ構成要素の集中管理をすることができる。そしてデスクトップ画面を利用するユーザーである従業員は、このXenDesktopに接続するCitrix Receiverを使用するのである。Citrix ReceiverはWindowsパソコンはもちろん、MacやiPadなどのあらゆるデバイスに対応している。

ここでは、さっそくCitrix Receiverを使用してデスクトップ画面を持ち出してみたい。しかし、このCitrix Receiverが最新版であるかどうかなど、あるいは手元にあるかどうかなどの確認も必要になるであろう。Citrix XenDesktopの場合は、こういった手間も省くことができるように、企業内のXenDesktopサーバーのアクセスポイントにWebブラウザからアクセスすることで、デスクトップ画面を表示するための仕組みもダウンロードとインストールが可能になっている。

デスクトップ仮想化

iPhoneやiPadの場合もさらに簡単である、アプリケーションはApp Storeに存在している。iTunesからダウンロードしてもかまわないし、いつでもiPhoneやiPad上のAppStoreから入手することができる。

デスクトップ仮想化

ともにダウンロードが終われば、あとはユーザー名とパスワードを入力するだけである。

デスクトップ仮想化

Windowsはもちろん、Macであろうとも今まで使っていたWindowsのデスクトップ画面をそのまま手にすることができる。ここで重要なのはデスクトップの画面だけが転送されていると言うことである。よって、iPhoneであろうと、iPadであろうと同じようにWindowsのデスクトップ画面を表示させることができ、もちろんデスクトップ上にあるすべてのアプリケーションを動作させることができるのである。

デスクトップ仮想化

軽量なWindowsノートパソコンを使って、仮想化されたこのクラウド上のデスクトップ画面に接続して仕事をこなすのも良いだろう。キーボードもついている上に、ノートパソコンに接続されているデバイスも使用できる。軽量なWindowsノートパソコンは大変安価になってきている。
XenDesktopによって仮想化されたデスクトップは高スペックを求めないうえの、安価で、セキュアである。もちろん、最近多くの種類が発売されているWindows7スレートを使うのもおすすめである。Windows7スレートは軽量で中身そのものがWindows対応であるために使っていて違和感が少ない。さらに軽量で機動力を求めるのならばスイッチひとつで瞬時に起動するiPadやAndroidタブレットもおすすめである。起動が速い上に、軽く使いやすい。画面の大きさもiPadやAndroidタブレットであれば、十分にいままでのWindowsと同じ作業をこなすことができる。そして、スマートフォンも同様である。しかし、iPhoneなどのスマートフォンでは画面のサイズが限られるため、高い生産性は期待できないかもしれない。ただ、その場合でもXenDesktopとCitrix Receiver for iPhoneによってWindowsデスクトップ全体を表示するのではなく、ExcelやPowerPointといったアプリケーションだけを画面に表示するなどの工夫で、その操作性を向上させている。

これからはデバイスフリーでデスクトップを持ち歩く時代なのである。