デスクトップを持ちだそう:徹底比較!「仮想化・クラウド化時代におけるデスクトップパソコンの運用技術」

前回お伝えした「デスクトップを持ちだそう」というキーワードは企業活動の機動力向上はもちろん、柔軟性とセキュリティを両立しながら、事業継続性においても効果が見込めるのである。「デスクトップを持ちだす」ことで、どの環境でも、どのネットワーク上でも、どのデバイス上でも自分の仕事場であるデスクトップを広げることができるのである。「デスクトップを持ちだす」ことで、クライアントのデバイスに依存しない情報システムを提供でき、クライアントデバイスを自由に入れ替えたり、最新のデバイス群に更新したり、あるいは逆に古くなったややスペックが劣るデバイス(クライアントパソコン)であったとしても、同じようにデスクトップが表現されるのである。情報システムはハードウェアとソフトウェア、そして、アーキテクチャの塊ではあるが、その利用方法がハードウェアによって大きく違ったり、ハードウェアに依存してはならないのである。そして、「デスクトップを持ちだす」ことで、紙媒体を持ちだす必要もなく、USBメモリなどの記憶媒体を持ちだす必要もなくなり、高いレベルのセキュリティを確立できるのである。

リモートデスクトップとデスクトップ仮想化

こういった仕組みをもった「デスクトップを持ちだす」というソリューションは実はいくつか存在している。たとえば、Windowsのリモートデスクトップ接続がもっとも代表的でシンプルな機能だろう。Windowsには、サーバーOS、クライアントOSに限らず古くから(Windows XPの時代から)異なるパソコンから接続をし、デスクトップを操作・表示する機能が存在している。この機能は、Windows VistaやWindows 7でも洗練され続け、現在では、Mac OSからの接続によるデスクトップ環境の実現や、動画の再生やクライアントデバイスに接続されているディスクやUSB機器の接続・連携までも可能にしている。確かにOSであるWindowsが持っているリモートデスクトップ接続機能はシンプルである。しかし、この手法はシステム管理者・運用管理者の立場からはとても優れているとは言い難い。Windowsのデスクトップそのものがバラバラに存在していてはそもそも管理・運用が効率的に行われているとは言えないのである。そこで、デスクトップを集約化する、仮想化するという仕組みが必要なのである。本来バラバラに存在し、デバイスに依存しているはずのデスクトップを集約し仮想化するのである。管理者の立場から見ると、社員に配られているパソコンのデスクトップはとても管理していたとは言えない実態となっている。

しかしながら、これらを企業の中のサーバールームやデータセンターに集約し、管理をすることができるようになるのである。これからは、サーバーもデスクトップも仮想化をし、集中管理する時代なのである。デスクトップの集中管理と仮想化を可能にする技術が、この「デスクトップを持ちだす」ことを可能にしているのである。

デスクトップ仮想化の選定ポイント

それでは、どのデスクトップ仮想化技術を選べばよいのだろうか。デスクトップ仮想化ソリューションを選定するうえで検証・比較をしなければならない点は多岐にわたる。さまざまなベンダーの製品を機能別に検証してもかまわないが、ここではそのポイントを紹介しよう。キーワードである「デスクトップを持ちだそう」という点から、今までのパソコンによるデスクトップという仕事場を持ちだすことを念頭に置いて評価ポイントを考えるとわかりやすい。たとえば、社員2,000人の企業においてデスクトップ仮想化を実現する場合、当然ながら、2,000人の接続に耐えうるスペックと実績が必要になる。仮に、社員 20,000人の企業ならば、かなり大規模の接続に耐えうる必要がある。デスクトップ仮想化は企業活動に機動力と柔軟性を与え、結果デスクトップ仮想化を必要とするユーザ数は増えることになる。

多くの社員からの接続をサポートできるスペックと実績は最初に確認しておきたいポイントなのである。続いて、多くのデスクトップ仮想化による接続が行われた場合、そのデスクトップ画面そのものを転送することによってネットワークには大量の伝送データが発生する可能性がある。ただでさえ、現在の企業内ネットワークはインターネットのデータに加え、IP電話による音声データやテレビ会議のデータなど増加傾向にある。よって、この転送帯域の圧迫を抑えるために、伝送データの最小化および、伝送データによってデータ転送帯域を圧迫しないような、帯域幅制限が必要になってくるのである。

そして次にWindowsログイン認証の仕組みとの連携や、ユーザプロファイル管理機能などが重要になってくるのである。また、昨今よくつかわれるタブレット型やスマートフォンをはじめとするスマートデバイスのサポートも重要である。これらの点を整理すると、「柔軟な大規模接続のサポートと実績」、「帯域幅制限」、「認証機能の統合」、「ユーザ管理機能」となり、これらはデスクトップ仮想化を行う上で、運用管理者にとって重要なポイントなのである。もちろん、「マルチデバイス対応」に加えてマルチメディアデバイスの再生がスムーズに行えることや、手元にあるUSBデバイスが接続利用できることも利便性という意味では重要になるが、多くのデスクトップ仮想化ソリューションはこの点をクリアしつつある。Citrix XenDesktopはこういった管理者からの評価ポイントと利用者側の評価ポイントをバランスよくクリアしているソリューションといえるだろう。