新たなものづくりプラットフォームに必要なものとは?

設計資産の保護と開発効率の向上

設計資産の保護と開発効率の向上を両立

日本の製造業を取り巻く知的財産の課題

近年、日本の製造業は積極的な海外進出を行っている。なかでも東南アジアや中国などへの進出が、ここ数年間で急増中だ。従来、こうした製造業の海外進出は生産コストを抑えることを目的としていた。しかし最近では、生産拠点としてだけでなく、現地の優秀なエンジニアなどを活用する開発拠点としての海外進出も目立っている。

製造業の海外進出が活発化するなかで、企業の知的財産をいかに保護するかが、重要な課題の1つとなっている。海外で製品開発を行うために、機密データを現地の従業員と共有せざるを得ない。しかし、東芝のNAND型フラッシュメモリーの技術情報が内部の技術者によって漏えいした事件をはじめ、企業のコアな知的財産が不正に持ち出される事件も多発しており、よりセキュアに海外連携を実現するソリューションが求められているのが現状だ。

また、製造業ではFAE(フィールド・アプリケーション・エンジニア)などが客先でデータ修正を行ったり、協力会社とのコラボレーションを行ったりする機会も多いだろう。また設備保全業務の効率化も、製造業が抱える大きな課題の1つである。製造業が知的財産を保護しながら、生産性向上を高めていくためには、どのような仕組みが必要なのだろうか。

製造業でも導入が進む仮想化ソリューション

製造業の生産性向上と知的財産の保護に効果的なのが、仮想化ソリューションだ。仮想化によってデスクトップやアプリケーション、取り扱うデータをデータセンターで統合的に管理することで、さまざまなデバイスから安全にアクセスすることが可能となる。海外拠点からデータを参照する際にも、仮想化によってローカルにデータを残さないため、セキュリティ面でも有効である。どこからでもデータやアプリケーションにアクセスすることができるので、業務の効率化という観点からも仮想化のメリットは大きい。

こうした利点から、仮想化技術は製造業をはじめ建築業、公共機関、教育機関、医療分野など機密性の高いデータを扱うさまざまな業種で需要が見込まれている。調査会社IDC Japanが2014年5月に発表した「国内クライアント仮想化市場2013年下半期の分析2014年~2018年の予測:パブリッククラウドDaaSの新潮流(J14180103)」によると、2013年の法人向けクライアント端末における仮想化導入率は23.7%だったが、2018年には48.8%まで拡大すると予測されている。

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製造業における仮想化のメリット

さまざまな設計データを業務で取り扱う製造業は、実は仮想化によるメリットが大きい産業だ。従来、設計で取り扱うCAD データはサイズが大きいため、ネットワークを介した共有に課題があったが、GPU (グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を活用したデスクトップ仮想化技術の登場により、設計データそのものはサーバーに置いたまま、ローカルのPC などの画面に転送できるようになり、データ共有に伴うネットワーク負荷も軽減することが可能になった。

また、製造業の以下の業務において、仮想化によるメリットが考えられる。

海外拠点とのセキュアな情報共有

データセンター側での展開により、海外拠点とのアプリケーションの安全な情報共有が可能になる。急遽、海外事務所を新設する際にも迅速な展開が可能だ。利用するクライアント環境は自由に選択できるため、システムの調達、運用管理コストの低減にもつながる。

取引先との企業間コラボレーション

製造業の場合、企画、設計、調達、生産、販売、保守といった垂直的なプロセスにおいて、サプライヤーや販売会社など組織外の企業とのコラボレーションが欠かせない。こうした取引先との連携にも、仮想化の導入によるセキュアな情報共有が有効だ。仮想化によって起点となるデータを保護しつつ、最新の情報を取引先と迅速に共有できるようになる。たとえば、サプライヤーなどに部品のスペックを渡す際に、情報の一部をコピーして共有していたのでは、元のデータに変更が生じた場合に整合が取れなくなってしまうし、情報をその都度やり取りしていたのでは、似たようなファイルが複数存在してデータの管理が煩雑になってしまう。仮想化環境によって情報共有をすることで、常に一貫性の保たれた情報を参照することが可能となり、効率的なPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)の実現につながる。

FAEによる客先でのデータの修正

受注生産型の製造業では、FAEが客先で製品の技術面における営業サポートを行う場合も多い。顧客の要件をヒアリングしつつ、その場でモデリングデータを手直しし、顧客にその場で確認してもらうといった、セキュリティを担保しながら、手戻りの時間をできる限り削減したいというニーズにも、仮想化は活用できる。アクセスする場所を選ばないため、社内に持ち帰ってからの手戻りを減らし、業務の効率化を実現することが可能だ。

設備保全業務の効率化

仮想化を導入することで、製造業の設備保全業務にも、コスト削減と業務の効率化を実現することができる。仮想化を用いることで保全計画にもとづいた巡回点検、定期点検、稼働点検の情報をリアルタイムに収集し、さらに一元化されたデータから設備や資産の稼働分析、突発的な停止の予防、交換品の迅速な手配などに役立てることも可能になる。

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仮想化の仕組み。データの管理はすべてデータセンターにて一元的に行われているため、ローカルのPCに実データが残ることはなく、また、それに伴う情報の漏えいとリスクを負う必要がなくなる

シトリックスの製造業向けソリューション

シトリックスが提供する製造業向けソリューションは、デスクトップ仮想化ソリューション「XenDesktop」とアプリケーション仮想化ソリューション「XenApp」を軸に、製品開発プロセスの効率化を実現できる。XenDesktopおよびXenAppは、デスクトップOSやアプリケーションの実行環境をサーバーに集約し、利用環境から遠隔操作することで根本的なセキュリティ対策を実現し、さらに生産性の向上にもつなげることができる。デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の両方を同じ基盤で提供できる点がシトリックスの優位性であり、利用場面・用途に応じて適切な方法を組み合わせ、コストの最適化を図ることが可能だ。
また、シトリックスの製造業向けソリューションは、モバイル環境での利用にも対応している。仮想化によりアプリケーションのデバイス依存と情報漏えいリスクを回避し、社内のセキュリティポリシーやルールを変更することなく、テレワークやマルチデバイス対応の要件にも利用可能なインフラだ。
最新のシトリックスソリューションでは、NVIDIA社のGPUを搭載したサーバーソリューションと組み合わせることで、これまで仮想化環境での作業が難しいとされてきた「3D CAD」などの3Dグラフィクスアプリケーションにも対応できるようになった。これにより、データそのものはサーバーにありながら、普段使い慣れた操作感でプロフェッショナルグラフィクスをあたかもローカル環境で実際に実行しているかのように利用することが可能となる。

さらに、シトリックスは仮想化テクノロジーだけでなく、モバイルデバイスの管理まで含めたトータルのソリューションを提供しているほか、幅広いネットワーク製品も取り扱っており、仮想化からネットワークインフラまでを提供する。

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シトリックスが提供するソリューションの概要

すでにグローバルでは、大手自動車メーカーや航空機メーカーをはじめとする製造業で、シトリックスの製造業向けソリューションの導入が進んでいる。機密データの漏えい対策と、業務の効率化を実現したい企業にとって、シトリックスの仮想化テクノロジーは最適な選択肢と言えるだろう。

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