国内初のDaaSでのCAD活用はどのように実現されたか?

【事例解説】仮想アプリケーションでのCAD利用と、DaaSとしての提供。2つのチャレンジはどのように克服されたか?

さまざまなメリットや導入効果があるデスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化ですが、3D CADなどのハイエンドグラフィックスアプリケーションの仮想環境での利用には、パフォーマンスなどの技術的な問題やCADソフトウェアの使用許諾範囲などの課題により実用が困難でした。しかし、仮想化ソフトウェアの機能強化とネットワーク技術の向上と、CADソフトウェアのライセンス範囲の拡張により、CADをアプリケーション仮想化環境で利用する企業が増えています。本稿では、ロザイ工業株式会社(以下、ロザイ工業)へAutoCAD環境をプライベートDaaSとして提供しているパナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)のソリューションについてご紹介します。

生産性の向上、セキュリティ統制と投資抑制を実現するために

ロザイ工業は、工業炉設備や環境設備の総合エンジニアリング企業として1947年に設立された老舗企業です。同社では、大阪本社にある約100台のPCリプレースが必要でした。また、海外関連会社や海外顧客への出張が増加していました。システム運用はたった一人という状況で、運用効率を高める様々な取り組みを試みましたが、従来の手法では限界がありました。つまり、ITセキュリティ統制の強化と投資コストの抑制、システム運用からの解放を実現するために抜本的な見直しが必要でした。

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そこで、ロザイ工業は、「海外でも安心して使え、ITセキュリティを統制できる」、システム運用負荷の軽減を目的に、システムを自社で保有・運用せずサービスとして利用する。さらに、高価なCAD専用ワークステーションを削減し、シンクライアント端末でのCAD利用することも含め、初期投資を大幅に抑えたいと考えていました。それらを全て実現するためにシトリックスのアプリケーション仮想化ソリューションをサービスとして利用する、Desktop-as-a-Service(DaaS)をご導入いただきました。

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シトリックスの場合、XenDesktopを利用したVDI形式だけでなくサーバー共有方式も提供されるため投資コストを大幅に削減可能です。「DaaS環境でVDI方式を採用すると約1,100円/月のマイクロソフト社のVDAライセンスが大きなコスト要因になります。シトリックスのXenAppであれば、このVDAライセンスが不要となり、VDI形式に比べ大幅にコスト削減でき、DaaSのサービス単価も下げることができます」とパナソニック インフォメーションシステムズ株式会社 サービスビジネス本部 IDCサービス事業部 グループリーダーの高垣 義男氏(以下、高垣氏)は解説します。

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シトリックス製品を利用したDaaS環境により、情報システム部門のご担当者様は、システム運用管理からの解放とセキュリティの問題は解消されることになります。次にロザイ工業が利用するCADソフトウェアであるAutoCADが、DaaS環境で利用できるのかということが大きな焦点となります。CADソフトウェアは、非常に細かい作業を必要とするため微細なマウス操作にも対応する必要があります。そのため高価なハイエンドワークステーションが必要です。それらの課題を解決するために技術的な問題以外にもライセンスの問題が存在していました。そして、それらが昨今のテクノロジーの進展とオートデスク社の対応により解消されました。高垣氏は次のように述べます。

「従来AutoCADをサーバ共有方式で提供することはライセンス違反でした。しかし、AutoCADセッション用ネットワークライセンスを提供してくれたことにより今ではライセンスの問題は存在しなくなりました。推奨メモリ4GBが必要なAutoCADであっても64ビットOSの利用で集約率を高められるのでサーバ共有方式で提供するメリットが出てきました。またCADユーザーは画面描画にも非常にシビアですが、最新のシトリックス社のICAプロトコルの通信性能によりアプリケーション配信環境であっても優れたパフォーマンスを確保できるのです。これら全てが解消され、AutoCADをロザイ工業様専用のプライベートDaaSとしてご提供できたのです。」

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海外でもCAD利用が可能に

現在、ロザイ工業では社内システムのほぼ全てをクラウド化しています。従来と変わらない快適な動作スピードを実現しているだけでなく、セキュリティルールも社内に浸透しています。また、アプリケーション構成の標準化が可能となり、管理運用負担は大幅に軽減されました。そして、今ではどこからでも、どの端末からでも、仕事ができるようになりました。もちろん、海外からでもCAD利用が可能になったため、時差解消や現地での設計修正による対応レスポンスが大幅に向上したのです。

CAD利用のアプリケーション仮想化 導入プロジェクト成功の3つの秘訣とは?

セッションの最後に高垣氏はアプリケーション仮想化の導入を成功される3つの秘訣を紹介しました。
まず、用途にあわせたソリューション選定・構成が重要です。デスクトップやアプリケーション配信には複数の方法がありお客様のニーズによって最適な配信方式を決めることが求められるのです。2つ目に、パイロットでの十分な検証・評価が重要です。アプリケーションが動作するのはもちろんですが、実際に利用するユーザーの使用感を重視する必要があります。そして、最後はタブレットやスマートフォン、シンクライアントなどハイブリットなマルチデバイス環境のサポートが重要です。様々なデバイスをサポートすることで、端末の調達コストの削減や私物端末の業務利用(Bring Your Own Device:BYOD)の実現にも対応できます。

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パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社
松下電工株式会社(現 パナソニック株式会社)の100%出資子会社として、1999年設立。創業当初よりシトリックス製品を取り扱い、シトリックスの認定ソリューションアドバイザー プラチナパートナーとして500システム以上のXenApp構築、150システム以上のネットブート構築と豊富な実績を有する。

パナソニックインフォメーションシステムズの仮想デスクトップソリューションも併せてご覧ください。

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