海外展開を支えるITインフラのあるべき姿

国内企業の海外展開の背景

人口減少による国内需要の縮小にともない、国内企業を取り巻く環境はますます厳しくなっています。日本の人口は減少傾向にあり、人口の変動と市場規模が直結する流通・小売業にとって消費材需要はますます厳しい状況にあります。また、製造業においては経済のグローバル化にともない新興国を中心としたグローバル企業との競争が激化しており製造拠点をより人件費の安い国々へとシフトしています。

このように国内企業は、今まで以上に顧客の獲得、維持に集中する必要があるだけでなく、それと平行して諸外国などへの販路拡大や新たな生産拠点のための展開やシナジー効果を求めた事業合弁、M&A が求められています。その現地法人設立に関する傾向として、製造業では2000年前後をピークに減少傾向にあるが、サービス業では増加傾向がみられます。これは、製造業の進出により現地の市場が成熟し、サービス業にとっての事業環境の整備が進むことで、現地及び進出企業向けの卸・小売や各種サービスを提供する事業者がより進出しやすくなったことが反映していると考えられています。

このことから、企業はコスト削減の取り組みに加えて、販売拡大の段階に来ていると言えるのではないでしょうか。

海外の現地法人が直面する課題

販路拡大や賃金の安い諸外国への生産拠点の設置は必要不可欠になりつつありますが、それでは海外展開を実現し継続する際の課題やリスクに関してどのような状況なのかをご紹介します。全ての企業が海外展開を実現すれば成功するというわけではありません。

独立行政法人 中小企業基盤整備機構の調査「平成23年度中小企業海外事業活動実態調査」によりますと7,171社にヒアリングした結果、ほぼ半数が「事業規模拡大(機能拡充)を図る」としており、「現状維持」の45.5%と合せると、引き続き積極的な海外事業展開がわかる。しかし、残念ながら634社(8.8%)が何らかの理由により撤退や移転を経験しているといいます。

その撤退の理由として、生産コストの上昇や品質管理の難しさ、人件費の高騰や人材確保の困難さ、競争激化などその理由は多岐にわたります。

中小企業庁が委託して実施した調査「平成23年度 海外展開による中小企業の競争力向上に関する調査 報告書」(平成24年3月、三菱UFJリサーチ&コンサルティング)によりますと事業環境面の課題・リスクについて為替の変動や経済情勢の変化、自然災害や政情不安といった外部要因に関する点が課題と回答している企業が多いことがわかります。また、その次に知的財産の侵害や模倣品の増加に関して20.6%の企業が課題・リスクであると感じています。

グローバル企業の課題

中小企業庁委託調査「平成23年度 海外展開による中小企業の競争力向上に関する調査 報告書」(平成24年3月、三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

そして海外でビジネスを展開する場合には、日本と比較しての競争の激しさに痛感している企業も少なくないことが挙げられています。課題やリスクを感じていない企業は実に4.5%ほどしかなく、その海外展開を行っているほとんどの企業がなんらかの形で課題やリスクが存在する状況なのです。

海外展開を支える情報システムの課題

前述した通り多くの企業がなんらかの形で海外展開を実現しているものの、そのほとんどが課題を抱えて、いくつかの企業は撤退を余儀なくされている状況であることがわかりました。また、優秀な人材確保に関して課題を抱える企業も多く情報システムの領域に関しても同様なことが言えるでしょう。多くの企業では情報システム領域において「現地サポート体制が整っていない」「トラブルの対応が悪い」「コストパフォーマンスが悪い」「現地の技術者の質が悪い」「現地の営業の質が悪い」「セキュリティが不安」など多くの課題を抱えています。

海外展開を支えるITインフラのあるべき姿

現地に拠点や店舗、工場を開設するにあたって情報システムインフラはなくてはならない存在です。電子メールやファイル共有サーバーはもちろんのことERPや財務会計アプリケーション、デスクトップアプリケーション、業務アプリケーション、CADやCAEなどの専門アプリケーションなど日本と同等の環境が求められます。

これらの情報システムインフラの海外展開を実現する上で、前述した課題を考慮しながら導入することが重要になってきます。その際に考慮すべきポイントを下記に列挙します。

セキュリティ

知的財産の侵害や模倣品の増加が課題であると回答する企業は、情報漏えいの脅威に備える必要があります。顧客情報や設計データ、取引先情報、財務データ、契約データ、営業資料、各種経営データなど、例え適切な権限が割り当てられたとしても持ち出せる環境は危険を伴います。

展開スピードやコスト

世界情勢の変化に伴い、拠点の新設や引上げを柔軟に行う必要があります。企業によっては、最初は小規模で進出し、のちに状況を見ながら拡大していく場合もありでしょう。また、ほかの国や地域に人員を異動させる場合も柔軟に対応できる必要があります。

IT管理者の不在

一般的に各海外拠点の正社員の人数は少ないだけでなく、そのITスキルに不安を抱える傾向があります。その中でIT管理者に優秀な人材を登用できない課題を抱えます。本社からでも管理可能な情報インフラが必要になってきます。

世界中から統一した利用とガバナンス

世界中の拠点から情報システムにアクセスするときには常に同様の仕事環境であることが望ましいです。日本にいても中国にいても使い慣れたデスクトップやアプリケーションを使うことができれば生産性を損なうことはありません。また、拠点ごとに異なるシステムを導入することは非効率であるばかりでなく、セキュリティやガバナンスの観点からも危険を伴います。

データ、アプリケーション、デスクトップの全てのガバナンス

企業情報システムは従業員や関係者がデスクトップからアプリケーションを活用して貴重なデータを扱います。これらの3つの要素「デスクトップ」「アプリケーション」「データ」に関してセキュアかつガバナンスを効かせて管理しやすい環境が必要になります。

これらのことを考慮したときに、内部設置型のサーバーを各拠点に設置していったり、現地で各種アプリケーションを管理していくことは現実的な選択肢とはなりません。また、各拠点にアプリケーションサービスを展開するにしても、専用線やVPNなどでつなぐ必要がある場合にも多くのコストがかかるため現実的ではありません。

国内データセンターやパブリッククラウドの活用などを視野にいれながらセキュリティとガバナンスを担保しつつ、柔軟性とコスト効率の高い環境を構築する必要があるのです。

シトリックスの海外展開ソリューション

シトリックスでは、「デスクトップ」、「アプリケーション」、「データ」に関してグローバル企業の課題を解決する豊富なソリューションを提供しています。多様化するエンドポイントのデバイス環境においてもガバナンスやセキュリティを確保しながらユーザーエクスペリエンスを最適化し生産性を損なうこともありません。

以下の図はシトリックスの海外展開を行う流通小売企業ソリューションの全体像を描いています。データセンター上にデスクトップやアプリケーション、データを統合し配信することで海外などへの展開が容易なだけでなく、セキュリティとコンプライアンスを確保しながら中央集中管理が可能になります。また、各種モバイルデバイスからのアクセスにおいてはXenMobileを導入することで企業情報を強固に守ることが可能になります。

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デスクトップ仮想化ソリューション

対応する課題:セキュリティ、展開スピードとコスト、デスクトップ管理、デスクトップのガバナンス

Citrix XenDesktopは、データセンターにデスクトップOSを仮想化し必要に応じて配信します。ユーザーは、海外拠点であろうと場所を選ばずに遠隔地から普段使い慣れたデスクトップ環境にログインして利用することが可能になります。また、XenDesktopは、優れたICAプロトコルを提供するため公衆回線を利用していても優れた操作性を確保可能です。

アプリケーション仮想化ソリューション

対応する課題:セキュリティ、展開スピードとコスト、アプリケーション管理、アプリケーションのガバナンス

Citrix XenAppは、データセンターにアプリケーションを仮想化し必要に応じて配信します。ユーザーは、自身の利用するデバイスからアプリケーションのみを遠隔地利用することが可能になります。

クラウドファイル共有ソリューション

対応する課題:

対応する課題:セキュリティ、展開スピードとコスト、データ管理、データのガバナンス

Citrix ShareFileは、情報共有基盤をクラウドで提供します。ユーザーは、いつでも、どこでも自身のデバイスと社内のファイルを同期、編集、保存、そして社内外の人々と共有が可能です。ユーザーは、使いやすいWeb インターフェイス、専用モバイルアプリを利用し業務の生産性を向上させます。
また、ShareFile は、企業に必要な厳格なセキュリティを実装しています。一般的なクラウド ストレージ サービスとはことなりデータの暗号化やリモートワイプ、パスワードロック、有効期限設定、モバイル デバイス ポリシー設定、監査機能、レポート機能、ディレクトリサービス連携など、企業のコンプライアンス要件を満たします。企業はShareFile のデータストアとしてパブリッククラウドを利用すること以外に、自社のストレージやMicrosoft SharePoint などのオンプレミスストレージを選択することも可能です。ShareFile によりユーザーのモビリティとコラボレーションニーズを満たしたまま、企業は機密データを管理することを可能にします。

モバイル管理ソリューション

対応する課題:セキュリティ、データおよびアプリケーション デスクトップのガバナンス

Citrix XenMobile は、従業員のモバイル要求と企業や組織のセキュリティや管理のニーズの両方を満たす中央集中管理が可能なエンタープライズモビリティ管理(EMM)製品で、主にMDM、MAM、MCM の3 つの機能を提供します。モバイルデバイス管理(MDM)では、モバイルデバイスのライフサイクル全般を管理します。また、モバイルアプリケーション管理(MAM)においては、ユーザー体験を損なうことなくセキュアなアプリケーションへの統制を実現し、企業や組織に最適化された豊富なアプリケーション実行環境を提供します。さらには、モバイルコンテンツ管理(MCM)として、クラウドファイル共有機能を提供することで安全なコラボレーションや従業員のより高い生産性をお約束します。

WAN最適化ソリューション

対応する課題:パフォーマンスとコスト

CloudBridge は、WAN 帯域幅消費量を削減し、既存 のキャパシティの利用を最適化します。これによって、現在の帯域幅利用にかかる費用を節約し、最大で 4 倍のユーザーをサポートして、デスクトップ 1 台当たり最大で 80%も帯域幅消費量を削減できるようになります。また、CloudBridge を使用すると、ビデオ視聴、ファイル転送、ソフトウェア配布、バックアップ、企業データのレプリケーションなど、帯域幅を 大量に使用するアプリケーションのトラフィッ クを最大で 95%削減できます。これにより海外からのアクセスもスムーズになります。