モバイルワークスタイル向けに日立製作所が最新のシンクライアントを開発

FLORA Se210 RK4

株式会社日立製作所(執行役社長 兼 COO:東原敏昭)は、2014年4月22日に企業向けシンクライアント「FLORA Se シリーズ」の最新モデルとなる「FLORA SE210 RK4」の販売を開始しました。新製品では、消費電力を6Wに低減し、約7時間のバッテリー駆動を実現しています。また、モバイルワークの携帯性に優れた軽さと薄さを備えると同時に、オフィスでのデスクワークにも快適な13.3型ワイド液晶画面を搭載しています。

多くの企業が、事業継続性の強化や従業員のワークライフバランスなどに取り組んでいる現在、働く場所や時間にとらわれない仮想デスクトップ(VDI)への注目が高まっています。そのVDIシステムに適したクライアント端末として、「FLORA Se210 RK4」は業務の効率化や高度なセキュリティ対策に貢献します。

日立製作所は国内モバイルシンクライアントのトップベンダー

IDC Japanが2014年6月に発表した「国内モバイルシンクライアント市場ベンダー別 出荷台数シェア 2013年」によれば、日立製作所は37.5%というトップシェアを獲得しています。この高いシェアの背景には、同社が2004年から国内では先進的な企業として、モバイルシンクライアントを活用したVDIシステムを導入してきた実績があります。その取り組みについて、プラットフォーム販売推進本部 プロモーションセンタ 主任技師の五十嵐肇氏は、次のように話します。

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プラットフォーム販売推進本部 プロモーションセンタ 主任技師
五十嵐肇氏

「当社では、国内で最大規模となる約9万ユーザーが、モバイルシンクライアントによるVDIシステムを利用しています。2004年の導入当初は、主に情報漏えいの予防といったセキュリティ対策の強化が、主な目的でした。端末にデータを残さず、外出先でも安全にモバイルワークができる環境を、自社で開発したシンクライアント端末とVDIシステムによって整えてきました。それから足掛け10年の実績を経て、いまVDIシステムやモバイルシンクライアントへのニーズは、大きく高まってきていると実感しています」

五十嵐氏が指摘するように、IDC Japanでは国内のモバイルシンクライアント市場が、2018年には200,000台を越える出荷台数に達すると予測しています。その市場の伸びの背景について、五十嵐氏は国内企業のモバイルワークスタイルへの関心の高さを指摘します。

「ひとつはBCP(事業継続性)という側面から、社員が会社に来られなくても、自宅から業務を遂行できる対策が求められています。また業務の生産性という点では、外出の多い社員が、移動の隙間で効率よく作業を行ったり、直行直帰を可能にして、客先を訪問する時間を多くしたいという要望もあります。さらにワークライフバランスという観点では、育児と介護に携わる社員に対して、柔軟なワークスタイルを提供し、貴重な人財を在宅勤務で支えたい、という願いもあります。こうしたワークスタイルの変化に適応するために、在宅やモバイルのワークスタイルの基盤となるソリューションが求められています」

日立クライアント統合ソリューションによるモバイルワークスタイルの提供

日立グループでは、2013年12月に日立製作所が中心となって「Hitach unified client experience platform」(日立クライアント統合ソリューション)を発表しています。このソリューションでは、VDIとモバイルシンクライアントを中心としたワークスタイル変革を提供しています。例えば、日立クライアント統合ソリューションを採用した損害保険ジャパンでは、15000台(4万台まで拡張の予定)のモバイルシンクライアントを導入し、シトリックス・システムズのXenAppによる仮想化システムを構築しています。

「損害保険ジャパン様の事例では、当初はセキュリティ対策と災害対策および事業継続性を目的とした導入でした。しかし、導入後はワークスタイルの変革という大きなメリットを得られた、というご評価をいただいています。これは、モバイルシンクライアントとクライアント仮想化システムの組み合わせによるテレワークの実現によるものです」と五十嵐氏は日立クライアント統合ソリューションによるモバイルワークスタイル提供の意義について説明します。
こうした、日立クライアント統合ソリューションの顧客企業への大量導入などによる経験や、自社での大規模な運用実績から、モバイルワークスタイルに求められるモバイルシンクライアントを研究し続けてきた同社では、新たに「FLORA SE210 RK4」を開発しました。

モバイルシンクライアントに求められる性能を凝縮した一台

「FLORA Se210 RK4」は、セキュアなモバイルワークのために開発されたモバイルシンクライアントです。基本的な形状は、一般的なモバイルノートPCと違いはありません。大きくて見やすい13.3型のワイド液晶画面に1366×768ドットの解像度で、仮想化されたデスクトップやXenAppのストアフロントを表示します。通信には、5GHz帯の802.11a/nを含め、IEEE802.11s/b/g/nをサポートする無線LANと有線LANを搭載しています。また、データ入出力の制御もできるUSBポートを備え、16GBの内蔵フラッシュメモリーもセキュリティ確保のために書き込みを禁止できます。そして、約7時間の連続稼動を可能にし、重さも1.26kgと軽量で、21mmの薄型化も実現しました。

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FLORA Se210 RK4

「当社のモバイルシンクライアント製品は、2004年から開発し続けておりますが、国内でのトップシェアを維持してきました。最新モデルとなるFLORA Se210 RK4ではOSに、Microsoft Windows embedded Standart 7 SP1を採用しているので、内蔵フラッシュメモリーやUSBポートなどの制御が可能です。また、日立独自の認証デバイスとなる『KeyMobile』や『指静脈認証装置』と組み合わせることで、さらに強固な認証やなりすましも防止できます」と五十嵐氏は「FLORA Se210 RK4」の特長について補足します。

「FLORA Se210 RK4」は外部出力に、アナログRGBディスプレイを接続できるミニD-Sub 15ピンと、DispleyPortを一つずつ備えています。また、Bluetoothにも対応し、スピーカーも内蔵しています。「FLORA Se210 RK4」でストアフロントにアクセスしたり、仮想デスクトップを表示していると、一般的なノートPCを利用している感覚との違いはありません。その上、セキュリティに配慮された設計になっているので、モバイルワークを導入するためのモバイルシンクライアントとしては、理想的なワークスタイルを凝縮した一台となっています。

「モバイルワークスタイルは、かつては金融や生保などの分野で積極的に採用されてきましたが、現在はワークスタイル変革や事業継続性といった観点から、業種を問わずに広く普及しはじめています。当社では、『FLORA Se210 RK4』をモバイルワークスタイルのシンクライアントとしてお客様に販売するだけではなく、XenAppやXenDesktopと組み合わせたトータルなソリューションとして、提案から構築までをワンストップで提供する体制も強化していきます」と五十嵐氏は日立クライアント統合ソリューションとして、FLORA Se210 RK4を積極的に提案していく展望を語りました。

参考サイト

ニュースリリース 組織の生産性向上に貢献するフレキシブルワークの実現に向け日立クライアント統合ソリューションを大幅に強化