CloudStackを試そう 構築編

前回はインストールする環境について説明しました。今回はXenServerとCloudStackのインストール作業に入ります。

構築するクラウドのIPアドレス構成

今回構築するクラウドでは、ノートPC4台を表1に示す用途で利用します。xs01はCloudPlatformを構築する上で必要となる管理サーバやNFSサーバを仮想マシンで構築する際のホストマシンです。これらのサーバは別途物理マシンで用意しても構いません。xs02とxs03はCloudPlatform経由で作成されるVMが動作するホストです。ユーザのVMだけでなく、ネットワークを設定する仮想ルータや、Webコンソールから仮想マシンにアクセスするためのコンソールプロキシVM等も動作します。win7はクライアント端末として利用しますが、xs01の管理端末としても利用するため、XenCenterをインストールします。

ホスト名 OS IPアドレス 用途
xs01 XenServer 6.2 192.168.1.11 管理用VM作成用
xs02 XenServer 6.2 192.168.1.12 コンピューティングノード
xs03 XenServer 6.2 192.168.1.13 コンピューティングノード
win7 Windows7 192.168.1.254 クライアント端末
cpman CentOS 6.4 192.168.1.21 CloudPlatform管理サーバ(VM)
nfs CentOS 6.4 192.168.1.31 VMのHDD格納用(VM)

表1:物理マシンのIPアドレスと用途

インストールパッケージの取得

クラウドを構築する際に必要なパッケージを取得します。XenServerのインストールCDとXenCenterのインストーラ、CloudPlatformのインストールファイル、CentOSのminimalインストールイメージをダウンロードします。

XenServerとXenCenterの取得

XenServer 6.2とXenCenterを http://xenserver.org からダウンロードします。「SOFTWARE」→「DOWNLOAD」から「Installation ISO」と「XenCenter Windows Management Console」をダウンロードします。ダウンロードが完了したらXenServerのインストールイメージをCDに焼いておきます。また、XenCenterをWindowsマシンにインストールします。

CloudPlatformの取得

CloudPlatformの評価版をダウンロードします。 https://www.citrix.com/ にアクセスしてMy Accountでログインします。評価版のダウンロードにはCitrixアカウントが必要になるので、アカウントがない方は作成してください。ログイン後、「Producs」→「CloudPlatform」→「Free Trial」にアクセスし、必要な情報を入力してCloudPlatformの評価版をダウンロードします。

CentOSの取得

CentOS 6.4のminimalインストールイメージを任意のミラーサイトからダウンロードしてCDに焼いておきます。RHEL 6.4のインストールディスクがある場合は、そちらを利用しても構いません。

XenServerのインストール

XenServerのインストールディスクを使ってxs01からxs03までの3台にXenServerをクリーンインストールします。画面の指示にしたがって必要な情報を入力すれば、1台あたり105分程度でインストールできます。途中でSupplemental Packをインストールするかどうかを聞かれますが、今回はインストールしなくて構いません。今回はインストール時のパラメータとして表3のものを入力しました。xs02, xs03に関しても、表1のIPアドレスを設定して同様にインストールします。

項目

内容

Keymap

Jp106

Action To Perform

Perform clean installation

Virtual Machine Storage

[*] sda – 232GB

[ ] Enable thin provisioning

Select installation source

Local media

Install any Supplemental Packs?

No

パスワード

任意

IP

192.168.1.11

Netmask

255.255.255.0

Gateway

192.168.1.1

Hostname

xs01

DNS

192.168.1.1

8.8.8.8

8.8.4.4

Timezone

Asia/Tokyo

NTP Server

0.xenserver.pool.ntp.org

1.xenserver.pool.ntp.org

2.xenserver.pool.ntp.org

表2:xs01インストール時のパラメータ

CloudPlatform管理用VMの作成

XenServerのインストールが終わったら仮想マシンを作成してCloudPlatformに必要なサーバをセットアップします。ここではCloudPlatformの管理サーバとVMのHDDが格納されるNFSサーバを仮想マシンで作成します。なお、2台ともCentOS 6.4をインストールするので、1台インストールが終わったらテンプレートを作成し、そこから2台展開することで同じ環境を2台作成します。その後、各サーバのセットアップを行います。

XenCenterへのXenServerの追加

XenServerで仮想マシンを作成するため、XenCenterを起動してメニューバーの「Server」→「Add…」をクリックしてXenServerの追加ダイアログを表示します。ダイアログにxs01のIPアドレスとパスワードを入力し、「Add」ボタンをクリックします。

image001

図1:XenCerverにxs01を追加したところ

CentOSテンプレートの作成

先ほど作成したCentOSのインストールCDをxs01に挿入し、XenCenterの画面上のxs01を右クリックして「New VM…」をクリックします。ウィザード画面が出てくるので、以下のパラメータでVMを作成します。

Template CentOS 6 (64-bit)
Name CentOS 6.4 Template
Description CentOS 6.4 minimal template
Install from ISO library or DVD drive DVD drive 0 on xs01
Number of vCPUs 1
Memory 1024MB
Virtual HDD 20GB

 

作成されたVMのコンソール画面にアクセスしてインストール作業を進めます。インストール後、以下のコマンドで一時的にネットワークを設定し、パッケージをアップデートします。

# ifconfig eth0 192.168.1.253/24

# echo nameserver 192.168.1.1 > /etc/resolv.conf

# route add default gw 192.168.1.1

# yum update -y

 

アップデートが終わったら、/etc/hostsに以下の内容を追記します。

192.168.1.1 gateway.cloud.local gateway

192.168.1.11 xs01.cloud.local xs01

192.168.1.12 xs02.cloud.local xs02

192.168.1.13 xs03.cloud.local xs03

192.168.1.21 cpman.cloud.local cpman

192.168.1.31 nfs.cloud.local nfs

 

SELinuxも無効にしておきます。

# vi /etc/selinux/config

SELINUX=permissive

 

ここまでの設定がすんだら、VMをシャットダウンします。

# shutdown –h now

 

VMがシャットダウンされたら、XenCenter上で「CentOS 6.4 Template」を右クリックし、「Convert to Template…」をクリックします。テンプレートから元のVMには戻せないという旨のメッセージが出てきますが、OKをクリックして続行します。テンプレートが作成されたら、作成されたテンプレートを右クリックして「Quick Create」をクリックすると、テンプレートを元に新たなVMが作成されます。この手順で2つのVMを作成し、それぞれのVMを右クリックして「Properties」をクリックし、cpmanとnfsに名前を変更します。

image002

図2:テンプレートを作成し、VMを2つ作ったところ

次に、それぞれのVMのConsoleタブからログインし、ネットワーク情報を設定します。ホスト名とIPアドレスは表1を参照し、VMに合わせて設定してください。

# vi /etc/sysconfig/network

NETWORKING=yes

HOSTNAME=cpman.cloud.local

GATEWAY=192.168.1.1

 

# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0

DEVICE=”eth0”

BOOTPROTO=”none”

ONBOOT=”yes”

IPADDR=”192.168.1.21”

NETMASK=”255.255.255.0”

GATEWAY=”192.168.1.1”

NM_CONTROLLED=”no”

TYPE=”Ethernet”

DNS1=”192.168.1.1”

DNS2=”8.8.8.8”

 

設定ファイルの編集後、ネットワークを再起動して疎通確認を行います。

# service network restart

# ping –c5 www.google.com

 

また、以下のコマンドでホスト名のFQDNが出力されることを確認します。

# hostname –f

cpman.cloud.local

 

ここまでのプロセスが終了したら、一度VMを再起動します。

# reboot