SD-WANの導入で最大80%ネットワークコストを削減

SD-WANでIP-VPN(MPLS) とブロードバンドインターネットを併用し柔軟で信頼性の高いネットワークを構築する

シトリックスが提供するCloudBridgeは、プライベートネットワークでのアプリケーションの高速化、ビデオキャッシング、トラフィックの可視化など「WAN最適化」を提供する製品として幅広く活用されていました。

最新版CloudBridgeは「WAN最適化」に加えて「WAN仮想化(SD-WAN)」というあらたなソリューションを提供することで多くの企業が抱えるネットワークの課題を解決します。

本記事ではSD-WANが企業にどのように貢献するのかをCloudBridge WAN仮想化の機能を交えてご紹介します。

企業ネットワークの現状と課題

企業のネットワークトラフィックは、日々成長し続けており、今では年率15%の推移で増大していることが予想されています。その理由として、企業が近年採用するOffice 365やLyncといったSaaSアプリケーションや仮想デスクトップ、ビデオトラフィックの増加などが起因していると言われています。

一般的な企業のWAN環境に目を向けるとデータセンターを中心にブランチが接続されているHub&Spokeのネットワーク環境が構成されています。
本来、LyncやOffice 365、YouTubeなどの動画、その他SaaSアプリケーションは、インターネットネイティブなアプリケーションとして設計されており直接インターネットに繋げて通信するものではありますが、ブランチから直にインターネットに接続することはセキュリティやコンプライアンスの観点で多くの企業がこれを認めていません。つまりすべてのトラフィックは一度データセンターを経由して接続されている状況です。

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このようなネットワーク環境においてトラフィックが増大するということは企業内のWANネットワークの帯域を圧迫することにつながります。多くの企業では低レイテンシーで信頼性の高い高価なIP-VPN(MPLS)環境のWANサービスを導入しており、その増設が必要になってくるためコスト面で課題になりつつあるのです。加えて、物理的に離れたWANネットワークでは回線、通信機器の運用面も課題となっています。

WAN仮想化の登場

今回、シトリックスではCloudBridgeの新たなエディションであるSD-WANソリューションとしてCloudBridge WAN仮想化エディション(以降、CloudBridge)を発表しました。企業はCloudBridgeを採用することで信頼性が高く柔軟なネットワーク環境を構築することが可能になるだけでなく大幅にネットワークコストを削減することが可能になります。

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それでは、WAN仮想化の概念をご紹介した後に企業がWAN仮想化(SD-WAN)を導入するメリットやCloudBridgeの機能に関してご紹介しましょう。

WAN仮想化の概念

前述した通り多くの企業はWANサービスとしてIP-VPN(MPLS)を採用しています。高価であるにもかかわらず、採用する理由としてMPLSの低いレイテンシーと高い信頼性があるからです。本来であれば企業は圧倒的にコストが安価なブロードバンドインターネットを活用したいと思っています。ブロードバンドインターネットは、便利で安価である反面、高いレイテンシーや信頼性に問題があるため高度にネットワークを活用するアプリケーションでは使えません。

しかし、安価なインターネット接続では、遅延に敏感な信頼性を求めるアプリケーションには不向きかもしれませんが、ビデオやインターネットネイティブなSaaSアプリケーションではMPLS回線ではなくインターネット回線を活用するのがベストといえるでしょう。

このような考え方のもとWAN仮想化という概念が発達してきました。つまりアプリケーションごとに適材適所なネットワークを活用するハイブリッドWANの活用です。

WAN仮想化を実現するCloudBridge

これらを実現するソリューションが、CloudBridgeが実現するWAN仮想化です。

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仮想化は一般的にリソースの共有を実現します。シトリックスが得意とするサーバー仮想化はサーバーを集約します。デスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化はデスクトップやアプリケーションを集約します。WAN仮想化は、複数のネットワーク環境を一つの論理回線としてネットワークを集約します。複数の異なるネットワークを仮想的に束ねることでネットワークを効率的に活用して遊休帯域を減らすことを可能にします。

今までのハイブリッドWANでは、MPLSをプライマリーに活用してインターネット回線をバックアップという考えが主流でした。しかし、平常時の場合にはバックアップ回線を遊ばせているため勿体無いでしょう。WAN仮想化では、すべてのネットワークを効率的に活用するためバックアップを遊ばせておくことはありません。これによりコスト削減につなげることが可能になります。

回線の有効利用とアプリケーションのパス選択

WAN仮想化を導入することでアプリケーションごとにネットワークの選択が可能になります。低レイテンシーなIP-VPN(MLPS)には、パケットバッファが小さいミッションクリティカルなアプリケーションを割り当てたり、ビデオやWebアプリケーション、ファイル共有などのバッファが大きなアプリケーションの場合にはコスト効率の高いブロードバンドインターネットを割り当てるなど、アプリケーションごとにきめ細かなネットワーク設定が可能です。

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ネットワークの変化による適切なパス選択

また、CloudBridgeのWAN仮想化では、信頼性を高める技術も提供します。重要なアプリケーションに関してはパケットを複製して2つのネットワークに流すことで、どちらか一方のネットワークに問題が発生した場合でも処理を継続します。この機能により、たとえばVoIPなどパケットロスや遅延が許されないようなアプリケーションでは、MPLSとインターネットに重複したパケットを流し、最初に到着したパケットを採用し2番目以降は破棄するなどの設定でパケットを多重化することで信頼性を高めます。従来ではルーティングコンバージェンスが数秒から数十秒かかっていたのに対してmsec単位での切り替えになるため、ユーザーは切り替えに気づくこともありません。

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それ以外のメリットとして回線増強時のリードタイムの圧縮があげられます。一般的にIP-VPN(MLPS)環境のMACD(Move(移設)、Add(追加)、Change(変更)、Delete(削除))には数週間から1ヶ月半ほどの時間を要します。WAN仮想化を採用している場合には、CloudBridgeの設定を少し変えるだけで帯域を増やすことが可能になるため企業のネットワーク環境の変化に応じて柔軟に対応することができるのです。また、設定変更については各拠点に分散されたネットワーク機器に直接設定変更を行うのではなく、Master Control Nodeと呼ばれる全拠点の設定を集中管理する機器から一元管理することができます。

WANのコストを最大80%削減

CloudBridgeによるWAN仮想化を採用することで遊休ネットワークを減らすだけでなく安価なブロードバンドインターネットを活用しながら信頼性を高めることが可能になります。これにより従来非常に高価であったIP-VPN(MPLS)から解放され企業のWANコストを大幅に削減することが可能になります。

たとえば500ブランチある企業では約80%コストを削減できることが予測できます。MPLS網を5から20に殖やすことを想定した場合、WAN費用として年間$19Mのコストが発生します。それがCloudBridgeを活用することでバックアップ回線が必要なくなるために年間$12Mまでコストを圧縮することが可能です。さらに、企業内のアプリケーションの状況にもよりますがブロードバンドインターネット回線を上手に活用することで最終的には年間$5Mにまでコストを圧縮することでWANコストを約80%も削減可能になります。

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このようにCloudBridgeを活用することでバックアップ用のネットワーク環境が必要なくなるだけでなく高価なIP-VPN(MPLS)環境に縛られずにブロードバンドインターネット回線と併用することで大幅にコストを削減できるようになるのです。

まとめ

企業はWAN仮想化SD-WANを実現するCloudBridgeを採用することで、ネットワークの信頼性、運用性、パフォーマンスを維持したまま、コスト効率よく帯域を拡張することが可能になります。サーバー、デスクトップ、アプリケーション、ストレージの仮想化に加えて、CloudBridgeの登場によりネットワークを仮想化することで真にコスト効率を高めた企業基盤を実現することが可能になったのです。

CloudBridgeの詳細はこちらをご確認ください。