Machine Creation Services(MCS)を使った仮想デスクトップの展開(Hyper-V編)

XenDesktop 7を触ってみよう Hyper-V 編 (第4回)


本連載をまとめたホワイトペーパーは以下よりダウンロード可能です。
Microsoft Hyper-V Server 2012 とCitrix XenDesktop 7で始めるデスクトップ仮想化入門

XenDesktopには仮想デスクトップの大規模展開を行うための仕組みとしてMachine Creation Services(MCS)を使う方法と、OSおよびアプリケーションのをテンプレート化した標準イメージをネットワークブートするProvisioning Server(PVS)を使う方法があります。PVSのほうが環境構築の難易度が高いですが、MCSによる仮想デスクトップ展開と比べてストレージの大幅な消費を抑えることが出来るため、大規模な展開に優れています。

今回は小、中規模の仮想デスクトップの展開に最適な、特別なサーバーの構築を必要とせずに利用可能なMCSを使った仮想デスクトップ展開について解説します。

MCSによる仮想デスクトップ展開の仕組み

MCSによる仮想デスクトップ展開の仕組みは、展開する仮想デスクトップ環境をマスターイメージとして、イメージを多数展開するという方式です。マスターイメージからクローンされたVMイメージにはIDディスクと差分ディスクが付加されます。マスターイメージからクローンされたイメージ+IDディスク+差分ディスクの3つで構成されます。

構成される3つのディスクのうち、IDディスクは第一回で触れたように仮想マシン固有の情報(コンピューター名やSIDなど)が保管されています。これにより、同じイメージからクローンされたゲストOSが別のシステムと認識されるというわけです。単純にハイパーバイザーの機能を使ってクローンしただけの仮想マシンを同時に起動すると、IPアドレスやSIDの重複などにより問題が発生してしまいますが、MCSを使えばこういう心配をすることなく仮想デスクトップ環境を展開することができます。

OSイメージが保管された領域に一時保管されたデータは、OSの再起動によって通常はリセットされます。しかし、Personal vDiskが利用できる仮想デスクトップはプロファイルをこの領域に保管するため、再起動を行っても保存したデータや個人設定などが消失することはありません。ホームディレクトリ配下であればドキュメントの保存なども可能です。

XenDesktop7-Hyper-V-097

図 8 Personal vDiskありのイメージの展開

MCSマスターイメージの構成

MCSによる仮想デスクトップの展開を行うには、まず展開するマスターイメージを用意します。今回はWindows 7 SP1を仮想デスクトップとして利用するため、Windows 7 SP1をインストール済みの仮想マシンを用意してください。必要に応じてその他ソフトウェアをインストールします。マスターイメージはActive Directoryにひも付けされたコンピュータアカウントを元にマスターイメージである仮想マシンを識別するため、予めActive Directoryの参加をしておく必要があります。

VDAのインストール

MCSによって展開するマスターイメージもVDAをインストールする必要があります。以下の手順に従ってソフトウェアのインストールを行ってください。

仮想デスクトップとするWindows仮想マシンでXenDesktop7のインストールイメージ(ISOファイル)をマウントして読み込んでください。

ダブルクリックするとインストーラが起動しますので、「開始」ボタンをクリックします。

XenDesktop7-Hyper-V-098

メニューの中から「Virtual Delivery Agent for Windows Desktop OS」をクリックします。

XenDesktop7-Hyper-V-099

VDAの導入ウィザードが表示されます。「マスターイメージを作成する」を選んで「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop7-Hyper-V-100

「HDX 3D Pro」は「いいえ、標準のVDAをインストールする」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。

「コアコンポーネント」はデフォルトのまま「次へ」ボタンをクリックします。

「Delivery Controller」は「手動で指定する」を選び、Delivery ControllerのアドレスをFQDN(本例ではscvmm.vdi.example.com)で入力してください。入力後「接続テスト」を実施してエラーが出ないことを確認します。

正しいDelivery Controllerのアドレスを入力できたら「追加」ボタンをクリックし、「次へ」ボタンをクリックします。

「機能」はすべてを選択して「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop7-Hyper-V-101

「ファイアウォール」はデフォルトのまま、「次へ」ボタンをクリックします。

最後に「概要」でこれまでの設定を確認して問題なければ「インストール」をクリックします。VDAのインストールが始まります。VDAのインストール後、一旦再起動します。