最新!XenDesktopで始めるデスクトップ仮想化入門(第6回)

第6回 Citrix XenAppのインストール

■Citrix XenAppのインストール

XenDesktop環境が作成できましたので、次にアプリケーションの仮想化を行なう、
XenAppのインストールを行ないます。XenAppをインストールするサーバーを操作して、XenAppをセットアップしましょう。

Citrixのサーバーからダウンロードしたzipパッケージを展開すると、3つのisoイメージが見つかると思います。

XA6.5_2008R2_ML.iso
XA50_WS08_EN.iso
XA50_WS08_JA.iso

XenApp 6.5はWindows Server 2008 R2用、Xen App 5.0はWindows Server 2008用です。
今回、XenAppをインストールする環境はWindows Server 2008 R2ですので、XA6.5_2008R2_ML.isoを使います。
それでは早速XenApp 6.5をインストールしましょう。

1)メディアを挿入すると、自動的にXenAppのインストーラが起動します。「XenAppサーバーのインストール」をクリックしてインストールを開始します。

XenDesktop

2)「Citrix XenAppサーバーの役割マネージャー」が表示されます。

3)「サーバーの役割の追加」をクリックします。

XenDesktop

4)「XenAppのエディションの選択」を行ないます。今回は「Enterprise Edition」を選択します。

XenDesktop

5)「ライセンス契約書」が表示されます。「ライセンス契約書に同意する」を選んで「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

6)「XenAppの役割の選択」でインストールするコンポーネントを選択します。

XenDesktop

-XenApp

7)「XenApp役割のサブコンポーネントの選択」でインストールするサブコンポーネントがあれば、ここで指定します。

8)「必須要件の確認」でこれから行なわれる作業一覧を確認してください。選んだコンポーネントによって自動的に必要なソフトウェア、設定が行なわれます。「次へ」ボタンを押します。

XenDesktop

9)「インストールの開始」画面で「インストール」ボタンを押すと、XenAppのインストールの事前準備が始まります。

XenDesktop

10)インストール完了まで何度か再起動してウィザードを実行する必要があります。画面の指示に従ってインストールを行なってください。再起動後、「Citrix XenAppサーバーの役割マネージャー」が表示されますので「インストールの再開」リンクをクリックしてください。引き続きコンポーネントのインストールが行なわれます。

XenDesktop

11)事前準備が終わるといよいよXenApp本体のインストールです。「インストールの開始」画面で「インストール」ボタンを押すと、XenAppのインストールが始まります。

XenDesktop

12)インストールが終わったら「完了」ボタンを押してください。

XenDesktop

■XenAppの構成

XenAppインストール後、XenAppの構成を行ないましょう。
XenAppによるアプリケーションの仮想化環境が利用可能になるまであと一息です!

XenAppの構成を行なうには「Citrix XenAppサーバーの管理マネージャー」の「サーバー構成タスク」をそれぞれ実施します。まずは「ライセンスの設定」を行ないましょう。

◆XenAppライセンスの設定

1)「ライセンス構成」画面でライセンスサーバーの場所を以下のように指定します。

XenDesktop

ライセンスサーバー名:172.18.5.21
ライセンスサーバーのポート:27000(変更しない)

2)入力後、「接続のテスト」ボタンを押して正しくライセンスサーバーと通信できることを確認してください。
「次へ」ボタンを押して次に進みます。

3)「ライセンスモデルの選択」でXenAppのライセンスモデルを決定して「適用」ボタンを押します。
通常この設定では、ライセンスサーバー上で見つかった適切なライセンスが自動的に選択されます。

XenDesktop

これで「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」によるサーバー構成タスク「ライセンスの設定」が終了します。

◆XenAppの構成

正しいライセンスを割り当てたら、次にXenAppの環境を構成しましょう。

1)サーバー管理タスク「XenApp」のくくりの「構成」リンクをクリックします。

XenDesktop

2)「XenApp サーバー構成 実行するタスクの選択」画面が表示されます。「新しいサーバーファームを作成する」を選択してください。

XenDesktop

3)作成する「新しいサーバーファームの基本情報」を入力します。
ここでは以下のように入力します。

XenDesktop

新規サーバーファーム名:XenApp65
最初のCitrix管理者名:XENDESKTOP¥Administrator

4)「新しいサーバーファームで使用するデータベースを選択」する画面が表示されます。今回は「新規データベース」をクリックして「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

5)Windows資格情報の入力画面が表示されます。Active Directoryの管理者のユーザー名とパスワードを入力します。

6)「データベースの資格情報を入力して接続をテスト」を行います。「次へ」ボタンをクリックします。

7)「シャドウ機能の設定」を行います。「このサーバー上のユーザーセッションのシャドウを許可する」のまま、「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

8)「サーバーの詳細設定」画面が表示されます。ここでの設定変更は必須ではありませんので、デフォルト設定のまま、「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

9)「設定の適用」画面が表示され、これまで設定した設定の確認画面が表示されます。設定を確認して問題なければ「適用」ボタンをクリックします。

10)Microsoft SQL Server Express EditionのインストールとXenAppの設定が行われます。終了後「完了」ボタンをクリックして、サーバーを再起動してください。

これで「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」によるサーバー構成タスク「XenAppの構成」が終了します。

◆Web Interfaceの構成

最後に「Web Interface」を設定します。今回のガイドではDDCサーバー上にXenDesktop管理環境とWeb Interfaceをインストールしていますので、このWeb InterfaceからXenAppで公開するアプリケーションにアクセスできるように設定しましょう。

1)まず、DDCサーバーにログインして、「Desktop Studio」を起動してください。

XenDesktop

2)「Desktop Studio」左サイドメニュー「Access→Citrix Web Interface→XenApp Webサイト」を選びます。

XenDesktop

3)「Desktop Studio」右サイドバーの「操作」から「Internal Site – 設定の変更」の「サーバーファーム」をクリックします。

XenDesktop

4)「サーバーファームの管理 – Internal Site」が表示されますので、「追加」ボタンをクリックします。

5)「サーバーファームの追加」が表示されますので、以下の設定を追加して[OK]を押します。

ファーム名:XenApp65
サーバー:xenapp65.xendesktop.example.com

「Citrix Web Interface→XenApp Servicesサイト」にも同様の設定を行なっておきましょう。
これで「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」によるサーバー構成タスク「Web Interfaceの構成」は終了です。

◆App CenterによるXenAppの構成

DDCサーバーの「Web Interface」の設定が終わったら、「XenAppのサーバー」のコンソールに戻って作業を続行してください。App Centerを実行して、XenAppインストール時に作成したファームの検出を行います。

1)App Centerを起動する毎にメッセージが表示されます。ここでは必ず「Authenticode署名チェックを有効にする」を選択してください。

2)初回起動をするとApp Centerの検出ウィザードが表示されます。「次へ」ボタンをクリックします。

3)「製品またはコンポーネントの選択」画面が表示されます。XenAppのみチェックを入れて「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

Citrixリソース
XenApp オン
Single Sign-On オフ

4)「サーバーの選択」で「ローカルコンピュータを追加」ボタンをクリックして「XenApp65」サーバーを追加します。
「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

「検出のプレビュー」が表示されます。設定内容を確認して「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

検出を開始します。
設定に問題がなければ「完了]ボタンをクリックしてアプリケーションの公開設定を行います。
設定に問題があれば下にエラー内容が表示されますので、その指示に従って対応してください。

◆ワーカーグループの作成

XenApp 6.0以降のバージョンでは、それ以前のバージョンにはなかった「ワーカーグループ」という概念が追加されています。ワーカーグループに作成したOUを登録して組織単位毎に任意の公開アプリケーションを使用許可します。それではワーカーグループ「XenApp6.5-ogin」に対して、組織単位(XENDESKTOP)を登録してみましょう。

「ワーカーグループ→右クリック→ワーカーグループの作成」

「ワーカーグループのプロパティ」が表示されるので、名前と説明に、作成するワーカーグループを識別できる情報を入力する。

「追加」ボタンをクリックします。「組織単位の検索」ウインドウが表示されるので、「名前」に組織単位(OU)を入力します。このガイドではXENDESKTOPという組織単位を作成してユーザーを登録しているため、XENDESKTOPと入力して「検索開始」ボタンをクリックします。

検索結果に「XENDESKTOP」というOUが見つかります。「OK」ボタンをクリックして、ワーカーグループにOUを登録します。複数のOUを登録する場合はこれを繰り返します。

「ワーカーグループのプロパティ」に登録したOUが追加されているのを確認します。

「ワーカーグループのプロパティ」のディレクトリの選択で「ファームサーバー」を選択して「追加」ボタンをクリックします。

「サーバーの選択」画面でXenAppのインストール時に作成したファーム(XenApp65)が表示されます。ファームを選択して「追加」ボタンをクリックします。選択した項目にファームとサーバーの場所が追加されていることを確認して「OK」ボタンをクリックします。

「ワーカーグループのプロパティ」に登録したファームサーバーが追加されているのを確認して、「OK」ボタンをクリックします。

◆アプリケーションの公開

次に、アプリケーションの公開設定を行い、Web Interfaceからアプリケーションを起動できるように設定しましょう。
このガイドでは例として「ペイント」を公開アプリケーションにする流れを説明します。ガイドの手順に従って、そのほかのアプリケーションを公開してみてください。

1)「App Center」を起動します。

XenDesktop

2)「App Center」左サイドメニューから「XenApp→XenApp65」ファームをクリックして展開します。

3)XenApp65内の「アプリケーション」フォルダで「右クリック→アプリケーションの公開」を選択します。

4)「XenApp アプリケーションの公開ウィザード」が表示されます。[次へ]をクリックします。

XenDesktop

5)アプリケーションの表示名とアプリケーションの説明を入力します。
ここで入力した説明は、Web Interfaceに表示されます。アプリケーションを識別しやすい名前を入力しましょう。

XenDesktop

表示名:絵描きツール
アプリケーションの説明:XenAppで公開した初めてのアプリ「ペイント」です。

6)「絵描きツール」を選択したときに実行する「アプリケーションの種類」を選択します。「インストール済みアプリケーションをサーバーで実行する」ように設定して「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

7)「絵描きツール」がインストールされている「アプリケーションの場所」を入力します。
「コマンドライン」にアプリケーションがインストールしている場所を選択してください。「作業フォルダ」はアプリケーションの場所を指定すると自動的に設定されます。「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

Windows Server 2008 R2では、ペイントは以下のパスにあります。
C:Windowssystem32mspaint.exe

8)「サーバー」画面で「追加」ボタンを押して、アプリケーション「絵描きツール」を配信するサーバーを追加します。

XenDesktop

9)「追加」ボタンを押すと「サーバーの選択」ウインドウが表示されますので、「ワーカーグループ」をダブルクリックします。

XenDesktop

10)前の手順で作成したワーカーグループ「XenApp6.5-ogin」をダブルクリックして「選択した項目」に追加したら「OK」ボタンを押します。

XenDesktop

XenDesktop

11)「絵描きツール」はワーカーグループ「XenApp6.5-ogin」上で実行するように設定できました。「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

12)「ユーザーまたはグループの選択」で公開アプリケーションの実行を許可するユーザーを設定します。今回は以下のユーザーを許可します。

XenDesktop

設定されているユーザーの接続のみを許可する

設定済みユーザー:
XENDESKTOPuser

これにより、XENDESKTOPドメインのuserのみがWeb Interfaceへログインして公開アプリケーションを実行できるようになります。必要に応じて他のユーザーを追加してください。

13)ショートカットとアイコンの設定を行います。必要に応じてそのほかの設定を行なってください。「クライアントのデスクトップにショートカットを追加する」をクリックして選択したら「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

14)すべて設定を終えたら「完了」ボタンをクリックします。引き続き詳細設定を行うこともできます。

15)設定が終わると以下のように公開設定したアプリケーションがコンソールに登録されます。

XenDesktop

これで「App Center」によるXenAppの構成は終了です。

◆レジストリの確認と変更

XenApp 6.5は環境により、リモートログインできないことがあるようです。

XenApp 6.5 Constantly Prohibits Logons
http://forums.citrix.com/thread.jspa?threadID=293676&start=0&tstart=0

XenAppサーバーでコマンドプロンプトを起動して qfarm /loadとコマンドを実行してください。
ログオンモードが「ログオン禁止」と出た場合、この問題に該当します。

「ログイン禁止」の設定のまま公開アプリケーションを実行しようとすると、XenAppを実行するサーバーでイベントID:10001とイベントID:30107がイベントログに記録されて、公開アプリケーションが起動しません。

先のフォーラムに報告されているように、XenAppサーバーのレジストリ値を確認して、設定を変更してください。
なお、この変更はXenAppサーバーのみ変更してください。そのほかのサーバーは変更する必要はありません。

HKEY_LOCAL_MACHINESYSTEMCurrentControlSetControlTerminal ServerfDenyTSConnections

初期値:1
変更する値:0

これによりXenAppの公開アプリケーションにアクセスできるようになります。

◆動作確認

ガイドに従いインストールしたのであれば、ブラウザでXenDesktopのVDI環境にアクセスできるはずです。

URL: http://ddc.xendesktop.example.com/
ユーザー名: user
パスワード: ADのユーザー追加時に設定したパスワード
ドメイン: xendesktop.example.com

「デスクトップ」と「アプリケーション」タブが表示されるようになりました。「デスクトップ」はVDI環境にアクセスするためのアイコンが表示されており、「アプリケーション」は公開アプリケーションにアクセスするためのアイコンが表示されます。

ログインしたら公開したアプリケーションをクリックしてアプリケーションを起動してみましょう。
「アプリケーション」タブをクリックして、「絵描きツール」アイコンをクリックしてください。

XenDesktop

例図のように、ペイントが起動したでしょうか?

XenDesktop

■XenAppで公開したアプリケーションをVDIで利用する

「XenDesktopはXenAppとXenDesktop VDIの組み合わせによって成り立つ」と、第一回目の連載記事でご紹介したのを覚えていますでしょうか?今回のガイドの最後に、「XenAppで公開したアプリケーションをVDIで利用する」方法を説明いたします。

XenDesktop 5.6ではVDAエージェントをVDI環境にインストールする際にCitrix Receiverもインストールしています。
このCitrix ReceiverにXenAppの情報を登録することで、公開アプリケーションをVDI環境上のデスクトップやスタートメニューに追加できます。

これにより、VDIデスクトップユーザーはローカルアプリケーション、オンラインアプリケーションなどを意識することなく、アプリケーションを実行可能になるわけです。早速設定を行なってみましょう。

1)まず、VDI環境にアクセスしてください。通知領域の「Citrix Receiver」を「右クリック→基本設定」を開きます。

XenDesktop

2)「基本設定」メニューの「プラグインの状態」を選びます。

XenDesktop

3)「Online Plug-in」を「右クリック→サーバーの変更」をクリックします。

XenDesktop

4)サーバーアドレスに以下のように入力して「更新」ボタンを押します。

XenDesktop

5)もう一度「基本設定」メニューの「プラグインの状態」に戻ります。

XenDesktop

6)「Online Plug-in」を「右クリック→アプリケーションの更新」をクリックします。

XenDesktop

7)これで指定した場所にXenAppの公開アプリケーションのアイコンが配置されます。

XenDesktop

8)VDI環境上からアプリケーションを起動してみましょう。

XenDesktop

まるでVDI上にインストールされているアプリケーションを実行しているかのようにアプリケーションが起動しました。今回はペイントを使ってVDI上にオンラインによるアプリケーション配信を行ないましたが、XenApp上で動作するアプリであれば同じ手順でアプリケーションを使わせることができます。

たとえば、販売担当がログインすると、デスクトップに販売用のアプリが、仕入担当がログインすると在庫管理用のアプリが表示されるなどといったことが可能になるわけです。

◆コラム
XenAppの公開アプリケーションのアイコンがVDI環境で登録されない
XenAppで公開したアプリケーションが先の設定を行なってもアイコンが追加されない場合は、以下の設定を今一度確認してみてください。

1)「XenApp公開アプリケーション」で「ショートカットの表示設定」を適切に行なっているか

これまでのガイドに従って公開したアプリケーション「絵描きツール」を例にとって説明します。
「絵描きツール」のプロパティ画面を開き、「基本設定→ショートカットの表示」を開きます。

この画面に「アプリケーションのショートカットの追加先」という設定がありますので、適切に設定します。

例)VDIデスクトップにショートカットを配置する

XenDesktop

2)「Web Interface」で「XenApp Services サイト」に「XenApp」のファームを登録したか

「Web Interface」の「XenApp Services サイト」を開き、「XenApp」のファームを登録しておく必要があります。
このガイドの例ではXenApp65、サーバーxenapp65.xendesktop.example.comというファーム)を登録していることを今一度確認してください。

XenDesktop