XenDesktop/XenAppで始めるデスクトップ仮想化入門(第4回)

第4回 Citrix XenApp 環境の構築

前回はDesktop Delivery Controllerを導入して、Web Interfaceから仮想デスクトップ環境を利用できるようにしました。しかし、XenDesktopはアプリケーションの仮想化を担う、XenAppと組み合わせて使う事でその真価を発揮できます。

最新版のXenApp 6をインストールしてみましょう。

XenApp 6のインストール

これまで構築してきたVDI環境に「アプリケーションの仮想化」機能を追加するため、最新版のXenApp 6をインストールします。
今回評価目的で利用したXenDesktop Enterpriseは、XenApp Enterpriseのライセンスが含まれております。今回はXenAppのみインストールします。

インストール後、DDCサーバーのWeb Interfaceに「xenapp6」サーバーを登録して、ddc.example.comにアクセスしたときにXenDesktopで許可したVDI環境と、XenAppで許可した公開アプリケーションをアクセスできるように構築します。

なお、今回インストールするXenApp 6はWindows Server 2008 R2に対応した製品であり、前バージョンのようにインストール中に各種設定をする必要がないため、以前の製品と比べてインストール方法がシンプルで分かりやすくなりました。
また、必要なコンポーネントは自動的にインストールされるため、事前にコンポーネントを追加しておく必要がありません。

それでは早速XenAppをインストールしてみましょう。

XenAppのインストール手順

  1. XenApp 6のインストールディスクを入れて、インストーラを起動します。
  2. .NET Framework 3.5 Service Pack 1がインストール済みでない場合はウィザードに従ってインストールできます。デスクトップ仮想化 XenApp 6のインストール
  3. 「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」画面が表示されます。{サーバーの役割の追加}をクリックします。
  4. 「Citrix XenApp サーバーの役割」画面が表示されます。まず、XenAppのエディションを選択してください。
    すでにDDCのインストールが済んでいると思います。ライセンスコンソールを開き、XenAppのどのエディションのライセンスがあるか確認してください。今回はEnterprise Editionを選択します。
  5. 「ライセンス契約書」が表示されます。ライセンスを読み、同意する事でインストールを続行できます。
  6. 「XenAppの役割の選択」画面では導入するコンポーネントを選択します。今回はすでにライセンスサーバーが導入されており、Web InterfaceもDDCサーバー上で動作しているため、XenAppコンポーネントのインストールのみ選択して[次へ]をクリックします。デスクトップ仮想化 XenAppの役割の選択
  7. 「役割のサブコンポーネントの選択」画面が表示されます。前の画面で選択したコンポーネントのサブコンポーネントを選択します。
  8. 「必須条件の確認」画面が表示されます。選択したコンポーネントの導入に必要な他社ソフトウェアが表示されます。[次へ]をクリックするとXenAppコンポーネントと必要な他社ソフトウェアのインストールに移ります。
  9. 「インストールの開始」画面が表示されます。これからインストールされるコンポーネントと他社ソフトウェアを確認して[インストール]をクリックしてください。
  10. インストール中、複数回再起動を要求されます。
  11. 再起動後「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」画面が表示されます。{サーバー構成タスク}に表示されているように指示に従ってインストールを進めてください。

XenAppの設定

  1. インストールの工程が終わると、「Citrix XenApp サーバーの役割マネージャー」の{サーバー構成タスク}の表示が{構成}に変わります。クリックして設定を開始します。デスクトップ仮想化 Citrix XenAppの設定
  2. 「XenApp サーバー構成 実行するタスクの選択」画面が表示されます。{新しいサーバーファームを作成する}を選択してください。
    注意:すでに別バージョンのXenAppをインストール済みの場合、この選択画面では必ず{新しいサーバーファームを作成する}を選択してください。デスクトップ仮想化 ライセンスサーバーの情報の入力
  3. 「ライセンスサーバーの情報の入力」画面が表示されます。今回はDDCサーバー上でライセンスサーバーが導入されているのを前提に構築していますので、以下の通り設定を行います。●既存のライセンスサーバーを使用する
    ライセンスサーバー名:DDC
    デフォルトのポートを使用する
    ライセンスサーバーポート: 27000
  4. 「新しいサーバーファームで使用するデータベースを選択」する画面が表示されます。今回は{新規データベース}をクリックして[次へ]をクリックします。
  5. 「サーバーファームの基本情報の入力」画面が表示されます。ファーム名とCitrix管理者名を設定して[次へ]をクリックします。
  6. Windows資格情報の入力画面が表示されます。Active Directoryの管理者のユーザー名とパスワードを入力します。デスクトップ仮想化 Windows資格情報の入力画面
  7. 「データベースの資格情報を入力して接続をテスト」を行います。[次へ]をクリックします。
  8. 「シャドウ機能の設定」を行います。{このサーバー上のユーザーセッションのシャドウを許可する}のまま、[次へ]をクリックします。
  9. 「サーバーの詳細設定」画面が表示されます。ここでの設定変更は必須ではありませんので、デフォルト設定のまま、[次へ]をクリックします。
  10. 「設定の適用」画面が表示され、これまで設定した設定の確認画面が表示されます。設定を確認して問題なければ[適用]をクリックします。
  11. Microsoft SQL Server Express EditionのインストールとXenAppの設定が行われます。終了後[完了]をクリックして、サーバーを再起動してください。

XenAppをWeb Interfaceに登録

XenAppをインストール後、Web Interface経由でユーザーが公開アプリケーションにアクセス出来るようにするため、DDCサーバーにアクセスして「Citrix Web Interface Management」を使い、XenAppのインストール時に作成したサーバーファームを追加してください。

  1. DDCサーバーのCitrix Web Interface Managementを起動します。
  2. Webサイトを開き、右ペインの設定メニューの中から{サーバーファーム}をクリックします。デスクトップ仮想化 XenAppをWeb Interfaceに登録
  3. 「サーバーファームの管理 – 内部サイト」が表示されますので、[追加]をクリックします。
  4. 「サーバーファームの追加」が表示されますので、以下の設定を追加して[OK]を押します。

XenApp デリバリーサービスコンソールの検出

デリバリーサービスコンソールを行い、XenAppインストール時に作成したファームの検出を行います。
デリバリーサービスコンソールを起動する際、以下のようなメッセージが表示されます。{Authenticode署名チェックを有効にする}をクリックします。

デスクトップ仮想化

XenAppデリバリーサービスコンソールの検出

 

  1. 初回起動をするとデリバリーサービスコンソールの検出の検出ウィザードが表示されます。[次へ]をクリックします。
  2. 「製品またはコンポーネントの選択」画面が表示されます。XenAppのみチェックを入れて[次へ]をクリックします。
  3. 「サーバーの選択」で[ローカルコンピュータを追加]をクリックしてXENAPP6サーバーを追加して[次へ]をクリックします。デスクトップ仮想化 デリバリーサービスコンソールの検出の検出ウィザード
  4. 「検出のプレビュー」が表示されます。設定内容を確認して[次へ]をクリックします。
  5. 検出が開始します。
    設定に問題がなければ[完了]をクリックしてアプリケーションの公開設定を行います。
    設定に問題があれば下にエラー内容が表示されますのでその指示に従って対応してください。

アプリケーションの公開

次に、アプリケーションの公開設定を行い、Web Interfaceからアプリケーションを起動できるように設定しましょう。

  1. 右ペインツリーの[XenApp- XAFarm]をクリックして展開し、アプリケーションフォルダを[右クリック – アプリケーションの公開]を選択します。デスクトップ仮想化 アプリケーションの公開
  2. 「XenApp アプリケーションの公開ウィザード」が表示されます。[次へ]をクリックします。
  3. アプリケーションの表示名とアプリケーションの説明を入力します。
  4. 「アプリケーションの種類」を選択します。「インストール済みアプリケーションをサーバーで実行する」ように設定して[次へ]をクリックします。
  5. 「アプリケーションの場所」を入力します。{コマンドライン}にアプリケーションがインストールしている場所を選択してください。{作業フォルダ}はアプリケーションの場所を指定すると自動的に設定されます。[次へ]をクリックします。
  6. 前の手順で設定したアプリケーションを実行するサーバーを設定します。[次へ]をクリックします。
  7. 「ユーザーまたはグループの選択」で公開アプリケーションの実行を許可するユーザーを設定します。今回は以下のユーザーを許可します。  DDCuser1これにより、DDCというOUに属しているuser1のみがWeb Interfaceへログインして公開アプリケーションを実行できるようになります。
  8. ショートカットとアイコンの設定を行います。デフォルト設定のまま[次へ]をクリックします。
  9. すべて設定を終えたら[完了]をクリックします。引き続き詳細設定を行うこともできます。

設定が終わると以下のように公開設定したアプリケーションがコンソールに登録されます。

動作確認

ガイドに従いインストールしたのであれば、以下のURLを入力することでXenDesktopのVDI環境にアクセスできるはずです。

URL: http://ddc.example.com/Citrix/DesktopWeb/
ユーザー名: user1
パスワード: ADのユーザー追加時に設定したパスワード
ドメイン: example.com

ログインしたら公開したアプリケーションをクリックしてアプリケーションを起動してみましょう。

デスクトップ仮想化

動作確認

仮想化されたメモ帳が起動し、いつもの操作と変わりなく利用できることを確認します。