これだけはおさえておきたい最新版Citrix® XenDesktop® 5.5

新機能のポイントをわかりやすく解説

Citrix XenDesktop 5.0の国内出荷から約1年が経過し、デスクトップ仮想化元年ともいうべき本年、企業への導入が加速しています。そして、シトリックス社から最新版のデスクトップ仮想化を実現するCitrix XenDesktop 5.5が2011年9月に発表されました。また、同時にXenDesktopの主要コンポーネントであるXenApp™ 6.0も XenApp 6.5へ、XenClient 1もXenClient 2へと同時に進化を遂げました。
この最新版のデスクトップ仮想化製品であるXenDesktop 5.5が、どのような進化を遂げ、どのように私たちに貢献してくれるのか、ポイントをご紹介します。

今回の新版では、数多くの機能強化および機能追加が行われていますが、主に強化されたポイントは、ユーザビリティおよびパーソナライズです。特にアプリケーションの高速起動や音声やビデオ、ビデオ会議などのリアルタイムコラボレーションがかつてないレベルで高速化されています。

それでは早速、具体的にご紹介していきましょう。

より高速になったHDX

ご存じのとおり、シトリックスではサーバーサイドにあるXenDesktopからデスクトップイメージをデバイスへ配信する技術としてCitrix® HDX™を提供しています。このHDXが150以上の機能追加や強化が行われており大きく拡張されています。今までもXenDesktopのパフォーマンスは群を抜いて良かったわけですが、さらなる改良を加えたことにより、LAN環境、WAN環境越しにユーザーへデスクトップイメージを今まで以上に高速に配信されるようになりました。これにより、動画や音声、3Dグラフィックスアプリケーションなど非常に高負荷なアプリケーションでも、さらに最大3倍ものパフォーマンス向上が図られ、まるで自身のクライアントで動かしているかのような表現が体感可能です。

では、なぜこのようなパフォーマンス向上ができたのでしょうか?
大きな要因としてHDXの主要技術である画像転送プロトコルICAの新機能「マルチストリームICA」があげられます。「マルチストリームICA」では、アプリケーションストリームを4つに分割し、それぞれにアプリケーションを割り当てて、優先付けができるようになりました。また、音声はさらに別ストリームとしてデバイスへ配信されるようになっています。従来は、どのようなクライアントからの要求に対しても帯域を大きく利用するアーキテクチャーでしたが、細かくそれを分割しさらにはユーザー要求した要素により優先順位付けを行ったうえで配信するため、よりインテリジェントな配信プロトコルになったわけです。

XenDesktop
図1:マルチストリームICA

それ以外にも、3Dアプリケーションや動画のための拡張機能も搭載されています。
クライアントからサーバーへ接続する際には、LANやWAN、遅い回線、速い回線などさまざまな環境が存在するのは言うまでもありません。しかし今までは、帯域に応じた動画の品質制御は自動では行われていませんでした。今回のバージョンから解像度やフレームレートをネットワーク環境に応じて自動的に最適化する機能が搭載されました。さらに、Flashなどのレンダリングをクライアントで扱う機能やWebcam圧縮技術の追加、サーバーサイドのGPUのプロセス間での共有利用などにより、Windows Aeroも快適に動作可能なだけでなく、音声や映像、画像に関する様々な取組み強化により更なるパフォーマンスを提供しています。
これらは、ユーザーにとってメリットがあるのは当然ですが、IT投資という側面ではサーバーやネットワーク環境をより効率的に利用するアーキテクチャーによりコストが抑えられるというメリットもあります。

すぐに使える高速アプリケーション起動

また、あらゆる事象を高速化させるためにHDXの強化のみならず、さまざまな高速化技術が取り込まれています。特にユーザーニーズの多いリモートからのアプリケーションの起動に要する時間のためにXenDesktop 5.5ではアーキテクチャーを強化しています。従来、接続と同時にXenAppセッションを起動しアプリケーションを配信していたのですが、XenAppセッションをあらかじめ起動しておくことによりアプリケーションの起動に要する時間を短縮可能になりました。さらには、ストリーミング配信されたアプリケーションをキャッシュしておくことにより、再接続しなくて済むように改良されています。これらの新しいアーキテクチャーによりアプリケーションを高速起動することが可能になりました。

 

あらたなアーキテクチャーで管理性とコスト削減を実現

Personal vDiskという機能が今回のバージョンから提供されることになります。
このPersonal vDiskですが、ユーザーのデスクトップ環境(アプリケーション、データ、設定など)をオペレーティングシステムから分離してカプセル化し、これらを管理する技術です。

これまでのパーソナライズされたデスクトップ仮想化を実現する方法は、クライアントからの接続と同時に各ユーザー専用に仮想マシンを割り当てる方法がありました。当然ながら個々の環境分だけ仮想マシンを割り当てる必要がありサーバーのリソースを使うことになります。これを避けるために共通アプリケーションしか使わないコールセンターなどのタスクワーカーなどには、プールされたデスクトップイメージを共通利用させることによりサーバーリソースを極力使わない設計をしていました。

XenDesktop
図2:今までのVDI導入パターン

今回の「Personal vDisk」の登場により、各ユーザー専用の「仮想ディスク」を用意し、これを個別のアプリケーションやデータ領域を確保します。そして1つのマスターイメージを使いながらも、ユーザー専用の「仮想ディスク」を適用することによりサーバーリソースを使わずにパーソナライズが可能になったのです。

つまり、今まで個人専用のデスクトップ仮想化環境を用意する場合には、ユーザー満足度に比例してコストも高くなっていたのに対して、共通の仮想環境を用意するプール型は、コストメリットはありますが使い勝手が良くなかったのです。今回、Personal vDiskにより両方のいいとこ取りに成功し、サーバーリソースの利用を大幅に削減しつつもユーザー専用の環境を用意することが出来るようになったのです。

XenDesktop
図3:Personal vDisk

Citrix Receiverの進化

Citrix Receiverは、ご存じの通りXenDesktopへアクセスする際にクライアント側にインストールするソフトウェアです。このReceiverも大幅に強化されています。最新版ではWindows環境からのアクセスで約3倍近くパフォーマンスが向上しているだけでなく、Google CromeOSやHTML5、最新Linuxデバイス対応など実に10億以上のデバイスからXenDesktopを利用可能になりました。

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図4:あらゆるデバイスに対応

XenClient 2.0は何が良くなったのか?

今回のバージョンアップと平行しXenClientも2.0へと進化しています。
ハードウェアの互換性に関しては5メーカー53機種へと実に3倍以上の対応数になりました。またグラフィックスに関しても、第2世代インテル Coreプロセッサーで提供されるインテル® HD グラフィックスへのサポートを拡張し、AMDのGPUであるFirePro™およびRadeon™シリーズなどをサポートしています。また、使い勝手に関しても新たなCitrix Receiver for XenClientは、ユーザーにハイパーバイザーの画面を一切見せることなく、仮想デスクトップを使用することが可能になりました。これにより、まるで手元で動いているかのように直感的に利用可能になります。

まとめ

今回の機能拡張では、HDXなどの強化による徹底的なユーザビリティ強化とPersonal vDiskなどの新しいアーキテクチャーによる顧客要求への対応、管理の容易さ、コスト削減など数多くの強化が行われています。Personal vDiskは全てのエディションで利用可能とのことです。さらに進化したXenDesktop 5.5に大いに期待できそうです。