XenDesktopのインストールと設定

VMware ESXi + XenDesktopで始めるデスクトップ仮想化入門(第3回)

 

前回はデスクトップ仮想化やアプリケーションの仮想化についてと、XenServerのインストール、Active Directoryの構築までを解説しました。今回はいよいよ、XenDesktopのインストールに入っていきます。

 

■今回構築する環境について

今回作成する環境について説明します。
XenDesktopはデスクトップの仮想化を実現するためのソリューションです。今回のガイドではVMware vSphere Hypervisor上に構築したWindows 7をXenDesktop Controller経由で利用するための環境を作成します。

仮想デスクトップとして使うWindows 7は、あらかじめVirtual Desktop Agent(以降VDA)をインストールしておく必要があります。

XenDesktop ControllerをインストールしたサーバーでDesktop Studioを実行してVDAをインストールした仮想デスクトップをDesktop Studioで構成します。

なお、このガイドでは以下の通り各種サーバーを略称表記しています。

・ADサーバー
Active Directoryを構築するサーバー

コンピューター名:ad

Active Directoryドメイン名:xendesktop.example.com

・DDCサーバー
XenDesktop Controllerを構築するサーバー

コンピューター名:ddc

・PVSサーバー
Provisioning Servicesを構築するサーバー
コンピューター名:pvs

・XenApp
XenApp 6.5を構築するサーバー
コンピューター名:xenapp65

 

■XenDesktop 環境の構築

デスクトップの仮想化「XenDesktop」環境の構築を行ないましょう。
下記手順に従って環境を構築していきましょう。

1. XenDesktop Controllerインストール前に必要なコンポーネントと諸注意

まず、DDCサーバーにXenDesktop Controllerをインストールします。

XenDesktop Controllerを実行するためには、.Net Framework 3.5 SP1以降のバージョンがあらかじめ導入されている必要があります。
これ以外のコンポーネントについては必要に応じて、XenDesktop Controllerのインストール時に自動的にインストールされます。

Windows Server 2008 R2以降のバージョンであれば、「サーバーマネージャー→機能」から.Net Framework 3.5 SP1よりも新しい.Net Framework 3.5.1を追加できます。

本ガイドではXenDesktopの関連コンポーネントのインストール時はドメインの管理者(XENDESKTOP¥Administrator)としてログインした状態で行なうことを想定しています。

2. XenDesktop Controllerのシステム要件

XenDesktop Controllerをインストールするサーバー(以下DDCサーバーと表記)は以下のOSが実行されている必要があります。

・Windows Server 2008 StandardまたはEnterprise Edition(32または64ビット)Service Pack 2
・Windows Server 2008 R2 StandardまたはEnterprise Edition(64ビットのみ)

※現在のバージョンのXenDesktop Controllerは、Windows Server 2008 R2 Service Pack1環境では正常に動作しませんのでご注意ください。

最新の情報は以下のドキュメントをご覧ください。

http://support.citrix.com/proddocs/topic/xendesktop-ibi/nl/ja/cds-sys-reqs-controllers-ibi.html?locale=ja

3.XenDesktop Controllerのインストール

XenDesktop Controllerのメディアをセットするとセットアップ画面が表示されます。
下記手順に従ってインストールしていきましょう。

1)「XenDesktopのインストール」をクリックします。

XenDesktop

 

2)「Citrixライセンス契約書」が表示されますのでライセンスを読み、「ライセンス契約に同意します」を選び「次へ」ボタンをクリックします。

3)「コンポーネントの選択」の画面ではすでにすべてのコンポーネントが選択されていますので、そのまま「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

 

・XenDesktop Controller
・Web Access
・Desktop Studio
・Desktop Director
・ライセンスサーバー
・SQL Server Express

4)「概要」でインストールする場所とコンポーネントを確認して、「インストール」ボタンをクリックします。

XenDesktop Controllerのインストールの実行により、XenDesktopの動作に必要なコンポーネントは自動的に組み込まれます。インストールが終わるまで少々を待ちましょう。

5)「インストール完了」と表示されたら、「閉じた後にXenDesktopを構成する」にチェックマークが入っていることを確認して、「閉じる」ボタンを押します。

XenDesktop

 

6)「Citrix Desktop Studio」が起動します。ここでDDCサーバーでの作業は一旦終わります。

 

■ライセンスサーバーの構成

 

◆ライセンスサーバーにブラウザからログイン

適切なライセンスを登録してXenDesktopの機能を利用可能にするため、ブラウザからライセンスサーバーにアクセスしてライセンスファイルを登録しましょう。

このガイドの例では、DDCサーバーにライセンスサーバーをインストールしましたので、以下の手順に従ってDDCサーバーにライセンスファイルを登録します。

1)ブラウザでライセンスサーバーにアクセスします。

例)http://ddc.xendesktop.example.com:8082/

2)サイトの右上の「Administration」ボタンをクリックします。

XenDesktop

 

3)ログインウィンドウが表示されます。以下のように入力して「Submit」ボタンを押します。

User Name: XENDESKTOP¥Administrator(※ドメインの管理者アカウント)
Password: ライセンスサーバー構築時に設定したパスワード
Display Language: Japanese(※ライセンスサーバーのUI言語を決定)

4)正しいIDでログインできると、ライセンスサーバーのシステム情報が表示されます。

XenDesktop

 

5)左のメニューから「ベンダーデーモン設定」をクリックします。

XenDesktop

 

6)「ベンダーデーモン設定」が表示されたら、「インポート」ボタンをクリックして「ライセンスファイルのインポート」画面を表示します。

XenDesktop

 

7)「ローカルマシン上のライセンスファイル」の「参照」ボタンを押して、取得したライセンスファイルを指定し、「インポート」ボタンを押してください。

8)正しくインポートされると「ライセンスファイルが…citrix/licensing/myfiles/xxxx.licにアップロードされました」と表示されます。

XenDesktop

 

9)ライセンスサーバーを再起動して、もう一度ブラウザからWeb Interfaceにアクセスします。

XenDesktop

 

適切なライセンスがライセンスサーバーに登録されます。

3.仮想デスクトップ環境を準備する

今回はまず、XenServer上に作成したWindows7にXenDesktopのVDI機能を使ってアクセスするというシンプルな構成を構築しましょう。これを実現するためにまずは仮想デスクトップ用のWindows 7の環境を準備します。

 

◆Windows7(仮想デスクトップ環境)のインストール

Windows7は通常通りインストールを行ないます。Windows 7のインストール後にWindows Updateを行なうわけですが、その前にVMware ToolsをゲストOSにインストールしてください。VMware Toolsを導入することで、仮想化に適した各種ドライバが組み込まれて、ネットワークやディスクのパフォーマンス、XenCenter上におけるマウスの操作性が向上します。

VMware Toolsを導入するには、vSphere Clientのメニュー「仮想マシン→ゲスト→VMware Toolsのインストール/アップグレード」を実行後、再起動します。

 

◆IPの設定

次に、Windows7(仮想デスクトップ環境)のIP設定を変更して固定IPを割り当てます。

1)「ネットワークと共有センター」を開きます。

XenDesktop

 

2)「ローカルエリア接続」をクリックします。

3)「ローカルエリア接続の状態」ウインドウが表示されたら{動作状況}の「プロパティ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

 

3)「ローカルエリア接続のプロパティ」画面で{インターネットプロトコル バージョン4(TCP/IPv4)}を選択し、ダブルクリックします。

4)「インターネットプロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」画面でIP、DNSなど設定します。

IP: 172.18.5.30
サブネットマスク: 255.255.0.0
デフォルトゲートウェイ: 172.18.5.1
DNS: 172.18.5.12

◆Windows7(仮想デスクトップ環境)をActive Directoryに参加させる

Windows7(仮想デスクトップ環境)をActive Directoryに参加させます。
以下の手順で登録してください。

1)「システムのプロパティ」を開きます。

2)「コンピュータ名」タブをクリックして「変更」ボタンをクリックします。

3)「コンピュータ名/ドメイン名の画面で以下のように設定して「OK」ボタンをクリックします。

XenDesktop

 

コンピューター名:
win7vdi

所属するグループ:
●ドメイン
xendesktop.example.com

4)認証の画面が表示されますので、Active DirectoryのXENDESKTOPというOUに登録したユーザー「win7vdi」のユーザー名パスワードを入力してください。

XenDesktop

 

5)正しいユーザ、パスワードが入力されると「xendesktop.example.com ドメインへようこそ」と表示されます。

6)一旦ゲストOSのWindows7を再起動します。再起動後ドメインにログインできれば設定は正しく行われています。

 

◆仮想デスクトップ環境にVirtual Desktop Agentをインストールする

Active Directoryへの参加ができたら、次に仮想デスクトップ環境にVirtual Desktop Agentをインストールします。

1)XenDesktop 5.6のインストールメディアを挿入するか、XenDesktop 5.6 ISOイメージをマウントしてください。

2)XenDesktopのインストールメニューが自動的に表示されます。
「Virtual Desktop Agentのインストール」を選びます。

XenDesktop

 

3)次に「簡易展開」「カスタムインストール」を選択する画面が表示されます。
ここでは「カスタムインストール」を選びます。

4)「ライセンス規約」が表示されますのでライセンスを読み、「ライセンス契約に同意します」を選び「次へ」ボタンをクリックします。

5)「インストールするVirtual Desktop Agentの選択」画面が表示されます。ここでは「Virtual Desktop Agent」を選び、「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

 

6)「インストールするコンポーネントの選択」ではVirtual Desktop AgentとCitrix Receiverが選択された状態で、「次へ」ボタンをクリックします。 XenApp配信用のURLはXenAppのインストール後設定する必要があるので覚えておいてください。

XenDesktop

 

7)「Personal vDiskの構成」画面が表示されます。vDiskは共用型のPXE OSブートイメージに使われますが、通常はユーザーがそのOSイメージに対して変更を加えることはできません。Personal vDiskはvDiskのPXE OSブートイメージに対して専用の領域を組み合わせて変更を可能にするXenDesktop 5.6で追加された機能です。

XenDesktop

 

今回は「いいえ、Personal vDiskをすぐには有効にしません」を選んでください。

8)「コントローラーの場所」画面が表示されます。今回の手順ではコントローラはDDCサーバーにインストールしていますので、ここには以下のように入力する必要があります。

XenDesktop

 

コントローラーの場所を手動で入力する:
ddc.xendesktop.example.com

入力が終わったら、「チェック」ボタンをクリックしてください。正しく名前解決できれば「全てのコントローラアドレスが解決しました」と表示されます。「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

 

9)「仮想デスクトップの構成」が表示されます。ここで仮想デスクトップに対して様々な設定と最適化が実行されます。実行される概要は以下の通りです。

XenDesktop

 

-ファイアウォールの必要なポートが開放される
-パフォーマンスを最適化するための様々な設定が加えられる
-Windowsリモート管理サービスが有効化される

10)「仮想デスクトップの構成」を行なったら、「次へ」ボタンをクリックします。

11)「概要」画面で、これまでに行なった設定を確認して「インストール」ボタンをクリックします。
「Virtual Desktop Agent」のインストールが始まります。

XenDesktop

 

12)インストールが完了したらWindows7(仮想デスクトップ環境)を再起動してください。
ここでWindows7(仮想デスクトップ環境)での作業は終わります。Windows7はログアウトしてください。

引き続き、「Citrix Desktop Studio」によるXenDesktopの構成作業に移ります。

なお、「Virtual Desktop Agent」(以降VDA)のインストールを行なった際に最適化を実行した場合、いくつかのサービスが無効化されます。この状態ではWindows Updateができません。必要に応じてサービスを有効にしてください。

XenDesktop仮想マシンの最適化については以下のドキュメントを参照してください。

http://support.citrix.com/article/CTX125875

 

■SSL証明書を登録

【注意】vCenter ServerへXenDesktopからアクセスするには、vCenter Serverに認証機関から発行された正規の証明書を登録する必要があります。今回はテスト環境の構築を行なうため、VMware vCenter Serverをインストールする際に組み込まれる自己証明書を使います。

1)vCenterサーバーの「C:¥Program Files¥VMware¥VMware VirtualCenter¥SSL」フォルダを開きます。

XenDesktop

 

2)ファイル「rui」をダブルクリックします。

3)「証明書のプロパティ」が開きますので、「証明書のインストール」ボタンをクリックします。

4)「次へ」ボタンをクリックします。

5)「証明書をすべて次のストアに配置する」をクリックします。

6)「参照」ボタンをクリックします。

7)「物理ストアを表示する」をクリックします。

8)[信頼されたルート証明機関]を展開します。

9)「ローカルコンピュータ」を選択して「OK」ボタンをクリックします。

XenDesktop

 

10)「次へ」ボタンをクリックします。

XenDesktop

 

11)「完了」ボタンをクリックします。

以上で、vCenter Serverに証明書がインポートされる。
ブラウザでvCenter Serverにアクセスするとロケーションバーの警告表示がなくなります。

ただし、これは自己署名証明書を登録しただけに過ぎません。
本番環境の構築では正規に発行したSSL証明書を使うべきであり、この手順を行なうのは適切ではありませんのでご注意ください。

XenDesktop

 

詳細は以下のドキュメントをご覧ください。

http://support.citrix.com/article/CTX127448

◆コラム「スナップショット機能のワナ」ESXiでスナップショットを使えば、設定を間違ったときにすぐ前の環境に戻ることができて便利ですよね。
ところがこの機能を使うとワナが待っています。DDCサーバーでスナップショット機能を使って前の環境に戻ってしまうと、ライセンスサーバーの「ベンダーデーモン」サービスが停止した状態で環境がロールバックされてしまいます。このため、ロールバック後は「License Administration Console」でベンダーデーモンを起動して、DDCサーバーを再起動するまでライセンスサーバーとXenDesktop Contorollerは正常に動作しません。ご注意ください。

この問題に気がつくのに私は2時間ほどかかりました。

次回は、Citrix Desktop StudioによるXenDesktopの構成を行ないます・