[日本アイ・ビー・エム]IBMのデスクトップ・クラウドが提供するスマートかつダイナミックなインフラストラクチャー

日本アイ・ビー・エム株式会社は、環境、エネルギー、食の安全など、地球規模の課題をITの活用により解決し、持続可能でより豊かな社会の実現に向けて”Smarter Planet”という企業ビジョンを提唱しています。このビジョンを実現する要素の一つとして、コストを抑えつつ安全かつインテリジェントなダイナミック・インフラストラクチャーの構築が欠かせないとし、顧客のデスクトップ環境に対して、クラウド・コンピューティング技術の適用に関するサービスを提供しています。そんな同社に、デスクトップ仮想化を中心とした取り組みや考え方などについてお伺いしました。

デスクトップ仮想化

日本アイ・ビー・エム株式会社
GTS ITS事業部 ITSソリューション 第一SOLデザイン・センター 主任 ITアーキテクト
畠中亮氏

仮想化技術を活用したDynamic Infrastructureへの革新

日本アイ・ビー・エム株式会社のGTS ITS事業部 ITSソリューション ITS 第一SOLデザイン・センター 主任 ITアーキテクトの畠中 亮氏は、同社の「IBM Smart Business Desktop Cloudクライアント環境仮想化サービス」のプリセールスとして活動しています。デスクトップ・クラウドの導入計画立案のためのアセスメントから、適用技術・製品の選定などソリューション・デザインを主に担当しております。最近は、地方の案件も増えており、日本全国を駆け回っています。四年程前から現在の業務を担当していますが、この一、二年で大規模な導入事例が報道されるようになり、デスクトップ仮想化に対する問い合わせや引き合いは増えているといいます。
「デスクトップ・クラウドが注目されるようになった背景には、これまでセキュリティ対策の一つとして一般に考えられてきたシンクライアントが、クライアントの仮想化技術に視点が移り、ダイナミックなInfrastructureを実現する大きな可能性を秘めたソリューションとして理解や興味が広がっていることが挙げられると思います。そして、このようなコンセプトだけではなく、特に運用面においてクライアント仮想化製品の機能が充実してきたこと、サーバー・ハードウェアのテクノロジーが大きく進歩してきたことも関係していると考えています。例えば、以前はサーバー1台における仮想デスクトップの集約度も20個程度が限界だったのですが、現在では100や200仮想デスクトップまで設計できるほどサーバーも高性能化しました。ハードウェアのコストも下がっているので、投資対効果も向上してきています。こうしたことから、お客様の多くがデスクトップ・クラウドを現実的なソリューションとして検討していただけるようになったと考えています」

畠中氏の担当している業種は多岐にわたっていますが、以前は金融業のお客様における導入事例が多かった状況が変化し、現在は業種を問わずさまざまなお客様においてデスクトップ仮想化に対する導入検討が加速し、事例も増えてきているといいます。
「我々は、デスクトップ・クラウドのビジネスを単なるクライアント環境のリプレース案件だとは捉えていません。IBMのコーポレート・ビジョンである”Smarter Planet”を実現するための重要な取り組みの一環であると受け止めています。高額で柔軟性を欠くインフラストラクチャーから、仮想化技術を活用したDynamic Infrastructureへ変革していくことで、変化の激しいビジネス環境への対応力を向上させるだけではなく、運用管理を含めたコスト削減やスマートなワークスタイルの実現と、セキュリティ対策などのリスク管理にも貢献できると考えています」と畠中氏はデスクトップ仮想化への取り組みについて説明します。

IBM Smart Business Desktop Cloudが解決する数々の課題

具体的にIBM Smart Business Desktop Cloudというクライアント仮想化技術によるソリューションが、企業のどのような課題を解決していくのか、そのモデルケースについて畠中氏は次のように話します。
「デスクトップ・クラウドでは、コンピュータ資源の集中化により、リソースをプール化し、ユーザーのリクエストに応じて、その都度、未使用の仮想デスクトップをダイナミックに割り当てる機能が提供されます。これにより、これまでユーザーと端末を1:1で紐付け、ユーザー数分の端末を提供していた企業では、同時に利用するユーザー数分のリソースのみデータセンター側に用意すればよいことになります。また、データセンターにデスクトップ環境が集約されているということは、ネットワーク経由のアクセスが可能であれば、どこからでも、家からでも自分の業務を遂行できるという、ワークスタイルの多様化への対応が可能になります。価値観が多様化し、モビリティに優れた端末が家電市場をにぎわせる中、ビジネス・スピードを求められる業務では非常に価値の高いソリューションとなります。さらにデータセンターにおいて、デスクトップの一元管理が可能です。Citrix XenDesktopでも提供されているプロビジョニング機能は、従来のデスクトップ運用のモデルを大きく変え、集中化による管理の効率化を最大限に発揮することが可能です。従来のように端末の電源が入っていないときの管理などを特に考慮することなく、全仮想デスクトップを常に最新の環境に保つなど、セキュリティの向上といった成果につながります。従来の一般的な端末を保有しているお客様では、何らかの課題を抱えていることが多く、デスクトップ・クラウドの価値を感じていただけると思います。台数規模の大きなお客様において、そのメリットは最大化します。実際のクライアント環境の仮想化や統合といった案件は、お客様の規模や業務の内容によって多種多様ですが、我々は個々の案件ごとに最適なソリューション選定とデザイン、導入によりもたらされる価値を提案していくスキルを備えています」

デスクトップ環境の柔軟性や利便性を実現し、運用管理のコスト低減や集中管理によるリスクマネジメントなどの効果を実現するデスクトップ仮想化ですが、実際のソリューション構築においては、システム全体に関する高い設計スキルやデザイン力が求められています。
「一台のPCにクライアントとしての機能が集約されていた環境と比べると、デスクトップ・クラウド環境を構成するためには、クライアント端末のみならず、サーバーとストレージ、ネットワークに仮想化技術などを高度に組み合わせていくシステム設計が求められます。この課題に応えていくために我々は、さまざまなプロジェクトによって培われてきたノウハウとシステムインテグレーション能力をグローバルで共有し利用する体制を整えています。これまでのプロジェクトで蓄積されたノウハウをアセット化することで、新たな案件に対しても最小のリスクで最大の効率や効果を発揮できるようグローバルレベルで設計用のドキュメントなどを用意しています。また、シトリックス社をはじめ、グローバル企業の多い仮想化製品のベンダーと強固なグローバルアライアンスを組んでおり、技術革新の激しい分野だからこそ、最新製品の検証を行ったり、共同でプロジェクト体制を組み、予期せぬリスクへの体制も万全にします。インフラの要となるサーバー部分には、IBM BladeCenterをはじめとするSystem x製品のように、パフォーマンスや可用性に優れたハードウェアも提供できます」と畠中氏はIBMならではのデスクトップ仮想化の実現に向けた強みについて説明します。

IBMでは、デスクトップ仮想化に最適なハードウェア製品の一つとして、IBM eX5という製品を提供しています。IBM eX5は、最新のCPUテクノロジーを用いることで、仮想デスクトップの集約数を飛躍的に向上し、独自開発のメモリー拡張ユニットによってCPUの制限以上のメモリーを搭載して仮想デスクトップのメモリーボトルネックも解消します。段階的な拡張を可能にする高い互換性と安定性に加え、コストパフォーマンスに優れた集約度の高さも実現しています。

Windows 7への更新をきっかけにデスクトップ・クラウドの導入が今後は加速

「数百から数千という台数のクライアントPCを利用している企業にとっては、まだまだWindows 7の全社的な採用は進んでいません。Windows 7ではWindows XPよりも、メモリー容量などのリソースを多く必要とすることから、PCの買い替えを検討しなければならないことや、現行アプリケーションの稼動検証の実施も考慮すると、大手ほど現時点では慎重な状況にあります。リソースに関する課題については、デスクトップ・クラウドによる仮想化環境が有効になります。Windows 7を導入する前に、XenDesktopによるデスクトップ仮想化環境を構築しておけば、クライアント側の物理的なPC性能やリソースなどを考えることなく、システム管理部門の計画に合わせてスムーズなWindows 7への移行も可能になります。ただ、現状ではInternet Explorer 6を前提としたWebアプリケーションのが存在していたり(Windows 7ではInternet Explorer 8が前提)、周辺機器のドライバーがWindows 7に対応していないなどのお客様環境もあります。現行業務の遂行を第一に考えた場合、我々は安易にWindows 7化とともにデスクトップ・クラウドをご提案するのではなく、将来に渡るロードマップの策定へ協力しながら、地に足のついた現実的なご提案を合わせて行っていきます。お客様環境に対する理解とソリューションの提供、それが我々のアプローチです」と畠中氏は語ります。

Windows 7への更新は、デスクトップ環境の仮想化にとって、大きなきっかけになることは確かですが、事前のリスクに対する備えや検討を十分に行うことが、ダイナミックなインフラ環境移行への秘訣だといいます。
日本アイ・ビー・エム株式会社では、グローバル規模のノウハウを背景に、今後もハードもソフトも含めたトータルなデスクトップ・クラウド環境の提案を推進し、デスクトップ仮想化への取り組みを積極的に展開していく考えです。