日立の「UCPかんたんVDIモデル」で仮想デスクトップの構築はどれだけ簡単か

アイティメディアの情シスが検証

 この記事に記載の情報(製品仕様、サービスの内容、発売日、URL等)は、2013年12月現在の情報です。予告なしに変更され、現在と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

※ 本記事は、ITmediaエンタープライズからの転載です。

セキュリティ強化やワークスタイル変革などを目的に、仮想デスクトップ基盤(VDI)の企業導入が広まりつつある。VDI の構築には設計や検証だけでも多くの時間や工数を必要とするが、そうした手間を軽減すべく日立製作所では「UCP かんたんVDI モデル」を提供している。実際にUCP かんたんVDI モデルを活用することで、VDI 構築がどれほど容易になるのか。アイティメディア 管理本部 情報システム部の石野博之に検証してもらった。

UCPかんたんVDIモデルとは?

日立製作所の「Hitachi Unified Compute Platform かんたん VDI モデル(以下、UCP かんたんVDI モデル)」は、VDI 環境の迅速かつ容易な構築を実現すべく、VDI に必要なハードウェアやソフトウェアが事前検証済みの推奨構成によって提供される統合プラットフォーム製品だ。
日立グループでは約8 万ユーザーがVDIを利用しており、企業や自治体などへの導入実績も数多い。UCP かんたんVDI モデルは、こうしたVDI 構築に関する日立の豊富なノウハウや経験を基に開発されたソリューションとなっている。
UCP かんたんVDI モデルでは推奨ユーザー数が10 ユーザーまでの「トライアル」、25 ~ 1250 ユーザーの「スタンダード」、50 ~ 1 万ユーザーの「エンタープライズ」という3 種類の構成が用意されている。仮想PC で利用可能なOS はWindows 7/8 の2 種類。ハードウェアには日立のPC サーバ「HA8000」「BladeSymphony」、仮想化ソフトウェアにVMware vSphereやCitrix XenDesktopを採用する。これに操作や運用に関わるドキュメント、設定値を示す定数設計書が付属し、担当者によるトレーニングやアフターサービスも提供される。
VDI の導入は、まず部門や部署といった小規模なユーザー環境から始めるという企業が多い。そこでUCP かんたんVDI モデルの「トライアル」構成を用い、VDI の構築がどれほど容易になるのかをアイティメディア 管理本部 情報システム部の石野博之が検証した。VDIをこれから導入するという企業にとっても参考になるのではないだろうか。

 

現場作業までの手間を大幅に削減

UCP かんたんVDI モデルがユーザーの現場に搬入されるまでの大まかな流れは、ヒアリング~仮想化環境の構築~ VDI 環境の構築~動作確認という具合だ。ヒアリングでは導入予定の構成や想定する利用環境、ライセンスの手配、セキュリティに関わる仮想PC の操作設定などについてシートに記入するだけ良い。ヒアリングシートを基に日立の工場側でハードウェアやソフトウェアの構成と設定、検証といった作業が行われ、これらが全て済んだ状態で納入される。

ucp_vdi_01アイティメディアに到着した「トライアル」構成の機材一式
ucp_vdi_02「トライアル」構成ではHA8000シリーズ1 台で運用するが、「スタンダード」構成では管理サーバ部分を冗長化、「エンタープライズ」構成ではさらに仮想PC 用サーバも冗長化される
ucp_vdi_03VMware vSphere Client の初期設定画面。事前のヒアリングシートに基づいて仮想マシンのコンピュータ名やIP アドレスも設定された状態で納入される

検証用システムの搬入当日、午後1 時半から日立の担当者が立ち合いながら開梱とキッティング作業を行った。トライアル構成での機材やドキュメント一式の総量は大人が抱えられるほどで非常にコンパクトだ。
まずインストール済みのサーバ側のソフトウェア(VMware vSphere、vCenter、Windows Server 2012、Citrix XenDesktop など)の設定やActive Directory へのドメイン参加などを行う。ここまでの作業に要した時間は約2 時間半(午後4 時)で、次に30 分ほど管理ツールなどについて説明があった。搬入から管理サーバの起動までに要した時間は全体で約3 時間、午後4 時半には納入作業が完了した。
ここまでの流れについて石野は、「通常ならユーザー企業側の担当者が行う一連の作業の大半を事前に行ってくれるので、実際にシステムを稼働させるまでの時間やユーザー側の作業負担を大幅に減らすことができるメリットは非常に大きい」と評価している。
その後、アイティメディア側でクライアント仮想マシン(マスター)へアプリケーション(Office 2013、アンチウイルスソフトなど)のインストールなどの作業を実施した。今回の検証でマスターには評価版を使用しているが、日立ではユーザーの希望に応じて対応も行っているとのことだ。
搬入時の設定はあくまで推奨構成に基づく。ユーザー側の環境に合わせて細部の設定を調整していく必要はあるものの、XenDesktop の設定については日立の豊富な導入実績を基にシンクライアントでの安定動作に最適な設定で納品されるため、「ユーザーがクライアント仮想マシンの設定作業に集中できる点も良い」(石野)という。
また、クライアント仮想マシンで個別に指定を行わない場合は標準構成となっているため、例えば、Windows Update はデフォルトでは無効になっている。社員などのユーザーがWindows Updateを行うというポリシーなら、これを有効に変更するといった具合だ。

シンクライアント端末やユーザーサポートにも配慮

VDI 環境へのアクセスには、通常のノートPC やタブレット、スマートフォンにCitrix Receiverをインストールして行うこともできるが、今回の検証ではVDI 環境に接続する端末に日立のシンクライアント端末「FLORA Se210(RK3)」も用いた。
FLORA Se210(RK3)は13.3 型ワイドの液晶画面を搭載し、OS にWindows Embedded Standard 7を採用したノートPCタイプの端末だ。標準バッテリでも約6 時間の連続駆動が可能であることから、外出時のモバイル環境など安心して業務を継続できる点が特徴となっている。シャットダウン時に初期化されるため、紛失といった万一の際にも不正アクセスや情報漏えいといったリスクを心配しなくても良い点は頼もしい。
UCP かんたんVDI モデルには、VMware vCenter の管理や操作をWebブラウザでリモートから行えるようにするためのプラグインツール「VM SimpleConsole utility」が提供されている。これを使うことで、例えば、障害に関するログを収集し、管理者が手元のWeb ブラウザ上で確認できるほか、電源のスケジュールやアクセスコントロールを仮想マシン単位で設定するといったことも可能だ。
サポートサービスではユーザー専用のWeb ページもしくは電話による問題解決の支援が提供され、Web ページから改良版やさまざまな情報も入手できるようになっている。実際に石野もネットワーク接続やVDI 環境での操作などに関する問い合わせをWeb ページから行ったが、「日立の担当者からメールで迅速な回答をいただけた」とサポートの点も評価する。

ucp_vdi_05FLORA Se210(RK3)。モビリティ環境での業務に十分に耐える性能となっている
ucp_vdi_05日立が独自に提供している「VM Simple Console utility」

UCP かんたんVDI モデルの「トライアル」構成を利用した今回の検証ではシステム構築における時間や人手による作業の手間を大幅に削減できることを確認した。当然ながら、こうした効果は導入規模や運用環境によって大幅に変わってくるが、「一般的にトライアル構成のようなごく小規模な環境でも、ユーザーが自前で行うとなると、現場作業だけでも2 ~ 3 日を要してしまうだろう。それが、推奨構成を活用して事前に検証までを行って搬入してもらえることで、現場での作業がわずか数時間で完了する効果は図りしれない」(石野)とのことだ。
もちろん、より大規模な環境へのVDI の導入やユーザー環境に即したカスタマイズが数多く発生するケースでも、日立製作所では豊富な経験やノウハウを生かしてユーザーをサポートしてくれるだろう。