[クロスコミュニケーションズ]デスクトップ仮想化で理想のワンストップソリューションを目指す

1998年に名古屋市で創業し、2001年からシンクライアントソリューションを中心に、いつでもどこでも安心して使えるコンピュータ環境の提供を目標としてきたクロスコミュニケーションズ株式会社は、コンピュータシステム開発とIP事業を中心に、ビジネスを展開しています。同社の平木社長は、10年以上も前からデスクトップ仮想化をイメージしたソリューション開発に取り組んできた経験を持っています。そんな同社に、デスクトップ仮想化を中心とした取り組みや考え方などについてお伺いしました。

デスクトップ仮想化

クロスコミュニケーションズ株式会社
代表取締役 CEO・CTO
平木 寿氏

2001年からネットワークブートの製品に取り組んできた

クロスコミュニケーションズ株式会社の平木寿代表取締役は、シンクライアントやデスクトップ仮想化への取り組みについて、次のように振り返ります。
「当社は、2001年当時からネットワークブートの製品をメインとしたソリューション構築に取り組んできました。私自身が自動車メーカーの出身ということもあり、ワンストップで利用できる自動車のようなコンピュータを製品化すれば、ビジネスになるのではないかと考えていました。そこで、インテルのeクラスルームのような製品を探してきて、検討した時期もありました。しかし、当時はまだADSLのようなネットワーク回線しかなかったので、コンシューマ市場のような広範囲なターゲットは難しいと考え、教育機関や公共施設などを中心に、ビジネスを展開してきました」

平木氏には、10年以上前からネットブートによる仮想化されたデスクトップ環境を利用することで、いつでもどこでも安心に利用できるコンピュータのイメージがありました。当時は、自社でプロトタイプを開発し、展示会やセミナーでデモンストレーションを公開していたといいます。
「当時からゴールは見えていたのですが、当時の技術やネットワークインフラでは、私たちが希望するパフォーマンスが得られませんでした。そのため、開発したソリューションもなかなか売れるまでには至らなかったものです。しかし、将来的には確実にデスクトップ仮想化の時代が来ると予見していました」と平木氏。

アーデンス社との出会いからデスクトップ仮想化につながる構想を描く

「実は、アーデンス社がシトリックス社と一緒になる2年ほど前に、私は当時のアーデンス社の開発スタッフとボストンの片田舎のレストランで、デスクトップ仮想化の将来像についてディスカッションしたことがあるのです。当時は、そのイメージを実現するために、どのように取り組んでいこうかと、開発者たちと熱心に話し合っていました」と平木氏はデスクトップ仮想化の将来像について取り組んでいた経緯を話します。

名古屋で創業した同社は、その後IT産業の育成に力を入れていた岐阜県のソフトピアジャパンという情報特区に移りました。そこで、産学官の共同によるWAN環境を使ったネットワークブートの実証実験を行い、研究論文をアーデンス社に送るなど、協力関係を結んでいました。
「おそらく、私たちが作成した研究論文がベースになって、アーデンス社ではネットワーク負荷に対するパラメータの設定などを調整していたと思います。いわば、当社は知られざる研究機関のようなものでした。もちろん、そうした取り組みは私たちにとっても意義のあるもので、産学官の共同体制などをきっかけとして、法人企業だけではなく、教育機関や公共施設にも、当社のソリューションが採用されるようになっていきました」と平木氏は同社の発展してきた経緯について振り返ります。

同社の商圏は、東北から沖縄まで日本全域に及びます。ビジネスの基本はパートナー戦略が中心で、大手システムインテグレータなどのパートナー企業と連携しながら、プレセールス段階でのデモンストレーションや、システム構築段階での技術的なフォローなどを同社のスタッフが担当しています。
「当社の拠点は、この大垣市と静岡県の浜松市になります。しかし、ITインフラを活用しているので、スタッフがどんな場所にいても、仕事ができる環境を整えています。VDIの状態なので、どこでも自分の開発環境が使えるだけではなく、決済などの業務も遂行できる環境を整えています。まさに、当社の環境そのものが実験場となっています」と平木氏は、仮想化された環境のメリットについて解説します。

導入コストを半減したデスクトップの仮想化によるソリューション

同社の担当してきたソリューションの中には、デスクトップの仮想化によってシステム全体の導入コストを半減した例もあります。
「これは教育機関での導入事例ですが、デスクトップの仮想化によって教室にあるPCを買い替えることなく、最新のOSを利用できるようにして、同時に先生が学校以外の場所からもリモートアクセスで利用できるセキュアな環境を構築しました。結果的に、ハードウェアの更新コストを削減し、デスクトップOSのライセンス運用を見直したことで、当初予算の半分でシステムを構築できたのです」と平木氏は事例について説明します。

また、既に導入されたXenDesktop環境に関して、同社に相談が持ちかけられるケースもあるといいます。
「当社のベテランスタッフは、10年以上の経験があるので、問題の分析と対応が的確です。そうした背景から、他社がXenDesktopを導入した企業から、直接当社に相談が入った例もあります。そのときは、プロビジョニングサービスの実装が適切ではなく、それが原因でパフォーマンスが出ていませんでした。こうした問題も、特化したスキルを持ったエンジニアによって、最適な解決方法を提案し実装できるのです」と平木氏は同社スタッフのスキルの高さを誇ります。

今後も拡大する仮想デスクトップの市場に大きな期待

「仮想デスクトップの市場は、今後もどんどん広くなっていくと思います。この市場を確実に広げていくためには、ユーザーがクラウド上に個人のデータを保管しても安心だという意識やトレンドを広めていく必要があると考えています。クラウドに対する抵抗感が下がることで、XenDesktopによるデスクトップの仮想環境は、さらに発展していくと期待しています」と平木氏は市場への期待を語ります。

同社では既に、国内だけではなく海外での展開も見据えて、フィリピンに現地法人を設立しサービスの提供に向けた実証実験を行っています。
「実験の目的は、海外の、特に通信インフラの比較的遅れているフィリピンにおいて、通信インフラによってどの程度のパフォーマンスを実現できるかにありますが、その先には、日本の教育コンテンツをはじめ、リスクを軽減して知的資産を輸出できるビジネスモデルの確立を目指しています。フィリピンを選んだ理由は、実証実験に適しているという点、英語の堪能な優秀なエンジニアが低コストで採用できるという点、そして何より将来のビジネス拡大を考えたときのASEAN各国への地の利の良さです。当社の提供するクラウドに参加していただくことで、コンテンツプロバイダーが安全にコンテンツを海外に輸出できる環境を提供していく考えです。また、ASEANにあるクラウドサービス企業との提携も構想しています。」と平木氏は、クラウド環境を見据えたビジネスの将来性についても期待を寄せる。

「当社のビジネスにとっても、XenDesktopは重要な製品です。私たちも製品を使っていく上で、市場の要求や実証実験のデータなどを積極的にシトリックス社に提供したいと考えています。そうしたお客様からの声や開発現場の意見を受け止めていただいて、今後もより優れた製品へと進化していくことを期待しています」