コンサルタントへインタビュー:デスクトップ仮想化の全社展開成功の秘訣とは

 本記事の最後にCitrix Worldwide Consultingが提供するデスクトップ仮想化成功のための資料ダウンロードが可能です。

セキュリティ確保やワークスタイルの変遷、全社デスクトップPCの管理コスト削減、社員の生産性向上など、複合的な理由からデスクトップ仮想化を導入する企業が急速に増えています。さらには、災害対策の一環としてBCPとしての導入がそれを後押ししており、今やデスクトップ仮想化は、あらたなコンピューティングスタイルの最有力ソリューションと言っても過言ではありません。

しかし、その導入は今までのサーバー仮想化的なやり方では失敗する確率が高まると言われています。

今回は、シトリックス・システムズ・ジャパンのサービス本部にお伺いし成功するデスクトップ仮想化導入の秘訣に関してお聞きしました。

シトリックスシステムズジャパン株式会社

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
サービス本部 本部長 兼コンサルティング部アーキテクト
藤野 智宏氏

インタビューア:ご担当する仕事内容も含めて、自己紹介をお願いできますか?

藤野様:シトリックス・システムズ・ジャパンでサービス本部の責任者をしております藤野です。サービス本部は、クラウドやデスクトップ仮想化などの導入コンサルティングと弊社製品を導入したお客様の管理・運用のご担当者やプロジェクトオーナ・ディシジョンメーカーの方々など社内技術者育成に必要な認定トレーニングを提供するエデュケーションを担当する部署になります。日々、デスクトップ仮想化の導入支援や教育などを主な業務として取り組んでいます。

インタビューア:コンサルティング部門は、どのような事を実施しているのですか?また、最近の肌で感じる状況などをお知らせいただけますか?

藤野様:コンサルティング部門では、複雑な環境や大規模なお客様のクラウドやデスクトップ仮想化への移行など、シトリックス製品を使用した数多くのコンサルティングメニューを提供し、お客様へ直接の支援を行っています。最近では、デスクトップ仮想化の導入を希望するお客様が非常に多くなっています。そして、その導入範囲も一部の部門導入から全社展開というような非常に大きなプロジェクトが増えているのが最近の潮流です。私たちコンサルティング部門では、日々そのような企業様への導入支援を行っています。コンサルティングの領域は、導入前計画段階からの超上流から導入フェーズにおける設計から実装に至る全てのライフサイクルを担当しています。

インタビューア:上流から下流まで一貫してご提供するのですね。具体的にその内容を教えていただけますか?

藤野様:はい。上流工程では実際のお客様がデスクトップ仮想化を導入すると、どのようなメリットがあり、実際にどのようなリターンがあるのかなど導入前分析などを実施しています。また、デスクトップ仮想化導入後のメリットであるROIや移行対象の技術的課題に対しての実現可能性調査、さらには移行におけるロードマップを明確に示すなどの計画策定段階の支援をしています。

また、導入を決定したお客様はSI企業に構築を依頼する場合がほとんどです。その依頼前にRFP策定の共同制作をユーザー企業の皆さまと行うこともあります。もちろん机上では分からない部分も多々ありますので、お客様の性能要件や技術要件を明確化するためにPOCなども行っています。さらに次のフェーズとして要件定義、基本・詳細設計、実装もお手伝いしています。

 

インタビューア:シトリックス様ではデスクトップ仮想化を成功させるためのコンサルティング方法論などはあるのでしょうか?

藤野様:はい。私たちシトリックス コンサルティングでは、Desktop Transformationモデルというデスクトップ仮想化導入のための考え方や方法論などを持っています。このDesktop Transformationモデルこそが、他社との大きな差別化要素であり、お客様が満足するキーとなるものになります。

その中でまず最初に行い、最も重要な作業がユースケース分析です。デスクトップ仮想化の導入失敗企業の多くは、このユースケース分析を疎かにしているのが原因です。これをやるかやらないかで成功の可否が決まると言っても過言ではありません。

インタビューア:ユースケース分析がデスクトップ仮想化導入成功の秘訣ということですね。

シトリックスシステムズジャパン株式会社 藤野様:はい。仮想化にはサーバー仮想化やデスクトップ仮想化などいろいろな要素技術があるのは既にご存じだと思います。サーバー仮想化は、どちらかというと情報システム部門の視点で導入するソリューションです。アクセス数やアプリケーションのワークロードなどによってサーバーを選定し仮想環境を構築します。これによりサーバー側では仮想化技術によりコスト削減などの数多くのメリットがあるのです。この場合にユーザーは、仮想環境かどうかを意識していません。しかし、デスクトップ仮想化はその方法ではうまく行きません。デスクトップが100台あるからサーバーはこれにしようというモデルではないのです。 明日からデスクトップ環境を切り替えてくださいと社内にアナウンスした瞬間にユーザーからはクレームがくるでしょう。FATクライアントとの齟齬(そご)が大きいので満足しないのです。

つまり、サーバー仮想化の導入は情報システム部門主体ですが、デスクトップ仮想化はユーザーが主体であることを肝に銘じる必要があるのです。しっかりとユーザーの要件を定義しないと失敗すると言うことです。

インタビューア:ユーザー視点が重要と言うことですね。

藤野様:はい。いきなりユーザー数がこれくらいだからデスクトップ仮想化で利用するサーバーはこれを用意しましょう、というのは失敗する典型になります。データーセンターやサーバーサイドから考えるのではなく、ユーザー視点で考えることが重要なのです。そして、私たちはユーザーの日常を理解するためのユースケース分析というものを徹底的に行います。

インタビューア:ユースケース分析を詳しく教えていただけますか?

藤野様:実際に企業には、数多くの職種が存在します。開発部門は、一日中PCに向き合いながら仕事をするでしょう。営業はiPadやノートPCを外出先に持ち歩きながら見積もりシステムを使うかもしれません。その際にオフラインでも作業を望む場合もあるでしょう。コールセンターのオペレータなどのタスクワーカーは、単一のアプリケーションを複数のユーザーで使うのが一般的です。セキュリティ要件が高い人事アプリケーションやERPを使う人もいるでしょう。モバイルアクセスはしないけれども支社などからWAN接続する方々もいます。

職種や部門毎にワークスタイルや扱うデータ量、そしてセキュリティ要件やネットワークの帯域、利用時間や頻度などすべて違うと言っても過言ではありません。職種や部門毎に分かれる要件をビジネスユニット毎にまとめ上げるのがユースケース分析です。実際にヒアリングだけではなくて、後々にサーバー集約させるためのサイジングの基礎情報を取得するために現状の物理PCからマシンスペックや機種、CPU/Memory/Disk IOなどのリソースのユーティライゼーションやユーザーの利用状況・時間帯や、アプリケーション、インベントリなども取得しておきます。

そして、これらをまとめあげてセグメンテーションを明確化し配信モデルを決定することが重要でありユースケース分析のゴールと言えるでしょう。

そして、全社レベルでの導入を支援するための方法論がDesktop Transformation モデルということになります。

 

インタビューア:セグメンテーション毎の配信モデルを詳しく教えていただけますか?

藤野様:配信モデルは、弊社ではFlexCastモデルと言っています。他社に比べて非常に柔軟かつ最適化されたいくつかの配信モデルが存在します。ユーザー要件によって最適なデスクトップ仮想化環境は違うのです。そして配信モデルには、例えば、XenDesktopのVDI形式やXenAppの仮想アプリケーション、XenAppの公開デスクトップ、オフラインユーザー用のXenClient, 物理PCへ直接イメージストリーミングの方式など、多様に存在します。

インタビューア:その後、いよいよ設計し実装していくのですね。

藤野様:はい。セグメント毎の配信パターンが決まりましたら、ようやくそれを実装するためのデスクトップサービスレイヤーの下のレイヤーであるインフラを決める段階になります。ユースケース分析からユーザーのセグメンテーションが明確になっているため、分類されたデスクトップの配信モデルをホストするのに必要な下のレイヤーの技術要件・性能要件を策定。そしてサイジングを実施し、コンセプトアーキテクチャーを決めます。その後、本番環境で上手く動作するように性能検証や技術検証を経て必要性に応じてPOC(Proof Of Concept)、基本設計・詳細設計という流れになります。

インタビューア:あとは一気に導入ですね。

藤野氏:Desktop Transformationのゴールの一つは、お客様に対して明確なロードマップを提供することだと考えています。企業にとってデスクトップ環境を一気にデスクトップ仮想化に移行するには、コストやリスクの問題がある場合もあります。

このようなお客様には、どうやって移行していくのかという全体的ロードマップを提供することが重要です。そのロードマップは、投資回収率や価値を判断しお客様と議論しながら最適化します。
このロードマップこそがDesktop Transformationモデルのゴールなのです。重要度やTime to Valueの高いところから移行していく方針を協議し、ロードマップに沿った全社規模の設計を行い、そして実装を行っていきます。

インタビューア:非常に勉強になりました。ユーザー要件を明確化するという当たり前のことをデスクトップ仮想化は見落としがちですし、注意しなければならないということですね。

藤野氏:デスクトップ仮想化は、企業にとって数多くのメリットがあります。そして規模が大きくなればなるほど、設計・構築前の綿密な計画が重要です。ユーザーが普段の仕事で使っているFAT PCと同等もしくはそれ以上の環境を提供し、かつセキュリティやコスト、BCPなどのメリットを提供することこそがDesktop Transformationモデルの本質でありシトリックスの使命であると考えています。シトリックスコンサルティングに是非、ご期待下さい。

インタビューア:ありがとうございました。

藤野様: ありがとうございました。

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