基調講演:シトリックスとマイクロソフトがリードするデスクトップ仮想化

Citrix & Microsoft Roadshow 基調講演レポート

シトリックス・システムズ・ジャパンとマイクロソフトは6月16日に、東京国際フォーラム(東京都千代田区)において、「Citrix and Microsoft Roadshow Tokyo 〜シトリックスとマイクロソフトがリードするデスクトップ仮想化」カンファレンスを開催しました。大盛況の東京国際フォーラムの会場では、両社のアライアンスやデスクトップ仮想化などによるワークスタイル多様性への対応など、さまざまなデモやセッションが行われました。基調講演に登場した、シトリックス代表取締役社長のマイケル キング氏、副社長の木村裕之氏、マイクロソフト代表執行役 社長の樋口泰行氏は、Microsoft Virtual Desktop Infrastructure(VDI)ソリューションとCitrix XenDesktopを組み合わせたデスクトップ仮想化の価値について紹介しました。

“work.(ドット)shift”で企業競争力を高める

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 副社長 木村 裕之氏

 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 副社長 木村 裕之氏

木村氏はまず、スイスの国際経営開発研究所(IMD)が毎年「世界競争力年鑑」で発表している国際競争力に関する調査結果を引用し「2010年の日本の国際競争力は5年前の16位から27位へ、またビジネス効率性も23位へ順位を下げている。企業競争力を強めるビジネスの効率化を実現するため生産性の向上が必要です」と話します。

また、NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の「2009年上半期 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」から、情報漏えい事件は相変わらず増え続け、2009年上期だけで764件が発生し、想定損害賠償総額が1545億5887万円に上るという調査結果を紹介。「抜本的なセキュリティ対策を実現する新しい概念が必要であり、企業が高いセキュリティレベルを確保しながら企業競争力を改善する攻めのITを構築することが必要。そのためには、従来のテクノロジや考え方から脱却し、抜本的な対応が必要」であることを強調しました。

こうした課題を解決できるのがデスクトップ仮想化です。仮想化技術を活用することで、コストを削減しながら“セキュリティ”と“柔軟性”に富んだシステムを構築することが可能になります。

木村氏は、「公園、駅、ホテルなど、いつでも、どこでも、宇宙からでも“安全”に必要なデータにアクセスできる環境を実現する。これこそが“work.(ドット)shift”です。これにより、業務の生産性を向上させ、企業競争力を高めることが可能になります。シトリックスは、デスクトップ仮想化がもたらす新しい働き方“バーチャルワークスタイル”の実現を仮想化技術でサポートしていきます」と話し、マイクロソフトの樋口氏にマイクを渡しました。


“ワークスタイルの多様化”はマイクロソフトの得意分野

マイクロソフト株式会社 代表執行役 社長 樋口 泰行氏

 マイクロソフト株式会社 代表執行役 社長 樋口 泰行氏

「WindowsやOfficeなど、デスクトップ製品を提供しているマイクロソフトにとって、“ワークスタイルの多様化”への対応は得意分野です。職場はもちろん、自宅やモバイル環境など、いつでも、どこでも、どんな環境からでも仕事ができる環境を新しい技術で実現していくのがマイクロソフトの役割です」と樋口氏は語ります。

また、マイクロソフトでは超仮想化環境ともいえるクラウドへの取り組みをアピールしました。

一方、デスクトップの仮想化では、ワールドワイドでシトリックスとの提携を発表しました。樋口氏は、「マイクロソフトとシトリックスは20年以上、協力してきた歴史があります。今回の提携では、より協力関係を強化し、必要な技術を共同で開発することはもちろん、導入しやすいライセンス体系を提供し、市場を拡大していくための取り組みを推進していきます」と話しています。

20年来のシトリックスとマイクロソフトとのパートナーシップ

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 マイケル キング氏

 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 マイケル キング氏

樋口氏に続き登壇したキング氏は、まずはシトリックスとマイクロソフトの協業の歴史を紹介しました。「シトリックスとマイクロソフトの協業は、1989年のシトリックス創業までさかのぼります。最も重要なできごとは、Windows NT Serverのソースコードをライセンス提供されたことです。これにより、Windows NT Serverをマルチユーザー化したWinFrame(現在のXenApp)の提供を開始しました」とキング氏は話します。

そのXenAppは、現在では世界の21万5000社、100万台のサーバに導入されており、1億ユーザーが利用しています。キング氏は、「日本だけでも、150万ユーザーに利用されている実績があります」と語ります。

またキング氏は、「4月26日に共同VDIキャンペーンを両社で発表したほか、XenAppとApp-Vの連携、本日の共同イベントの開催、仮想化デスクトップサイト(http://www.citrixandmicrosoft.jp/)の公開など、さまざまな取り組みを推進しています。
2010年は、シトリックスにとってもマイクロソフトにとっても、ブレークスルーの年になるでしょう。両社の関係は、今後もRemoteFXのサポートなど、さらに次の取り組みへと続いていきます」と話しています。


自宅から会社、取引先まで、シームレスに

その後、デスクトップ仮想化をわかりやすく理解できるデモンストレーションが紹介されました。

(1)自宅のWindows Vista環境から会社のWindows XP環境に接続しプレゼン資料を修正する。仕事は途中で中断。(2)会社の情報システム部門からOSのアップグレード案内。翌日会社に出社しシンクライアントにログインすると、既にWindows 7環境に切り変わっている。(3)昨夜の自宅作業を継続し、USBメモリにプレゼン資料をコピー(4)移動中にWindows Mobile環境で資料を確認(5)XenClientのオフライン利用でも取引先で快適に仮想デスクトップ環境が利用できるデモが紹介されました。

このデモは、私たちにも馴染み深い日常生活のデモでした。
自宅からサーバ集約されたデスクトップ環境にアクセスすることのより、デスクトップ環境が管理化に置かれているため管理性やセキュリティ面でも安全です。もちろんXenDesktopの得意分野であるユーザー体験の部分でも、まるでMicrosoft Officeが目の前のデスクトップで動作しているかのような操作性を提供出来る部分も大きなポイントです。また、Windows XPをWindows 7へアップグレードする企業にとっては、全面的にクライアント毎に1台1台インストールを施すわけではなく、サーバで一括してWindows 7環境を提供し利用すべき人が選択することにより迅速な移行が出来るので移行の一つの強力な選択肢を理解できました。もちろんデスクトップ仮想化環境であってもUSBやプリンタなど遜色なく利用できますし、クライアント端末を選ばずに自分のデスクトップ環境にアクセス可能になります。また、XenClientの利用によってオフラインの状態でも、遜色なくデスクトップ環境を使うことが可能になります。場所、時間だけでなくネットワーク回線の有無、クライアント端末の種類にかかわらずあらゆる状況下でシームレスにデスクトップ環境を利用できる興味深いデモンストレーションでした。

また、米国の医療機関であるEmory Healthcareの事例も紹介されました。Emory Healthcareでは、4つの病院、1000個所のクリニックで、1万人の職員が、徹底したモビリティの向上を目的にXenDesktopを導入。無線LANを搭載したカートを利用して、病院内を移動しながら、患者のカルテや診察記録、ケア記録、レントゲン写真などの情報に、シームレスにアクセスでいる仕組みを実現しています。

基調講演のまとめとして木村氏は、「デスクトップ仮想化の市場は急激に拡大しています。デスクトップ仮想化が注目されるのは、ITが抱える課題や、企業の守りと攻めのIT活用を同時に解決できるソリューションだからです。どこにいても最適な仕事環境を実現できる新しい働き方である“work.(ドット)shift”を、このカンファレンスに協賛いただいた60社のパートナー企業の皆さまとともに実現し、すこし元気のないIT業界の活性化と日本経済の底上げに貢献していきたいと思っています」と話し、講演を終えました。

当日のセッションの模様は
こちらから閲覧可能です。