電子サインとVDIで金融業の業務効率化と顧客利便性を大幅に向上

XenDesktopおよびXenApp 7.6 FP3において数多くの機能強化が行われ、その一つとして手書きのサインデバイスや描画タブレットのサポートが強化されました。これによりVDIを活用する企業や組織の現場の生産性をより高い次元で向上させることが可能になります。今回は、液晶ペンタブレットや電子サインのための液晶サインタブレットで高い実績を誇る株式会社ワコム(以下、ワコム)で、B2B領域全般のビジネスを統括する同社 ビジネスソリューションユニットのシニアディレクター 中逵隆司(なかつじ たかし)氏(以下、中逵氏)に、特に金融分野におけるトレンドや液晶サインタブレットを活用したソリューションについて伺いしました。

(医療分野の描画タブレット活用についてはこちらをご覧ください:VDIと液晶ペンタブレットによる先進ソリューションで診療現場の効率化と質の高い診療サービスを提供する

液晶サインタブレット利用イメージ

広がる電子サインの世界

サイン入力に特化した液晶サインタブレット STU-430

サイン入力に特化した液晶サインタブレット STU-430

買い物をする時、カード決済時の液晶サインタブレットを用いた電子サインなど、すでに数多くの人々が電子サインを経験しているのではないでしょうか。海外ではカード決済時の電子サインはもとより、銀行や保険、医療といった重要なシーンにおいても当たり前になりつつある電子サイン、この電子サインが日本国内においても多くの金融機関が業務の効率化と顧客の利便性向上を目的に検討・採用され始めています。

液晶ペンタブレットや液晶サインタブレット市場において世界シェア80%を誇るワコムでB2Bビジネス領域の責任者である中逵氏は、ビジネスにおける液晶サインタブレットの有効性について次のように述べています。

「ワコムが提供する液晶サインタブレットは、紙とペンで今まで行っていたように誰でもサインが可能です。サインを電子化することで、企業は印刷やコピーといった従来の業務や紙伝票を排除することができ、ペーパーレス化によって書類保管コストなどを大幅に削減することが可能になります。また、業務システムと連携させて業務フローを簡略化させることで、たとえばお客様と企業の契約やお申し込み、重要事項説明の確認といった作業の効率化を図るとともにお客様満足度を向上させることが可能になります」

テキストからカラー画像表示に対応した液晶サインタブレット STU-530

テキストからカラー画像表示に対応した液晶サインタブレット STU-530

ワコムが提供する高性能な液晶サインタブレットを用いることで、紙に書くのと同じ感覚で年齢を問わず障壁のない電子サインを行うことができます。これによりお客様の意思を証跡として残すことが可能になるため、企業はペーパーレス化によるコスト削減、業務効率の向上、顧客満足の向上を同時に実現できるようになるのです。

 

サインの頻度や重要度に対応するワコムの液晶サインタブレット技術

電子サインの業務用途は多岐にわたります。保険契約やクレジット決済時のサインから診療同意書、重要事項同意書、金融取引、契約書締結など、その業務内容によりサインの頻度や意思確認の重要度も幅広く存在します。

中逵氏は、あらゆる業務ニーズに対応するために高い技術で対応していると次のように述べます。
「ワコムの電子サインは、液晶画面上で書かれたサインを単純にキャプチャーするだけではありません。さらに、私たちは「生体情報」と言っていますが、筆跡の細かなデータを取得し、キャプチャーデータとして管理することで『個人の生体情報=個人の意思』を電子サインに付与することが可能です。これにより重要性が高い、例えば手術の同意などでも本人によるサインである証跡を残すことが可能になります」

ワコムの卓越したサイン技術は、このような「生体情報」のレベルまで取得します。例えば、私たちが日常行っている「書く」という作業において、強く書く、弱く書くなどに応じてその文字の表現は変わってきます。ワコムの液晶サインタブレットでは、これらの情報を忠実にサイン画像として残すだけでなく、筆圧の情報感知や書き順、ストロークとストロークの間の空中にあるペンの動作など、多くの情報を取得します。これらの生体情報をキャプチャーデータに追加することで本人である証跡を残せる仕組みなのです。

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ワコムでは電子サインの重要度を3段階のポートフォリオで捉えることでそれぞれのニーズに対応することが可能であると中逵氏は述べています。
「クレジットカード決済のサインなどは生体情報を取る必要はありません。キャプチャーした画像だけを保持することで問題ないと業界で認められています。このように頻度は高いけれども意思確認の重要度が低いものをステージ1として捉えています。ステージ2から3は、後々間違いがあった際に、大きな問題に発展するケースを想定しています。このようなケースでは、生体情報を付与することが重要です。生体情報を用いて本人か否かのサインの証明が可能になるのです」

Portfolio

ステージ1の例としては、クレジットカードのサインや保険の契約時のサインなどを想定しています。ステージ2は、生体情報を付与することが望ましい状況が想定されており、本人か否かの判断が必要な際には、再度サインすることで生体情報を比較し本人確認を行えるのです。さらにステージ3は、リアルタイム性を要する認証が必要なケースであると言います。例えば銀行で行われる窓口でのサインと登録されたサインのリアルタイムな認証などがそのケースです。現在、ワコムではステージ2までを商用化させており、ステージ3を実現するための開発も進めていると言います。

金融機関で加速する液晶サインタブレット

ワコムでは、液晶サインタブレットのビジネスを5年ほど前から開始しており多くの金融機関での採用が加速しています。たとえば、ほけんの窓口グループでは、400店舗以上でペーパーレスでの申し込み手続きで利用しているほか、東京海上日動あんしん生命保険や三井住友海上火災保険でも保険申し込み手続きのペーパーレス化をワコムの液晶サインタブレットを用いて行っています。特に最近では、保険業に加えて銀行での検討や採用が加速していると言います。その背景について中逵氏は以下のように述べています。

「現在、銀行様から多くの引き合いをいただいております。ご存知のとおり銀行ではVDIが多く導入されています。今回、シトリックスの最新のXenDesktopおよびXenAppが弊社の液晶ペンタブレットに対応したことで窓口でのサインが必要な業務利用に加えて、タブレットやPCを活用している渉外活動のさらなる効率化が可能になるためVDI+液晶ペンタブレットのソリューションを多くの銀行が検討している状況です」

今まで銀行の渉外担当者は、iPadなどのタブレットデバイスを用いたプレゼンテーションや重要事項の説明などにおいてVDIを活用し、渉外業務の効率化を行っていました。しかし、サインが必要な際には持参した書類等にその場でお客様にサインをもらい、最終的には銀行に戻って業務を継続するという作業を行っていました。今回、VDI+ワコムの液晶サインタブレットにより、お客様は液晶サインタブレット上でその場でサインを行うことが可能になります。そして、そのデータはVDIで提供される社内システムでリアルタイムに契約を完了することが可能になるため、迅速な契約処理による業務プロセスの変革にとどまらず、渉外担当者はオフィスに戻る必要もなくなり、働き方自体の変革にもつながるのです。

XenAppおよびXenDesktop 7.6 FP3がワコム対応を強化

金融機関において、セキュリティや渉外効率の向上を目指し、XenDesktopおよびXenAppによるデスクトップ仮想化の環境の導入が進んでいます。これまでも単に入力デバイスとしてのサインデバイスとしての利用は可能でしたが、WAN環境を含む環境で、生体情報なども含めたフル機能がいよいよワコムの液晶タブレットや液晶サインタブレットで利用できるようになりました。ワコムのタブレットは筆圧の微細な強弱や書き順など生体情報も含めて画像として取得可能な点が他社との差別化要素の一つです。これにより厳密な契約事項や重要事項説明時のサインなどでも、後々問題が発生しないような本人認証の精度が高まります。この核となる高度な技術は、位置信号や筆圧信号、傾き信号などを液晶サインタブレットとペンの間で毎秒最大200ポイントで更新しあっています。この数値は一般的なタブレットの3倍以上の更新数であるため、今まで特にWAN環境や狭帯域のネットワーク環境などにおいては細かいタッチのサインが難しい状況でした。今回、XenApp およびXenDesktop 7.6 FP3では、この高度なワコムの技術にHDX機能の拡張で対応することが可能になったため様々な仮想環境での利用が可能になりました。

VDIの金融ソリューション

まとめ

金融機関が扱う決して外に漏れてはいけない個人データは、高度なセキュリティで守ることはもちろんこと、災害時には情報保護に加えてサービスを継続させるための取り組みが求められます。また、アジアを中心に海外進出が拡大傾向にある金融業界では、迅速かつ効率的な販路の拡大と顧客満足度を向上させる取り組みに迫られています。

シトリックスが提供する金融機関を支援するソリューションとワコムの液晶サインタブレットの組み合わせにより、多様化する金融商材と複雑化する顧客ニーズに高い効率性で対応することが可能になります。

デスクトップ仮想化により、アプリケーションやデータをデータセンターに一元化し、利用環境を仮想化することでセキュリティを確保しながら各種規制やガイドラインに対応します。さらに災害発生時などにも安全な遠隔地からのアクセスを可能にし、業務を継続させることが可能です。また、ワコムの液晶サインタブレットとの組み合わせにより渉外担当者の業務効率を最大限高めることが可能になり金融業全体の利益確保と俊敏な経営を実現します。

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