電話まで仮想化してこそ、真のワークライフバランスが実現できる

デスクトップ仮想化の進化(特典ビデオ付き!)

デスクトップ仮想化に足りないもの

多くの企業では合理化やコスト削減への取り組みが求められる一方で、経済のグローバル化や事業/雇用形態の多様化、災害/パンデミック対策における事業継続などの対応から、いつでもどこでも同じ生産性で働ける環境が求められるようになりました。それには、十分なセキュリティが確保されるとともに、社員の満足度を向上させるために常に快適なパフォーマンスを実現するデスクトップ仮想化環境が必要になります。

企業はデスクトップ仮想化を導入することにより、クライアント管理を一元化することによる運用管理コストの低減がはかられるだけでなく、多様化するクライアントデバイスへの対応をセキュアに保つことが可能になります。また社員はいつでも、どこでも自分専用のデスクトップ環境を自分の好きな端末からアクセス可能になるため、オフィスに居なくても仕事を遂行することが可能になるのです。このように企業にとっても社員にとっても双方のメリットがあるデスクトップ仮想化は、今、最も注目を集めているテクノロジーであると言っても過言ではありません。

その一方で社員が、真にあらゆる場所で働くためにはデスクトップ仮想化のみでは足らないのも事実です。仕事をするうえで重要なコミュニケーションやコラボレーションはパソコンを利用したメールやWeb会議のみで行われているわけではありません。

お客様からの連絡は会社の電話を利用する場合もありますし、支社間のコミュニケーションは内線電話を使う場合もあるでしょう。

つまり、真にワークライフバランスを保つにはデスクトップ仮想化のみならず、電話などのオフィス環境(ワークスペース)そのものを、どこからでも利用できる環境が求められるようになってきているのです。

音声、ビデオをも統合した仮想ワークスペースを提供(概要)

シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は、シトリックスと共同でデスクトップ仮想化を拡張した仮想ワークスペースソリューションCisco VXI(Virtualization Experience Infrastructure) with Citrix XenDesktopを提供しています。本記事では、両社のアライアンスにより生まれた有益なソリューションの概要や特長に関してご紹介します。

デスクトップ仮想化

図1 Cisco VXI with Citrix XenDesktop概念図
デスクトップ仮想化、音声およびビデオを統合した仮想ワークスペースを提供

ネットワーク技術やIPテレフォニーで市場をリードするシスコは、仮想ワークスペースを活用したソリューションを開発し、市場に提供しています。仮想ワークスペースとは場所にとらわれず、いつでも高い生産性を実現できる作業環境のことです。たとえば通常、業務に活用している作業環境の代表的なものがクライアントPCです。私たちはこのクライアントPCを利用し、出社後、スケジュール確認やメール処理、業務文書の編集などを行ない、日々の業務を遂行しています。これらのクライアントは、デスクトップ仮想化の枠組みのなかであらゆる端末からデスクトップを共有するまでに至りました。しかし、オフィス環境には、PCやタブレット以外にもさまざまなデバイスが存在するのも事実です。

その最たるものが電話です。シスコが提唱する仮想ワークスペースは、デスクトップ仮想化ソリューションに、シスコのIPテレフォニー技術とシンクライアント技術、音声やビデオなどの膨大なトラフィックを処理するためのバックエンドの技術を統合した包括的なソリューションです。

このソリューションは、エンドユーザーが実際に利用するクライアントの観点では、シスコが提供するシンクライアント端末であるCisco VXC(Virtual Experience Client)やGoogle Android ベースのビジネス向けタブレット端末Cisco Ciusとデスクトップ仮想化技術としてXenDesktopにより構成されます。これらにより高品位な音声、ビデオによるコラボレーションが可能となるワークスタイルを実現できます。シトリックスでは、デスクトップ仮想化環境にアクセスするために各種スマートフォン、タブレット、PC 用にCitrix Receiverを提供しており、このCitrix Receiver経由でデスクトップ仮想化環境にアクセスします。Citrix Receiverは、Cisco Ciusの為の企業向けアプリケーションマーケット Cisco AppHQにも提供されており、Cisco AppHQからダウンロードし、インストールすることですぐに仮想デスクトップにアクセスすることが可能になります。

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図2 Cisco VXC(Virtualization Experience Client)2200 シリーズ
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図3 Cisco Cius

それでは両社の強みを生かしたソリューションとは何なのでしょうか。順を追ってご紹介します。デスクトップ仮想化はリモートアクセスにおける生産性の問題を大きく改善するものですが、コミュニケーションについては課題が残るのも事実です。たとえばデスクトップ仮想化を利用して自宅で仕事をしている時に、お客様から会社宛に電話があった場合には電話に出ることができず、商機を逃すことも考えられます。また、オフィスでは相手と顔を合わせてのコミュニケーションは普通ですが、リモートではそうはいきません。

仮想デスクトップ時代の理想的なコミュニケーションは、デスクトップ同様、場所を選ぶことなく利便性を損なわずに行える必要があります。この課題に対する有効な解決策が、シスコのユニファイドコミュニケーション技術及びそれに対応するシスコの仮想化クライアント端末です。シスコのIPテレフォニーを利用することで、IP電話とデスクトップ環境を統合し、高い品質の音声やビデオを利用することが可能になります。ユーザーはCisco Unified Personal Communicatorを起動することで、デスクトップ上から従業員を検索し、電話をかけることができるようになります。また、かかってきた電話にもいつでも応答できるので、コミュニケーションの問題を解決することができます。このようにデスクトップ仮想化環境に電話を組み合わせることで真のワークスペースを実現することが可能になるのです。

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図4 Cisco Unified Personal Communicator画面
さらに、この仮想ワークスペースを効果的に活用できるのがCisco Ciusです。Cisco Ciusはビジネス用途に設計されたタブレット端末であり、デスクトップ仮想化用のシンクライアント端末、電話機、ビデオ端末などの役割を1台で果たすことができます。単独での利用も可能ですが、受話器の付いたメディアステーションにドッキングすることで、クライアントPCなみに機能が拡張でき、オフィスにおける生産性向上を実現することが可能となります。

利用者の数に関わらず優れたパフォーマンスと可用性が求められる仮想ワークスペースは、データセンター上のXenSever上で稼働します。それを支えるのが、シスコが提供するCisco Unified Computing System(UCS)とCisco Nexusスイッチです。Cisco UCSは、一言で言うとデータセンター向け、仮想化環境に最適に設計された高性能サーバーです。強力なIntel Xeonプロセッサを搭載するだけでなく、384GBもの大容量メモリを搭載可能なアーキテクチャを持ち、ネットワーク接続とサーバー管理機能をファブリック インターコネクトというスイッチに集約させた点が特徴です。このことからも大規模な利用を想定されたものであることはお分かりいただけると思います。つまり多くの仮想ワークスペースをユーザー数にかかわらず快適に利用することが可能となるのです。また、同様に高いセキュリティを確保しつつ、マルチメディアデータを含めた膨大なトラフィックを処理可能なCisco Nexusスイッチと組み合わせることにより、データセンターに集中する負荷を効率よく処理することが可能となるだけでなく、仮想デスクトップ環境における端末へのネットワーク負荷への対応は旧来から実績のあるCitrix HDXが担うのです。

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図5 Cisco Unified Computing System (UCS) Bシリーズ ブレードサーバーとCシリーズ ラックマウントサーバー
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図6 Cisco Nexusスイッチ(7000 Series)
つまり、強力な仮想ワークスペースを提供する観点においても、また堅牢かつ最適なパフォーマンスの面においても、シスコとシトリックス両社の強力なテクノロジーが集結したものとなっているのです。

仮想ワークスペースの想定利用シーン

Cisco VXI with Citrix XenDesktopは、音声、ビデオ、データ、モバイルの各アプリケーションをすべて統合し、相手、場所、時間を問わず、インタラクティブなコラボレーションを実現します。ここではデータセンター上のUCSサーバーでXenDesktopとXenServerによって構築した仮想ワークスペースを活用し、どのような利用が可能なのかを解説します。

まず、会社のオフィス環境では、Cisco VXCが会議室や共同ワークスペースに設置されているとします。Cisco VXC上のCitrix Receiverを起動すれば、仮想環境上に用意された自身のWindows 7デスクトップにアクセスすることができます。たとえばサーバーにインストールされたPower Pointを利用することにより自由にプレゼンテーション資料を編集することができます。もちろん、XenDesktopによる仮想デスクトップ上ですべてのデータやアプリケーションが管理されているため、セキュリティも高度なものになります。そして、デスクトップにはIPテレフォニーも統合できるため、仮想デスクトップ上でもIPテレフォニーの統合の恩恵を受けることができるのです。Cisco VXCにはマイクやスピーカが搭載されているため、たとえばフリーアドレスの席や出張先の支店や支社からCisco VXCでデスクトップ仮想化にアクセスすることで、どこにいても内線電話を利用しアクセスが可能なソリューションを構築できます。

シスコは、IPテレフォニーとデータの提供をスイッチング・ルーティングの統合型インフラではじめて実現した企業であることは有名な話です。2つのポイント間のメディアパスを分離し、処理を行うことで高品質化を実現しているのです。この高品位なIPテレフォニー技術をデスクトップ仮想化と統合することで、電話も含めた真にいつでもどこでも作業できる仮想ワークスペースが実現できるのです。

さらに作業中の仮想デスクトップをタブレット端末にローミングすることも可能になります。Cisco Ciusを利用すれば、Cisco Cius上から接続する仮想デスクトップを選択し、ログインするだけで、仮想デスクトップがCisco VXCからスムーズにローミングされ、Cisco Cius上で作業を継続することができます。すみやかにローミングされることで、既存のデスクトップ画面をCisco Cius上に切り替えて操作を継続することができるのです。これにより、急な移動の際にもWiFiなどのネットワークさえ繋がっていれば作業を継続可能です。

さらに統合されたIPテレフォニーも同様にCius上から利用可能です。Cisco Ciusにはマイクやスピーカだけでなくカメラも搭載されているため、テレビ電話を利用することもできます。たとえばビデオを複数のユーザーにシェアすることにより、さらなる作業の効率化が可能となります。また技術者がCisco Ciusを持ってトラブルが発生した場所に移動し、カメラで撮影した映像を複数のアナリストにシェアすれば、その解決策を迅速に解析し、問題解決に要する時間を飛躍的に短縮させることもできるでしょう。このようにIPテレフォニー上に統合されたリアルタイムなビデオ配信などを利用し、実際に目の前の状況を配信することで、共同作業に大きな変革をもたらすことができるでしょう。

またCisco Ciusをメディアステーションに接続することでCisco Cius上のデスクトップ仮想化環境にマウスやキーボードといった入力デバイスと高解像度モニタを活用することができるため、タブレットには不向きな複雑な作業を自然な流れで継続可能となります。

以下のビデオをご覧いただければ、両者の技術を組み合わせたソリューションの詳細をおわかりいただけます。

まとめ

このようにXenDesktopによるデスクトップ仮想化は、個人のワークスタイルを大きく変革してきました。そこにシスコの技術が加わることで、コミュニケーションスタイルまでもが統合され、真に多様化されたワークスタイルを確立することが可能となるのです。