VDI 徹底解説シトリックス & マイクロソフト vs. VMware

Citrix & Microsoft Roadshow セッションレポート

このセッションでは、シトリックスでテクニカルマーケティングの平田氏より、Citrix XenDesktopおよびVMware Viewというデスクトップ仮想化を実現するソフトウェア製品に関して、機能比較だけでなく、ユーザー視点での比較や第三者機関による評価などを用いて、具体的なXenDesktopの優位性が紹介されました。

デスクトップ仮想化

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 テクニカルマーケティング、平田敦氏

まず最初に、VMware View 提案時に見落とされがちなポイントは、「パフォーマンスの低さとネットワーク帯域の消費量の多さ」、「エンタープライズクラスの拡張性の欠如」、「VMware製品以外の選択自由度」であると平田氏は説明しました。

XenDesktopは、「パフォーマンスおよびネットワーク帯域の消費量に関して圧倒的な優位性があります。具体的には、VMware Viewの場合には、XenDesktopに比べて約10倍のネットワーク帯域幅を使うのです。ユーザー視点で見ると、VMware Viewで構成されたデスクトップ仮想化環境は、WAN環境やインターネット越しなどネットウェア環境が悪い場合には、パフォーマンスが低いことを意味します。一方、サービス提供者の観点で見ると1ユーザーあたりのネットワーク帯域消費が多いということは、ハードウェアやネットワークリソースを拡張せざるをえないのです。これはコストに直結する問題でありROIを考慮した場合にもXenDesktopは、有効になるのです」と平田氏は述べました。シトリックスの長年培ってきた技術によりネットワーク消費の観点で圧倒的な優位性があるだけでなく、それがまるでローカル環境であるかのようなユーザー体験を提供できるのです。

次に、平田氏は拡張性に関して述べました。

「エンタープライズクラスの拡張性に関しては、アーキテクチャの違いによりシトリックスの場合には、サーバーリソースを極小化出来るのが特徴です。大規模な全社レベルのデスクトップ仮想化環境を提供する際には、それに見合ったサーバーを提供するのは当然なのですが、XenDesktopとVMware Viewでは、そのサーバー利用率、特にストレージ利用率で差があるのです。XenDesktopの場合には、Citrix Provisioning Serverを用いてデスクトップ環境を配信します。これは、サーバー側に配備された単一のデスクトップイメージを利用し複数の端末に配信するアーキテクチャなのです。これに対して、VMware Viewでは、VMware Composerを利用して差分イメージを作成する方式なのです。両社のアーキテクチャの差により、XenDesktop利用時のほうが圧倒的にストレージ使用量が少なくて済むのが特徴になります」

このように配信アーキテクチャの違いにより、XenDesktopの場合にはストレージを圧迫しないことが可能になるのです。

また、平田氏はXenDesktop選択時の自由度の高さに関して説明しました。

「VMware Viewを利用するためには、VMware ESX上で仮想デスクトップを作る必要があります。これに対して、XenDesktopの場合には、VMware ESX上でも、Microsoft Hyper-V上でもやCitrix XenServer上でも動作させることが出来ます」
このように、XenDesktopは、あらゆるサーバー仮想化環境で動作するためユーザーは最適なものを選べるという自由度があるのです。

これら圧倒的な優位性を述べたあと、シトリックスとマイクロソフトによるVDIソリューションの差別化要素について、5つの観点から紹介されました。

1. あらゆるユーザーに最適なデスクトップ環境の提供
2. 高品位なユーザーエクスペリエンスの提供
3. いつでも、どこでも、どんなデバイスからも
4. XenApp、App-Vによるオンデマンドアプリケーション配信
5. オープンアーキテクチャ

あらゆるユーザーに最適なデスクトップ環境の提供

VMware Viewでは、デスクトップ仮想化を実現する手段として仮想PC型を採用しています。仮想PC型とは、サーバー上に複数の仮想クライアントOSを導入し、この仮想クライアントOSをユーザーに占有させる方式です。

「VMware Viewでは、仮想PC型と呼ばれる方法だけで、あらゆるユーザーをサポートしなければいけません。実は、仮想PC型だけでは、あらゆる顧客ニーズは満たせません。パワーユーザーと言われているようなCADやCAMなど高解像度のグラフィックアプリケーションなどを利用する場合非常に多くのリソースが必要になります。また、コールセンターで特定の単一アプリケーションを利用するタスクワーカーなどでは、一人一人に対して仮想デスクトップを用意するのは無駄になります。このような場合には仮想PC型は向かないのです。CADであればブレードPC型、コールセンターであればサーバーベース型が適しているのです。」と平田氏は述べました。

デスクトップ仮想化を利用するユーザーには、複数のタイプが存在します。モバイル環境で利用するユーザー、タスクワーカーと呼ばれる特定アプリケーションのみを利用するユーザー、CADなど高度なアプリケーションを利用するユーザー、Microsoft Officeなどを利用するオフィスユーザーなど、さまざまなタイプのユーザーが存在します。

シトリックスとマイクロソフトでは、あらゆるユーザーに対して、クライアント仮想PC型、ネットブート型、ブレードPC型、仮想PC型(VDI)、サーバーベース型の5つのソリューションを提供することが可能です。ユーザーは、それぞれに最適な方法でサポートされるため快適なデスクトップ仮想化環境を利用することが出来るのです。

また、シトリックスではモバイルワーカーのためにCitrix XenClient の提供を開始しました。同様にVMwareでも、モバイルワーカー用にVMware View オフラインデスクトップを提供していますが、その内容は全く違うのです。

「アーキテクチャの観点では、XenClientはType1ハイパーバイザ方式であるのに対して、VMware View オフラインデスクトップは、Type2ハイパーバイザのためクライアントにOSを入れて、その上に仮想化ソフトを導入する仕組みなのです。また、XenClientは、オンライン、オフライン双方を使うビジネスユーザーを対象にしています。VMwareの場合には、データセンターで稼働しているVDIを、一時的にオフラインで利用するような設計になっています。この思想の違いから製品の仕様は全く違う物になっています。XenClientは、オフラインからオンラインに切り替える際には、差分のみのアップデートによる高速なシンクロが可能です。それに対して、VMware View オフラインデスクトップは、チェックインチェックアウト方式で一旦クライアントに貸し出したものは、オンラインに切り返す際に、全てを返すようなアーキテクチャのためオーバーヘッドが大きいと言われています」と平田氏は述べました。このようにモバイル環境下におかれたオフィスワーカーなどはCitrix XenClientの登場により圧倒的に生産性があがるのです。

高品位なユーザーエクスペリエンスの提供

デスクトップ仮想化

XenDesktop vs VMware View ユーザーエクスペリエンス比較

シトリックスは、ユーザー体験を最高なものにするためにHDXというテクノロジーを提供しています。冒頭のネットワーク帯域幅が圧倒的に少ないのは、HDXによるものです。このHDXにより、デスクトップ仮想化環境でも、ローカルPCと変わらないスピードと操作性を享受できるのです。マルチメディアやCAD/CAMなどの3Dグラフィックスアプリケーション、リモートユースでデータ転送量が多くてデスクトップ仮想化に向いていないと言われているビデオ会議やVoIP、USBプラグアンドプレイ、WAN環境などの場合でも、HDXテクノロジーにより圧倒的なパフォーマンスと操作性を誇るのです。

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CAD/CAMアプリケーションでも高速に動作させることが可能

また、平田氏は2010年2月に行われたMIERCOM社によるXenDesktop 4とVMware View 4とのパフォーマンスベンチマークの比較結果を用いてXenDesktopの優位性を紹介しました。

Miercom Report – Citrix XenDesktop – February 19, 2010

「このベンチマークでは、Microsoft OfficeやAdobe Flash などをバッチで流すためのツールを利用し実施されています。XenDesktopのほうが、全体的にパフォーマンスが良く、オフィスアプリケーションによるタスクでは、64%帯域使用量が低い結果がでています。また、Flashビデオの再生はCPU利用率が平均65%、帯域使用量は89%低い結果がでており、QoEも非常に高いという評価を得ています」と平田氏は述べました。

さらに、「HDXは、ネットワーク帯域利用がテキストレベルで数10k、動画でも数100kレベルで非常に少ないのです。VMware Viewは、PCoIPを利用しており評価ガイドなどにも最低1Mbpsという桁が違うネットワーク帯域量を利用することがわかっています。つまり、XenDesktopのほうが、パフォーマンスに優れるだけでなく、システムリソースを効率的に利用し、効果的な拡張が可能になるのです」と、平田氏は付け添えました。

これは、VMwareが利用するPCoIPよりもHDXが圧倒的に優れていることを意味しています。

また、シトリックスではインターネットやWAN環境でさらに高速化するためにCitrix Branch Repeaterを提供しています。これにより印刷時間やアプリケーション起動時間を大幅に短縮化することが出来るようになるのです。もちろん、それに付随してネットワークコストを削減することも可能になります。

「PCoIPによるWAN接続の高速化・最適化が出来るのでしょうか? PCoIPは、UDPベースの通信プロトコルを使っています。市販のWAN高速化・最適化装置はTPCベースのトラフィックを最適化することは可能ですが、UDPベースにはその効果を期待できません。XenDesktopだけでもVMware Viewよりも50%ほど帯域幅は少ないことが証明されましたが、Citrix Branch Repeaterを利用することにより80%削減可能になります。」と平田氏はHDXの優位性に関して述べました。

いつでも、どこでも、どんなデバイスからも

さまざまなクライアントデバイスに展開可能な点もシトリックスの優位点です。VMWare Viewは、モバイル系に弱いだけでなくWindows 7に対応していません。(2010年6月16日現在)。シトリックス社の強みは、マイクロソフト社との提携により即座に最新のデスクトップOSに対応できる点も大きいのです。

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XenDesktop vs VMware View 対応比較(2010/6/16現在)

XenApp、App-Vによるオンデマンドアプリケーション配信

また、オンデマンドアプリケーション配信では、シトリックスはメタフレームの時代から数多くの実績を提供してきました。VMware では ThinAppという一つの方法しか提供していないのに対してシトリックスとマイクロソフトでは、複数の方法でアプリケーション配信を最適化することが出来るのです。

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XenDesktop vs VMware View アプリケーション仮想化比較

オープンアーキテクチャ

また、オープンアーキテクチャという観点では、Citrix XenDesktopは、Microsoft Hyper-V、 Citrix XenServer、 VMware ESXなど仮想環境上でデスクトップ配信が可能であるのに対して、VMware ViewではVMware ESX上でしか利用することが出来ません。

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シトリックスとマイクロソフトのVDIソリューションの利点

最後に平田氏は、「シトリックスとマイクロソフトは、圧倒的な優位性があります。たとえば、Windows プラットフォームに統合、安心して使えるVDIソリューション、Windows 7の展開、高品位なユーザーエクスペリエンスの提供、オンデマンドアプリケーション配信、シンプルなライセンス体系など多岐にわたるのです」と締めくくり、マイクロソフト 細井氏にマイクを渡しました。

「シトリックスとマイクロソフトの優位点は、まずはなじみの深いWindows環境で利用できること。WAN環境やモバイル環境など、さまざまな環境でユーザーエクスペリエンスを提供できること。仮想環境、物理環境を一元管理が可能な運用管理面での優位性。そして、コスト面では圧倒的な優位性があります。現在、シトリックスとマイクロソフトでは共同でVDIキャンペーンを提供しています。今後も、さまざまな形でお客様にベネフィットを提供していきたい」とマイクロソフト細井氏は締めくくりました。

共同VDIキャンペーン「VDIクイックスタート」は、2010年12月末まで約半額で提供しています。また、「VMware VDI ユーザー向け無償プログラム」では、VMware Viewユーザーに対してライセンスを無償で提供するプログラムです。それぞれの詳細は、シトリックス&マイクロソフト共同サイトをご覧ください。