Citrix NetScalerがF5より優れている9つの理由(前編)

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Citrix NetScaler : F5より優れている9つの理由

エグゼクティブサマリー

アプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)は、クラウドインフラストラクチャーおよび企業データセンターのアーキテクチャーにおける最も重要な要素の 1つです。ADC はアプリケーション環境全体のパフォーマンス、規模、セキュリティに大きな影響を与えるため、 適切な ADC を選択することは IT 部門のリーダーにとって極めて重要な仕事となります。

F5 Networks®(以下、F5 と表記)は、従来型の企業が抱える各種の要件を満たすような高品質で高機能の ADC ソリューションの提供に関して、強固な市場プレゼンスを確立していることはもちろん、業界からも高い評価を得ています。しかし、過去のアプリケーションデリバリーの課題に対処することを重視するあまり、F5 は、クラウドインフラストラクチャーやクラウド対応の企業ネットワークなどに関する新しい要件を満たす能力が危うくなっているのも事実です。

Citrix®NetScaler®は、世界最大級の企業データセンターやクラウドネットワークで使用されている製品であり、卓越した ADC として世界的に認識されています。また、Citrix NetScaler は高度に統合されたサービスデリバリープラットフォームであり、これを導入することで、企業は、アプリケーションサーバーやデータベースサーバーの効率性を改善し、 100%のアプリケーション可用性を提供できるほか、アプリケーションを攻撃から守ることができます。 Citrix NetScaler は、ハードウェアベースのネットワークアプライアンス、ソフトウェアベースの仮想アプライアンス、仮想化されたマルチテナント型のソリューションという様々な形態で提供されており、世界中のトップクラスのクラウドプロバイダーや企業が選ぶ ADC として確固たる位置を占めています。

この記事では、企業ネットワークをクラウド対応ネットワークへと変革する上で、Citrix NetScaler が F5 のソリューションより優れている 9 つの理由について説明します。

Citrix TriScale テクノロジー

Citrix TriScale™ テクノロジーは、複数の補完的な手法を独自に取り込むことにより、状況の変化に対応したアプリケーションデリバリーインフラストラクチャーの動的なスケーリングを実現するシトリックス独自のテクノロジーです。 このテクノロジーを利用することで、 IT マネージャーは、 任意の時点での組織が抱える固有のニーズに応じて、スケールアップ、スケールアウト、スケールインのいずれか(またはこれらの組み合わせ)を選択できます。

  1. Pay-As-You-Grow ライセンスモデルがもたらす弾力性により ADC のキャパシティをオンデマンドで増強可能
  2. より高密度の ADC 統合ソリューション
  3. クラスタリングによりアプリケーションのキャパシティを最大で 32 倍に拡張
  4. ハードウェアベースのアプライアンスと完全に同じ機能を備えたソフトウェアベースの仮想 ADC を提供
  5. 革新的なクラウドブリッジコネクター機能によりハイブリッドクラウド環境を実現
  6. AppFlow によりオープンな標準ベースのアプリケーション可視性を実現
  7. SQL を理解できるインテリジェントな負荷分散を使用してデータベースサーバーを負荷分散することにより、データ層のスケールアウトが可能
  8. 複雑なプログラミングが不要で、直観的に理解できる簡単なポリシーエンジンを搭載
  9. F5 より 2 倍高速な 2048 ビット SSL 性能を実現

 

1. Citrix TriScale を使用したスケールアップ:Pay-As-You-Grow ライセンスモデル

IT マネージャーは、クラウド機能を次世代のデータセンターに取り入れようとしています。この目標の中心となるのが、予見できないアプリケーショントラフィック負荷の増加に対処できると同時に、厳密な性能に関するサービスレベル契約(SLA)を満たすことができる弾力性を追加することです。従来的なネットワークのオーバープロビジョニングは、高コストで、しかも速度が遅すぎるため、もはや十分ではありません。ネットワークには、予期せぬアプリケーション需要の高まりに素早く対応するための柔軟性が本来備わっている必要があります。そうでない場合、トラフィックの急増が発生すると、遅延や脱落パケットの増加が原因でアプリケーションのパフォーマンスが著しく低下することになります。

シトリックスは、この新しいニーズを踏まえて、NetScaler Pay-As-You-Grow というシンプルなライセンスモデルを作成しました。このライセンスモデルは、オンデマンドで弾力性を提供し、 コストのかかるハードウェアの購入やアップグレードを行うことなく、 IT マネージャーが絶えず変化するトラフィック状況に素早く対応できることを保証するものです。また、NetScaler Pay-As-You-Grow ライセンスモデルでは、ソフトウェアベースのアーキテクチャーを利用するため、データセンターマネージャーが現在の自社のニーズに合った最適な規模の ADC ソリューションを購入できると同時に、追加のハードウェアを一切購入する必要なしに、将来のキャパシティ要件をサポートできるような規模へとスケールアップできるようになります。

これとは対照的に、F5 の BIG-IP ネットワークアプライアンスは、固定されたレベルのパフォーマンスとキャパシティを提供するだけであり、次世代データセンターで必要とされるオンデマンドの柔軟性は提供できません。トラフィック需要が BIG-IP アプライアンスのキャパシティを超えた場合、F5 の顧客は、自社で行った初期投資をすべて破棄し、ADC インフラストラクチャーに対するフォークリフトアップグレード(機器の入れ替え)を実施する必要があります。

F5 は、筐体ベースのシステムである VIPRION にも Pay-As-You-Grow 式の柔軟性があると主張していますが、 これらのデバイスではそのような柔軟性を上手く提供できません。VIPRION アーキテクチャーでは本質的にハードウェア中心のアプローチを採用しているため、IT 部門は自社環境の性能をスケーリングする必要があるたびに、新しいブレードの購入を余儀なくされます。この結果、調達や設置による遅延、使用されないキャパシティ、予定にないネットワークへの投資などが発生することになります。さらに悪いことに、F5 の VIPRION システムでは、完全な性能をアンロックし高度な機能を有効にするためには高額なライセンスが必要となります。このようなライセンスは筐体単位で販売されるため、同ライセンスを購入した場合、顧客の初期調達コストが著しく上昇する一方で、 潜在的な金銭上のメリットは大幅に低下することになります。

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最後に付け加えると、F5 の純粋なハードウェアベースのアプローチでは、短期間のトラフィック急増に対処するために一時的にキャパシティを増強することは不可能です。 シトリックスは NetScaler Burst Pack ライセンスにより一時的なキャパシティの増強をサポートしていますが、F5 の BIG-IP®および VIPRION デバイスでは、トラフィック負荷が急速に低下して正常レベルに戻るような場合であっても、顧客は永続的にキャパシティを追加することを余儀なくされます。 このようなハードウェア中心のソリューションと現実の企業要件の明らかな食い違いは、筐体ベースのシステムでは真の弾力性を構築できないことを明確に表しています。

2.Citrix TriScale を使用したスケールイン:より優れた統合ソリューションを提供

現在のデータセンター設計では、サーバーおよびストレージの仮想化が主流になっていますが、新しい仮想アプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)を使用すると、個別に配備された複数の ADC アプライアンスの大規模な統合を可能にすることにより、仮想化のもたらすメリットを、ネットワーキングインフラストラクチャーのコア部分へと拡張できます。 シトリックスの NetScaler SDX サービスデリバリープラットフォームは、F5 の F5 VIPRION®と同社の仮想クラスタマルチプロセッシングシステム(vCMP)テクノロジーを組み合わせた筐体ベースのシステムよりも優れたADC 統合プラットフォームを提供します。NetScaler SDX は、以下に示す主要な配備条件において F5 のソリューションを上回っています。

  • ADC の統合密度:ADC の統合に成功するためには、ネットワーク内にある既存の多くの ADC デバイスを吸収するだけでなく、将来のニーズに対処できるだけの余裕を持った空間が必要となります。完全に割り当てられた VIPRION システムを使用した場合でも、F5 vCMP の顧客は 16 件を超えるテナントを統合できません。これに対して、NetScaler SDX は 80 件のテナントをサポートしているため、NetScaler の顧客には、F5 vCMP の顧客の約 5 倍もの統合密度が提供されます。
  • ADC の機能:NetScaler SDX は Citrix NetScaler MPX ネットワークアプライアンスが持つ全ての機能(Platinum Edition)を完全に提供するため、 NetScaler SDX を使用することですべての ADC 配備を統合できます。これに対して、 F5 の新しい vCMPテクノロジーは、基本的な統合機能は提供するものの、 F5 の BIG-IP ハードウェアアプライアンス上で提供される ADC 機能の完全なセットはサポートしていません。例えば、vCMP のゲストは、動的に収集される Web コンテンツのキャッシングのようなコア機能をサポートしません。このような制限があるため、F5 の顧客は既存の ADC デバイスを統合できない場合があります。少なくとも、F5 の顧客は、vCMP の制限事項に合わせて自社の ADC ポリシーを変更する必要があります。
  • ADC による隔離化:NetScaler SDX を使うと、各種のクリティカルなシステムリソース(メモリ、CPU、SSL 処理など)を、それぞれ専用の NetScaler ADC インスタンスへと割り当てることができます。これにより、ある 1 つのテナントによるリソース要求が、同じ物理システム上で動作している他のテナントに悪影響を与えないことを保証できます。一方、F5 の vCMP テクノロジーでは、ゲスト間でのCPU やメモリリソースの隔離化は行えますが、SSL 処理や圧縮処理をゲスト単位で割り当てることはできません。このため、単一の vCMP ゲストが、隣接するテナントの SSL 処理や圧縮処理用のリソースを使い尽くしてしまう可能性があり、その結果として、アプリケーションの大幅な遅延やセッションの破棄が引き起こされることがあります。
  • Pay-As-You-Grow ライセンスモデルのサポート:すべての NetScaler SDX ソリューションは、シトリックスが提供する Pay-As-You-Grow ライセンスモデルをサポートしているため、顧客は、高額なハードウェアの購入やアップデートを行う必要なしに、ライセンスキーを使用するだけで、性能やキャパシティのスケーリングが行えます。一方、F5 の vCMP では、システムの ADC 密度と性能を不必要に相互依存させているため、 ADC 統合の意思決定が複雑になります。例えば、 vCMPゲストを追加する場合、顧客は追加のハードウェアブレードを購入する必要があります。同じく、全体的な性能を向上させたい場合にも、顧客は追加のブレードを購入する必要があります。

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