仮想デスクトップ導入事例:株式会社大分銀行

株式会社大分銀行: 2,000台の仮想デスクトップ環境を構築し、安全なWeb 閲覧環境と渉外担当者のモバイルアクセス基盤を実現

銀行業務を通じて、地域社会の繁栄に貢献することを経営理念に掲げている大分銀行。行員一人一人が「感動を、シェアしたい。」というブランドスローガンを共有し、地域社会の発展に寄与するサービスを遂行しています。この一例として、大分市の中心には、地域密着型金融を実現するフラッグシップビル、「宗麟館」が設立されました。その大分銀行では、2013 年からシトリックス コンサルティング サービスを活用しCitrix XenApp Citrix NetScaler を導入、業務効率の改善と顧客サービスの向上を促進しています。

課 題 :

安全かつ業務効率を向上するためのIT 基盤の構築大分銀行が仮想デスクトップ基盤の導入を推進してきた背景について、事務統括部 システム企画グループ 推進役 植木裕二氏は、次のように説明します。「2013 年に当行の事務部門とシステム部門が統合されて、行内の業務改革やシステム改善を推進することになりました。当時、行内では大きく3つの課題を抱えていました。それは、安全で利便性の高いインターネットへの接続、Windows XP のサポート終了に伴うクライアントPC のリプレイス、そしてタブレットなどのモバイル端末の活用でした」。

同行では安全性を最優先して、インターネットを利用する端末は行内LANから完全に分離し、外部のプロバイダーを介してアクセスしていました。そのインターネット経由で得られたデータは、行内の厳密な承認基準を経たUSBメモリーによって受け渡しをしていたため、行員にとって負担となっていました。また、2014 年4月のWindows XP サポート終了に伴い、古い端末のリプレイスによって動作しなくなる可能性のあるアプリケーションの改修コストも懸念されました。さらに渉外担当の行員からは、より迅速に安全にお客様先で対応するために、タブレット端末を活用できないか、という要望も上がっていたのです。こうした課題を解決するために、植木氏は国内外の先進的な事例やテクノロジーをリサーチし、シトリックス製品を活用したソリューションに注目しました。

ソリューション : XenApp、NetScaler SDX の導入とシトリックス コンサルティング サービスの活用

「最初に解決に取り組んだのは、セキュアなインターネット接続の実現でした。そこで、DMZ(非武装地帯)にXenApp を導入して、行内LAN から分離されたWeb 閲覧環境を構築しました」と植木氏は一つ目の解決策を紹介します。構築されたシステムは、行内の端末からNetScaler MPX を通じて、XenApp 上のInternet Explorer 10 を利用する仕組みです。この方式によって、Web 閲覧を起点にした情報流出のリスクを低減し、かつブラウザの管理も効率的に行える環境が実現しました。

「続いて、Windows XP のサポート終了に対応するために取り組んだのが、行内端末のリプレイスとデスクトップ仮想化でした。検討の段階では、何社かのデスクトップ仮想化製品を比較しましたが、テクノロジーはもちろん、コンサルティングやエデュケーションも含めたサービス力の圧倒的な優位性からシトリックスを採用しました。また、仮想デスクトップの安定的な稼働と、LAN内のマルチベンダー環境への対応、そして将来的なモバイル端末の認証などを考慮して、負荷分散システムにNetScaler SDX を採用しました。システム導入にあたっては、シトリックスのコンサルティングサービスを採用したことで、綿密な事前検証やサイジングにも取り組むことができました」と植木氏は二つ目の解決方法を説明します。また、行内で利用している業務アプリケーションを調査した結果、最新のクライアントOS とWeb ブラウザでは利用できないシステムがあることがわかりました。しかし、これらアプリケーションの改修には時間もコストもかかるため、XenApp を活用することで互換性を維持し、課題を解決しました。「古い行内システムの利用には、XenApp 上のInternet Explorer 6 からアクセスすることで、互換性を維持しています」と植木氏は対応策を話します。

そして、三つ目の課題に取り組んでいた事務統括部 システム企画グループ 推進役補の那波浩幸氏は、その解決策について次のように振り返ります。「実は、XenApp による仮想化基盤を構築したことによって、三つ目の課題だった安全で利便性の高いタブレット端末の活用にこの基盤がそのまま使えるという恩恵が得られました」

導入効果 : 安全なWeb 閲覧環境、アプリケーション改修コストの低減、さらに日々の運用管理業務も軽減

仮想デスクトップ導入による行内端末からの安全なWeb 閲覧環境の実現と、シンクライアント端末へのリプレイスは、銀行業務に大きく貢献する高度なセキュリティの確保や業務効率の向上を実現し、導入コストの削減にもつながりました。「新規のOS やWeb ブラウザに対応するために旧システムを改修していたら、時間もコストも仮想デスクトップ導入に比べて数倍の負担になっていたと思います。加えて、現場からは仮想デスクトップ導入後は端末の起動やアプリの動作が速くなったという評価が得られています」と植木氏は導入の成果を評価します。「実は今回のシステム構築によって、我々の業務負担も大きく低減されました。その代表的な成果が、行内に提供しているサポートデスク業務の大幅な負担の軽減です。トラブルが発生しても端末を交換するだけなので、行員の業務にも支障をきたしません」と植木氏はさらなる導入の成果を語ります。

今後のプラン : ワークスタイル改革への取り組みで一層のサービス向上を図る

シトリックスのソリューションによって、IT 基盤の集中化やアプリケーション互換性の維持、さらには情報漏えいリスクの極小化に成功した大分銀行では、すでに次のステップに向けた全体構想を描き、その実現に向けた計画を推進しています。「今回の構築基盤を活用して、今後はワークスタイル改革に取り組んでいく計画です。当面の予定は、仮想デスクトップ基盤を活用して、渉外担当者がタブレット端末からイントラネットを利用できるようにしていきます。また、在宅勤務や災害対策などに対応できる自宅からの利用なども検討しています」と那波氏は今後の構想を語ります。大分銀行では、今後もシトリックスのソリューションを活用し、さらなる銀行業務の効率化やお客様サービスの向上に取り組んでいく考えです。