アプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)導入事例:株式会社 オウケイウェイヴ

日本初、最大級のQ&Aサイト『OKWave』を支えるインフラにCitrix NetScaler MPXを導入。月間1億PVを超えるサイトの安心・安全な運用を実現

「教えて(Oshiete)」と「答える(Kotaeru)」をインターネット上で仲介し、「波(Wave)」のように世界に広げていくという思いを社名に込めたオウケイウェイヴ。「“ARIGATO”で世界をつなぎ幸せで満たす」という理念に基づき、世界に向けて20カ国語でサービスを展開。世界規模で人と人との助け合いを推進するグローバルカンパニーを目指しています。オウケイウェイヴでは、ソーシャルメディアやソーシャルコマースの2軸で提供する個人向けサービスをはじめ、企業のマーケティング活動やカスタマーサポートをトータルで支援するソーシャルCRMソリューションを提供しています。その中でも、個人向けサービスの中核となるQ&Aサイト「OKWave」は、会員登録した一般ユーザーからの質問に別のユーザーが回答をする、インターネット上の助け合いの場で、月間利用者数5,000万人、月間1億5,000万PV(2013年8月現在)を誇ります。また、OKWaveのデータベースを活用した「QA Partner」、「OKBiz for Community Support」などのサービスを約70社以上の企業に提供しています。このOKWave関連システムを中心とした各種サービスのインフラを、Citrix® NetScaler® MPXが支えています。

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技術本部 システム運用部 部長 田辺 明彦 氏 技術本部 システム運用部 メディアシステム運用グループ エンジニア 辻田 紘一郎 氏

 

課題:サービス数、アクセス数の増加によりネットワーク負荷が増大

オウケイウェイヴでは2008年より、OKWave用のロードバランサーとして、NetScaler 9010 Enterprise Edition(以下、NetScaler 9010)を導入していました。2008年以前は、他社製のロードバランサーを導入してサイトの運営を行っていましたが、トラフィックが増えてきたことから、効率的な負荷分散の実現を目的にNetScaler 9010が導入されていました。しかしNetScaler 9010の導入から5年を経て、オウケイウェイヴが提供するサービスの数が増え、利用者数やアクセス数がさらに増大したため、NetScaler 9010のCPU使用率も高くなり、新たなサービスを追加することが困難になっていました。また2013年3月でNetScaler 9010のサポート契約期間が終了することもあり、新たなロードバランサーを導入することが必要でした。技術本部 システム運用部 部長の田辺 明彦氏は、「OKWaveはサービスの中核となる仕組みなので、これが止まってしまうとビジネスに大きな影響が出てしまいます。そこでこのシステムのパフォーマンス要件を十分に満たす製品を選ぶことが必要でした。また、引き続きトラフィックが伸びていることはもちろん、2048bitの鍵長を使用する際のSSL処理性能や圧縮機能なども考慮する必要があったため、スケーラビリティも重要なポイントでした」と話します。そこで、いくつかの製品を比較検討した結果、NetScaler MPX 8600 Enterprise Edition(以下、NetScaler MPX)を採用することを決定します。

ソリューション: 移行のし易さも考慮し、NetScaler MPXを導入

オウケイウェイヴでは、2012年8月よりNetScaler MPXの導入に関する検討を開始し、採用を決定、導入準備を進めてきました。その後、2013年1月より運用テストを繰り返し、2月末にNetScaler 9010からNetScaler MPXへの切り替え作業を実施しました。技術本部 システム運用部 メディアシステム運用グループ エンジニアの辻田 紘一郎氏は、「NetScalerシリーズは、従来モデルとのソフトウェア互換性を保持しています。そのため、新旧2台ずつのNetScalerを、非常に効率良く切り替えることができました」と話します。機器の選定時に他社製のロードバランサーに切り替えるという選択肢もありましたが、従来モデルとの間でソフトウェア互換性を保持していることが、NetScaler MPXを採用するに至った理由のひとつでもありました。また事前に動作検証を行うことで、新しい機種に切り替えても全く問題がないことを確認できていたため、安心して移行作業を進めることができました。辻田氏は、「機器の切り替えのために、OKWaveのサービスを停止することはできません。そこで、サービスを止めることなく機器の入れ換えができることは重要でした。他社製品を選択していたら、サービスを止めずに機器を切り替えるのに、少し苦労したかもしれません」と語ります。NetScaler MPXを採用した理由を田辺氏は、次のように語ります。「NetScaler MPXを導入するにあたり、これまで使ってきた実績や使いやすさは評価ポイントでした。今回導入したNetScaler MPXは、以前導入していたNetScaler 9010と比較して、性能向上や機能拡張が施されています。また、NetScaler 9010の設定をほとんど引き継いで使えたことは、採用を決める十分な理由でした」。

導入効果:各種の処理をNetScaler MPX にオフロードすることで、WebサーバーのCPU 使用率を低減。ピーク時でも余裕の運用を実現

NetScaler MPXの機能で利用しているのは、負荷分散をはじめ、フェールオーバー、SSLオフロード、圧縮処理などです。OKWaveでは、HTMLデータやJavaScript、CSS(Cascading Style Sheets)などの技術を使っていることから、送信するデータ量が多くなり、ネットワーク帯域幅を圧迫して通信に時間がかかるため、圧縮処理を有効活用しています。またSSLオフロード機能を利用することで、高速なデータの暗号化/復号化を実現しています。Webサーバーのリソースを使って暗号化/復号化を行うのではなく、NetScaler MPXに登載されている専用のASICを使用することで、Webサーバーに負荷をかけることなく暗号化/復号化を実現しています。また、圧縮処理についてもNetScaler MPXにオフロードすることで、Webサーバーの負荷を軽減しています。さらにNetScaler MPXにより、Webサーバーの運用管理負荷も軽減しています。現在、httpsで提供するサービスは数10サイトありますが、それに必要な証明書を1年に1回、更新しなければなりません。各Webサーバーに証明書を導入すると、サービスを提供するhttpsサイトの数だけ更新作業が必要です。しかしNetScaler MPX上の一カ所で証明書を登録管理することで、証明書更新の作業負荷を大幅に軽減することができます。このように、従来Webサーバーのリソースを使っていた各種の処理をNetScaler MPXにオフロードすることによって、WebサーバーのCPU利用率を下げることができました。田辺氏は、「以前はピーク時にCPU使用率が管理画面上で黄色から赤の警告レベルまで上がっていました。現在では利用率がピークになる時間帯でも緑の安全なレベルを維持できており、安心して運用できます」と話します。また辻田氏は、「WebサーバーのCPU使用率が低減されたので、トラフィックが少しくらい増えても大丈夫という安心感があります。以前はCPU使用率が高かったので、L4レベルのルールまでしか設定できませんでした。今後は、L7レベルのアプリケーションレイヤーの負荷分散も実施する計画です」と話します。一方、管理ツールのメリットを田辺氏は、「NetScaler 9010の配下で数百台のサーバーを管理していると、管理ツールのレスポンスが低下することがあり、気になっていました。しかしNetScaler MPXのGUIは、レスポンスや操作性も良く、非常に満足しています」と話しています。

今後のプラン:NetScaler MPX の有効活用でさらにサービスを拡大

今後の展望について辻田氏は、次のように語ります。「オウケイウェイヴが提供しているサービスは、アクセス数が多いので、ひとつのサイトの画像ファイルを配信するだけでもかなりのトラフィック量になります。そこで、すべてのデータソースにアクセスするのではなく、NetScaler MPXのキャッシュ機能を利用して、参照系のデータはキャッシュから配信できれば、トラフィック量増加の問題も解消できます。新しいサービスを提供していく場合に、できるだけリードタイムを短くして迅速に提供できることに期待しています」。また田辺氏は、「日本最大級のサイトを安定稼働させることは最も重要です。これまで以上にトラフィックが増えたときに柔軟にスケールアウトできることにも期待しています。たとえば、トラフィックが倍になったときに、単純にWebサーバーも倍の数にスケールさせるのではなく、1.5倍程度のサーバー数に集約し、より効率的にリソースを活用できる仕組みを実現したいと思っています。サーバー集約という観点では、仮想アプライアンスであるCitrix® NetScaler® VPXにも期待しています」と話しています。 デスクトップ仮想化