仮想アプリケーション導入事例:株式会社ローソン

1,600台のタブレット端末とXenAppでスーパーバイザーのモバイルワークを実現。オフィスへの出社回数を減らして本業の店舗経営指導に専念

コンビニエンスストア業界のイノベーションリーダーを目指し、国内1万1,020店、海外466店(2012年10月末現在)を展開するローソン。1975年の設立以来、「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」という企業理念に基づき、常に新しい挑戦を続け、すべての店舗が地域の顧客に愛され、支持される「マチのほっとステーション」になるべく、さまざまな取り組みを推進しています。主な取り組みとして、コンビニエンスストアの「ローソン」や、生鮮食品から日用雑貨まで、100円の商品を中心に取り扱う「ローソンストア100」、美と健康を考えたライフスタイルをサポートする「ナチュラルローソン」など、街にあわせた店舗を展開。

また、医薬品販売やネットショッピング、ポイントカード「Ponta」を活用した「相互相客」と呼ばれる世界など、新たなビジネス分野へも積極的にチャレンジしています。その一環として、加盟店に店舗経営指導を行うのが「スーパーバイザー(SV)」と呼ばれる職種です。SVは、的確な品ぞろえや棚割のアドバイスから売上アップに至る戦略作りまで、加盟店のオーナーをサポートします。ローソンでは、SV業務のさらなる効率化を目的に、タブレット端末を活用したSV支援システムを構築。アプリケーション仮想化基盤として、Citrix® XenApp®を採用しました。

 

デスクトップ仮想化 デスクトップ仮想化
IT ステーション
システム基盤 部長
高原 理彦 氏
IT ステーション
システム基盤 マネジャー
八並 朋之 氏

 

課題:いかに効率よく加盟店を訪問し、最適な店舗経営指導を行うか

 

インタビューア:アプリケーション仮想化の導入に至った背景をお聞かせいただけますか?

高原氏:
ローソンでは1人のSVが複数の加盟店を担当しており、SV業務の生産性向上や標準化をいかに実現するかというテーマを抱えています。いかに効率よく複数の加盟店を訪問して最適な店舗経営指導を行い、さらにSV業務のレベルを向上していくかは大きなテーマなのです。

 

インタビューア:SV業務の具体的な課題とは何だったのですか?

高原氏: コンビニエンスストア業界は非常に競争が激しく、世の中の変化や顧客のニーズに迅速かつ的確に応えていかなければ競争優位に立てません。10年前に比べると“できること”は相当量増えています。まずは本部と加盟店の良好な関係を確立することが必要であり、そのために加盟店に伝えるべきことが数多くあります。本来、SVは店舗経営指導が本業ですが、ここ最近は、本部からのメッセージを加盟店のオーナーに伝える仕事に時間を割く傾向にありました。そこで、いかに店舗経営指導の時間を増やせるかが大きなテーマになっていました。一方、加盟店舗においても、品ぞろえや棚割のあり方、顧客のクレーム対応など、さまざまな課題が発生します。こうした問題をいかにナレッジ化して、SVを介して本部と加盟店との間で共有していくかも、解決すべきテーマのひとつでした。

 

インタビューア:それらをITを活用して解決するのですね?

八並氏: はい。的確な店舗経営指導をするためには、SVも情報武装をしないとオーナーやお客様の信頼を得ることはできません。もちろんITだけでは業務改革はできませんが、重要な取り組みのひとつであり、常に高度なIT活用を目指さなければならないと思っています。

 

ソリューション:タブレット端末とXenAppでSVのモバイルワークを実現。Citrix Receiverでローカルアプリケーションに安全にアクセス

 

インタビューア:今回、タブレットを活用したモバイルワークを実現しましたが、システム概要を教えていただけますか?

高原氏:
ローソンが構築したシステムは、物理サーバー上にハイパーバイザーとしてMicrosoft® Windows Server® 2008 R2 Hyper-V™を導入し、XenAppによるアプリケーション仮想化環境を構築しました。タブレット端末を活用し、ローカルアプリケーションへのアクセスと、Citrix Receiver ™による社内業務アプリケーションへのリモートアクセスを使い分けています。ローカルアプリケーションでは、主にWEB会議や写真共有などのコミュニケーションツールを利用しています。一方、XenAppでは、インターネット環境、経費精算、勤怠管理などの社内業務アプリケーションへセキュアにアクセスできます。可能な限り、PCでできる業務はタブレット端末でも行えるようにしたいと考えました。

 

デスクトップ仮想化

 

インタビューア:Citrix XenAppを採用した理由は何でしたか?

八並氏:
XenApp を採用した理由は、SV は外出先からWi-Fi 接続でタブレット端末を利用するので、少ない帯域幅でも高速なレスポンスを実現することが必要であり、ICA® プロトコルが有効だったのです。ICA プロトコルは、XenApp がCitrix MetaFrame と呼ばれていた時代から評価しています。テストでは、3G 接続でも問題のないレスポンスでした。

 

インタビューア:NetScalerはどのような用途でお使いですか?

八並氏: XenApp のアクセス方法としてWeb Interface を使っているので、リバースプロキシ用にCitrix NetScaler® VPX も導入しています。NetScaler は、リバースプロキシに使えるだけでなく、SSL VPN や負荷分散にも使え、アプリケーションアクセラレーション機能も搭載されているので、将来性も含めて評価しました。

 

導入効果:モバイルワーク実現でSV がオフィスに戻る回数を減らし、加盟店訪問に注力

インタビューア:導入は順調に行われましたか?

高原氏:
タブレット端末を活用したSV 支援システムにXenApp を採用した効果に、「短工期・コスト削減」があります。XenApp では、既存のアプリケーションを改修することなく、そのままタブレット端末からセキュアにアクセスすることができるので、短工期・低コストでSV 支援システムを構築できました。2012 年2 月よりシステム構築の検討を開始しました。5 月よりXenApp を導入したシステム構築をスタートし、8 月より1,600 台のタブレット端末をSV に配布して本番稼働しています。これだけの仕組みを3 カ月間という短期で構築し、さらにアプリケーションの改修コストを削減できたのは、XenApp を採用した大きな効果でした。

 

インタビューア:業務改善に関する効果はいかがでしたか?

高原氏:
SV の業務改善に対する効果では、タブレット端末とXenApp の導入には、SV が事務処理のためオフィスに戻ることなく、本業である店舗経営指導に専念するという狙いがあります。SV 支援システムを導入したことで、モバイルワークで店舗経営指導の後処理ができるようになり、オフィスには週1 回のミーティングにだけ出社すればよいことになっています。これにより、加盟店の訪問にかける時間を増やすことができました。

 

インタビューア:SVの方々の評判はいかがですか?

八並氏: XenApp 導入前は、特に加盟店のオーナーとは、紙でのやり取りが中心でした。また販売促進活動を地域ごと、時間ごとなど、さまざまな条件で展開しているのですが、たとえば優良店舗の状況を以前は紙のレポートで報告していました。タブレット端末を使うことで、写真などを添付した情報をリアルタイムに共有することができ、より一層の販売促進を実現できました。SV からも業務が楽になったとか、便利になったと非常に好評です。

 

今後のプラン:海外拠点や加盟店の業務効率化にも期待

 

インタビューア:SV支援システム以外にも利用する計画はありますか?

八並氏:

今後、ローソンでは、海外の店舗から日本のシステムを利用する場合や、人事や会計など、ローソングループのバックオフィスを支える仕組みにXenApp を利用する計画です。また海外のBPO 拠点との接続には、Citrix XenDesktop® による仮想デスクトップで、ガバナンスを効かせることを検討しています。現在、すでに試験的に社外からのシステム管理にXenDesktopを利用しています。

 

インタビューア:店舗システムに関してはいかがですか?

高原氏:
今回、SV や本部の業務効率化を目的にXenApp とタブレット端末を採用しました。これだけでもかなりの効果が見込めますが、今後は店舗で利用されているさまざまな専用デバイスをスマートデバイスに置き換えることで、店舗オペレーションの効率化にも活用していく計画です。これにより、モバイルワークの新たな可能性も生まれます。それぞれの立場で働き方にあったデバイスを選択できる環境を実現したいと思っています。

 

インタビューア:ありがとうございました。

高原氏、八並氏: ありがとうございました。

この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます