仮想デスクトップ導入事例:キリン株式会社

kirin-logoセキュリティ強化と利便性向上の両立を目指して!
キリンビジネスシステム株式会社
情報技術統轄部
インフラ技術管理グループ 部長
門田 晴裕 氏

約14,000台のPC仮想化により、セキュリティ強化とユーザー利便性向上の両立し、業務生産性の向上とワークスタイル変革に取り組む

” あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていく。” という理念のもと、キリンビール社、メルシャン社、キリンビバレッジ社、キリン社が酒類事業、飲料事業の垣根を越えて一体となって、日本綜合飲料事業を展開しています。キリングループのIT インフラを支えるキリンビジネスシステム株式会社は、より安全なPC の活用と将来を見据えたワークスタイル変革のために、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(以下NTT データ)の協力のもと、CitrixXenDesktopXenApp などの仮想化ソリューションを採用し、約14,000台のシンクライアントを稼動させました。

課題:利用者に負担をかけていたWindows クライアントの課題

kirin-kadota国内のキリングループ全体で利用しているPC は約14,000 台にのぼります。キリンビジネスシステム株式会社 情報技術統轄部 インフラ技術管理グループ 門田 晴裕 部長は、全PC をシンクライアントに置き換えCitrix XenDesktopをはじめとした仮想化ソリューションを採用した背景を次のように切り出します。「ユーザーの利便性とセキュリティ、運用面において課題を抱えていました。ハードウェア/ ソフトウェアともに老朽化が進み、PCの起動/ 終了に時間を要していたり、社外とのデータのやりとりやブラウザでの情報表示など、さまざまな支障が出ていました。また、キリンではもともとPC の持ち出しを許可していましたが『飲酒する場合はPC の持ち出しをしてはならない』というルールが定められています。しかし、お客様先である料飲店などを訪問する営業は、アルコールを飲む機会が多く、PC を保管するために帰社しています。この非効率性は無視できないレベルでした。そこで、セキュリティとユーザーの利便性向上を両立させ、業務をより効率的に進められる環境を構築する必要があったのです。また、運用面においても、更新プログラムの適用などIT に関わる作業をユーザーに実施させていました。これらの作業時間を短縮させユーザーへの負荷を減らすことで業務効率の向上につなげるとともに、システム管理面においても全体のコスト削減につなげたいと考えました」

キリングループ全体で約14,000 台という大規模なシンクライアントを導入し、仮想デスクトップ環境に移行するというプロジェクトを担ったのは、株式会社NTT データの第四法人事業本部 KIRIN ビジネス事業部でした。同部の開発統括部の古賀 篤 部長は「当時、WindowsXP などのサポートが切れる2014 年4月まで1年少ししかありませんでした。大規模な仮想化システムの構築でトラブルに遭遇している事例を目にすることが多い状況のなかで、絶対に失敗することなく大規模で安定した運用を実現できる仮想化システムを構築できるかどうかが、当社にとっての大きな課題でした」と振り返ります。

ソリューション:実績やアプリケーション互換性を考慮しCitrix XenAppを採用

kirin-koga仮想化システムへの移行にあたり、キリン社内で活用されていたWindows XP やOf fice2003、Internet Explorer の旧バージョンなどの利用が必須要件でした。NTT データの開発統括部ではプロジェクト成功に向けてシトリックスを含めた3 社の仮想化ソリューションを比較検討しました。「私たちがシトリックスを選定した理由は、大規模な仮想化システムでの導入実績に加えて、XenApp による古いバージョンのアプリケーションとの互換性を維持できる点にありました。それらに応えられる製品が、XenApp だったのです」と古賀氏は採用の理由を説明します。また、本プロジェクトを円滑に進めるにあたりシトリックス社のコンサルティングサービスも利用することにしました。そのコンサルティングサービスを導入した背景について次のように語ります。「大規模な仮想化システムが失敗する要因の多くは、システムの基本設計にあります。実際のユーザーの使い方をしっかりと調査していないために、カットオーバーしてからサーバーやネットワークの性能が不足してしまう、といったトラブルです。そこで、シトリックスのコンサルタントに協力してもらって、徹底的にユーザーの調査を行いました」。実際に本プロジェクトでは、ユーザーのPC を使用した働き方について事前に調査し、人とシステムの関係性を徹底的に洗い出しました。そこで得られた情報を元に、多種多様なパラメーターを調整していくことでストレスのない安定した状態で仮想化環境を運用しています。

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導入効果:端末管理コストの低減ほか、利便性や生産性を大幅に向上

2012 年11 月からスタートしたプロジェクトは、2014 年4 月には本社、6 月には工場と物流部門、そして9 月には営業拠点へと配備され順次導入が終了しました。約14,000 台のカットオーバーから数カ月を経過しても、XenDesktopおよびXenApp は、安定した稼動を続けています。門田氏は、その成果についてコスト面や生産性という観点で次のように語ります。「仮想デスクトップになって、現場のユーザーからは『システムの起動/ 終了が速くなった』という評価が得られました。仮に14,000 人の規模で、起動が3 分短くなっただけでも、年間数億円の削減につながる計算になります。また、OS のアップデートやパラメータファイルの更新など現場に負担をかけることがなくなっただけでなく、営業担当者が安心してノートパソコンを持ち出せるようになったことで利便性や生産性が大幅に向上したと考えています」

今後のプラン:スマートデバイスの活用などワークスタイル変革を加速

今後の取り組みについて、キリンではさらなるワークスタイル変革を推し進めていく予定です。セキュリティを考慮した仮想化基盤を導入したことにより、さらなるワークスタイル変革への道筋が期待できます。「今後は、スマートデバイスなどの活用が進むとトラフィックが増加することが予想されます。ロードバランサーとして既に導入済みのCitrix NetScaler のさらなる活用を実現したいと思います」と古賀氏はシステム面での展望を話します。

最後に門田氏は「その次のステップでは、情報部門がユーザー部門を巻き込みながら、さらなる働き方の変革に関しての推進を行う計画です」と、今後の抱負と期待を語ってくれました。