ファイル共有・同期サービス導入事例:慶應義塾大学

keio-sfc-logoクラウドの利便性とオンプレミスの安全なファイル管理を両立できるオンラインストレージがCitrix ShareFileでした
慶應義塾大学 環境情報学部
准教授 植原 啓介 氏

約6,500 名の教職員と学生がShareFileでオンライン ストレージを活用

慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(以下SFC)は、多様で複雑な社会に対してテクノロジー、サイエンス、デザイン、ポリシーを連携させながら問題解決に取り組むことを目的として設立されました。実践を通して21世紀の実学を作り上げることを目標に、常に最先端の研究を効率よく推進するために、SFC には最新鋭のコンピュータおよびソフトウェアが導入されてきました。そして今回、約6,500 名に及ぶ教員、学生、職員がクラウドで安全にファイルを保存し共有できるように、Citrix のShareFile を採用しました。

かねてからパブリッククラウドによるファイル共有の問題を認識

sfc-uehara慶應義塾大学 環境情報学部の植原啓介准教授は、SFCがクラウドに対応したファイル共有システムを導入しようと検討した背景について、次のように説明します。「3 年ほど前の2011 年くらいから、Dropbox のようなファイル共有サービスを個人的に利用する先生がかなり増えていました。しかし、学内の重要なデータが外部に出てしまうのは、防がなければなりません。そこで、クラウドの利便性とオンプレミスでのファイル管理を両立できるオンライン ファイルシステムはないかとリサーチをしていました」SFC には、以前から学内のネットワークで利用できるアーカイブサーバがあり、教職員や学生がキャンパスにある端末からアクセスできる環境を整備していました。「アーカイブサーバは、キャンパス内の閉じたネットワーク環境に対応していたので、外部から利用するためには、VPN 接続などを使わなければなりません。そのため、すべての学生や教職員が容易に使えるサービスとは言えませんでした。加えて、当時からスマートフォンやタブレットの活用が主流になりつつありました。そうした背景からも、安全性に加えてマルチデバイス対応というのも、重要な選択条件となっていました」と植原氏は補足します。

安全にマルチデバイスから利用できる性能を評価してCitrix ShareFileを採用

sfc-yamakataオンライン ファイル システムの選定を開始したSFC では、いくつかの要件を定義しました。その内容について、湘南藤沢インフォメーションテクノロジーセンター(ITC)の山方崇氏は、以下のように振り返ります。「まず第一に、オンプレミスのファイル管理が基本でした。ITC として安心してデータを保護するためには、データを保存するストレージをオンプレミスで管理しなければなりません。次に、多種多様なデバイスに対して、きちんと対応できる点も重視しました。特にAndroid などは、様々な機種があるだけではなく、OS のバージョンも多様なので、そうした端末に対して、運用管理の手間をかけずに対応できるかどうかを検討しました」オンプレミスの安全性とマルチデバイス対応という選定のポイントに加えて、さらに、SFC ならではの選定のポイントがありました。その点について、ITC 本部 助教の中島博敬氏が補足します。
sfc-nakajima「クライアントの多言語対応も必須でした。SFCには、海外からの留学生も多く、英語だけですべての授業を受けて卒業する学生もいるので、英語で利用できるかどうかも評価の対象にしました」さらに、山方氏も運用管理の面から、次のポイントを指摘します。
「実際の導入にあたっては、SFC の認証システムとの連携が重要でした。また、ユーザーの登録や削除を一括で処理できるAPI の有無や実用性も検証しました。大学は一般の企業とは違い、毎年学生の増減があります。そのため、約1,000人の単位でユーザーアカウントの登録と削除が必要になります。それを手作業ではなく、API で一括に作業できるかどうかは、運用管理という点では重要なポイントでした」湘南藤沢ITCでは、これらの要件からハードウェア製品も含めて、広範囲なソリューションを検討し検証した結果、Citrix ShareFile が最適であると判断し、2013 年に導入を決断し、2014 年3 月から稼動を開始しました。

情報共有の効率があがり多くの学生も利用できる環境が整う

Citrix ShareFile によるオンライン ファイル システムは、約6,500 名に及ぶ教員、学生、職員のすべてに、10GBずつの容量が提供されました。その導入効果について、植原氏は次のように評価します。
「本稼動からまだ半年ですが、ShareFile の共有フォルダを活用する教員や学生が増えています。大学では、いろいろなプロジェクトがスタートするので、そのプロジェクトに参加する人たちが、データを共有するためにShareFile を活用するようになりました」
ShareFile が導入される以前は、プロジェクトで利用するファイルがメールでやり取りされ、各自が編集してしまって情報が混乱するケースもありました。しかし、ShareFile の共有を活用することによって、常に単一のファイルを各自が参照できるようになり、情報を的確に共有できるようになりました。
「文理融合を標榜するSFC としては、学部学生も、総合政策学部や看護医療学部などもあります。こうした学部の学生も、ShareFile によるオンライン ファイル システムであれば、容易に使えるようになると思います。また、クライアントのアプリの更新の早さにも驚いています」と中島氏は効果について話します。
「やはり最大の成果は、オンプレミスでストレージを管理しながら、クラウドからもアクセスできるオンライン ファイル システムを実現できたことにあります。もしも、すべてをクラウドサービスに委ねてしまうと、そのクラウドに対するロックインが発生すると懸念しています。ストレージが学内にあることで、安全にデータを守れるだけではなく、特定のクラウドに対するロックインを防げるのです」と植原氏はオンプレミスの重要性を強調します。
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教育的な効果も含めてオンライン ファイル システムの活用を推進していく

「学生には、Dropbox のようなパブリックのサービスと、ShareFile によるオンライン ファイルシステムを使い分けてもらいたいと思っています。両方のサービスを使うことで、データの危険性を考える教育的な効果も期待しています。その意味でも、今回のシステム構築には、意義があると思います」と植原氏は今後の教育に向けた抱負を語ります。
「現在は、各自が利用できるストレージ容量の拡張を検討しています。導入を検討した当初は、Dropbox も5GB 程度だったので、その倍の10GB で充分だと考えていたのですが、パブリックのサービスも容量を増やしているので、ITC としても増量を検討したいと考えています。ShareFile は、特定のハードウェアには依存しないので、増設のときにもコストパフォーマンスを優先してストレージ装置を選択できるので、採用してよかったと思います」と山方氏は話しました。

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